出会い
中傷、作者が死にたくなるようなコメントは控えてください(‐‐;)
私、水無月灯。
来年受験を控えてる中学三年生です。
好きなことは運動かな?嫌いなことは…
もちろん勉強です。はい。
最近の楽しみ…というか夢中になっていることそれは―――。
―――――――恋。
ちょっと大げさかな?普通の女の子だったら恋愛の一つや二つなんて珍しくないよね。
でも私はそれとは少し違う…と思う。
私の好きな人。それは、
同じ歳の男の子でもない。
幼馴染でもない。
後輩でもない。
先輩でもない。
じゃあ一体誰かって?
出会いは一年前にさかのぼります…。
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私が中学校に入学したばかりのこと。
「灯、あなたも二年後には受験生なのよ」
お母さんが珍しくまじめの顔をして私にそう言った。
何を言い出すかは大体予想がついてるけど。
「分かってるよ…」
「塾に行きなさい、志望校に合格したいでしょ?」
う…やっぱりきた…
覚悟はしてたけど改めて『塾』と聞くと頭が痛いなぁ。
「はいはい…で、どこの塾?」
「あら、意外とすんなりね…(驚)」
それはそうに決まってるよ…。
「いやだ」なんて言ったら返ってくる言葉は分かってますから。平和主義なので面倒なことは避けたいしねww
「…えっと。あ、ここここ!」
とお母さんはチラシをどこからか持ってきて私に見せる。
「二つに絞ったんだけどね、体験行ってから決めなさい^^」
「んと?…『鳴桜塾』と…『ファイト予備校』?」
ふぁ、ファイト!?
ダサい…ダサすぎる…。
「両方個別指導なんだけどね、灯は大人数で授業受けるの嫌いでしょ?」
「うん、まあ。大人数だと質問しにくいしね」
「じゃちょうどいいわね!明日と明後日に体験入れてあるから」
「了解デス」
明日って早すぎるでしょ!
ま…いっか…。
「こんばんはー」
『ファイト予備校』と大きく書かれた看板の掲げられた建物に入ると
40すぎくらいの禿げかかったおじさんが出てきた。おそらく塾長だと思うけど…
この時点で私の答えは決まっていた。
お母さんがその塾長と話をしている。
「成績はどのくらいか?」
とか。
「不得意な分野は?」
とか。
体験…というか話は大体30分くらいで終わって塾を出た。
「どうだった?ここは」
「死んでも行きたくない」
セクハラしてきそうなおっさんだけは絶対に避けたいからね(汗)
二つ目の『鳴桜塾』はかなりよかった。
塾長もなかなかフレンドリーそうだし講師はほとんどが大学生なため親しくなれそうだなぁと思った。
教室内はとてもきれいで最近できたばかりなのかな?
同じく30分程度で終わった。
「私ここにする!」
こうして『鳴桜塾』に決定しました^^
入塾して半年後くらいのこと。
授業は分かりやすいし先生も喋りやすいし楽しい。
けどやっぱり塾は塾だなー。
塾に行くのは正直憂鬱だし、いやだ。
肝心な成績は少し上がったくらい。
1コマ1時間30分なんだけど凄く長く感じる。
そして今日も塾へ向かった。
教室に入ると塾長が「こんにちは^^」
と笑顔で挨拶する。
私もそれに返して「こんにちは」といってしまうんだけど…
ここの塾なぜか昼夜問わず「こんにちわ」なんだよねぇ(笑)
…それはさておき。
鳴桜の生徒はみんなタイムカードじゃないけど来たときと帰るときに
カードっぽいのをスキャンしなきゃいけなくてスキャンすると親にメールが届く仕組みになっているらしくて誰がサボっているかが分かるようになっている。
靴を脱いでスリッパに履き替えてボードに挟んである今日の座席表を見る。
今日は5時からのBの時間に入れてある。
教科は数学。
席は17番。
先生は―――――。
『源川友樹』先生
と書いてある。
誰……?
初めて見る名前だった。
予鈴の音楽が鳴り授業が始まった。
「えっと。初めまして。源川友樹です、よろしく^^」
へぇ…。
新人塾講師かぁ…。
21歳くらいかな?身長は低め。大体165cmくらいだと思う。
真面目そうな感じで、人によってはかっこいいんじゃない?といえるくらいのルックス。
身長が低いせいか高校生っぽく見える。童顔じゃないけど…なんだろう?
あとここの先生はみんな白衣を着るのが規則らしくまだ少し新しい白衣がなんだか新鮮だなぁw
初めての先生だったから緊張してしまって質問することができなかった。
そんなこんなやっているうちに1時間半が過ぎ授業は終了。
質問はできなかったけど源川先生が私の席に廻ってきたときに教えてくれた。
難しい方式だったけど簡単にできて自分でも驚いた。
塾を出ようとしたときのこと。
後ろから誰かに呼び止められて振り向くとそこには源川先生が立っていた。
「分からないところない…?あったらすぐ言ってね」
「あ…はい」
なぜかわたしはその一言が少しムカついた。
できない、と馬鹿にされているような気がして。
そんなつもりで先生は言ったはずじゃないなんてわかってたけど…
私はそのまま逃げるようにしてカードをスキャンして教室を立ち去りました。
その日から少し源川先生が苦手な存在になりました。