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第二話
「樹さん⋯⋯、なんて言うかな⋯⋯、ん、そう⋯⋯、グループにいた頃に持ってきていただけたら⋯⋯、そう⋯⋯、グループにいた頃だったらこれでもよかったんですけど⋯⋯、今回はなかったということで⋯⋯」
出版社の編集担当からの歯切れの悪い答えが私のプライドをズタズタに切り裂いていく。
私は樹セナ。一年前まで人気アイドルグループ『クイーンズキッス』のセンターを張っていた。在籍していた頃にはグループの有難さなんて考えてもいなかった。このグループは私がいるから人気があるんだという自負を持っていた。まさか、グループ時代に何度も頭を下げてきた編集担当にこんな対応をされるなんて⋯⋯。




