愛慕
冷たい風が頬を撫でました
梅の蕾を見ました
足の薬指が酷く痛みました
雪をかぶる猫が走りました
手袋した貴方に見惚れました
いつくるのか
知らない
知りえない
知りたくない
お別れの時節
あのときこの想いに気付かなかったら
今、どんな気持ちで息をしていたんだろうと
惑う天井に話しかける
「意味ないよ、たらればは」
逃げ出したくなるくらいの
こんな愛を抱えて
貴方を慕っているんです
きらいな「朝」と「みんな」がやってきました
桜から逃げたいけど
足の薬指が上手く動かない
マーブルカラーが襲ってきました
ブレザー着た貴方を懐かしく思いました
もうくるのだ
聴かない
聴きえない
聴きたくない
お別れの言葉
あのときこの想いに気付かなかったら
今、どのくらい不幸であったのだろうと
メランコリックな陽だまりに問う
「目下さえも、不幸せ」
手記に書いても紛れない
そんな恋を抱いて
貴方を求めているんです
梅雨に断られた雨宿り
つまらないのに楽しいババ抜き
未来の小説に咲く花
アトラクションから逃避
郷愁中の横顔
遠距離誕生日祝い
空の部屋に響く歌声
生牡蠣と共に起床
どしっと構えろ主人公
奇怪な音楽の合いの手
お残しのサイドストーリー
美食の音楽盤にお咎め
常駐していた記憶
両手では数えられない自然数
何も言わぬ見合い
冷たい手と暖かい手
メタルに零れる水柱
折り紙玉とピースサイン
黒から溢れる白い袖
問い迫る恵愛
野生的な饗宴の傍ら
帰路と右隣
4区切りの見開きページ
鶴に書いた不平不満
家庭科室からの怒声
図書室からの逢瀬
三度しかない70番目の半素数
生かしている
その全てが
私を、今日の私を
いままでの私を
残り本数の少ないバスを待ちながら
この停にしばらく
2人で待っていたい
ちゃんと傘もお返したいし
もうくるのに
知らない
知りえない
知りたくない
お別れの時節
あのときこの想いに気付いちゃったから
この唄を紡いでいるんだろうと
孤独の部屋で見つめている
「明日会えるから、いいんだよ」
言葉が上手く出てこない
こんな好きを抱えて
貴方を想っているんです
こんな貴方に囚われて
ずっと泣いているんです




