第4話 湖の毒汚染
湖は変わり果て、中心からボコボコと泡を吹き出し、黒い濁流がじわじわと広がっていく。
「な、なんだよこれ……!」
リクが青ざめる。
「リク! これはただの自然現象じゃない!」
ダンさんの目が戦う光を宿した。
「……誰かに仕掛けられてる!!」
「えっ!? なんで……!」
「湖を潰されたら……おいら達ダンゴムシは干からびて終わりだ!」
「この日のために、ずっと準備されてたんだ!」
「しかもこれは重油や液体の毒だ! このままだと村全体に広がってしまう!!」
その時――。
「兄貴ぃぃーーっ!」
デカダンが駆けつける。
「デカダン! よく聞け!」
「湖はもう汚染されてる! あの猛毒はおいら一人じゃ浄化できない!」
「生まれたばかりの子供たちは養鶏場の池へ避難! 残りはおいらと来てくれ!」
「ちびどもにも、力を貸してもらう!」
「ウッス! どこまでも付き合いますぜ、兄貴!!」
ダンさんはリクを振り向く。
「リク! 湖の毒は広がる! 土の力で食い止めるんだ!」
「おいらだけじゃ浄化できない! 土の力を借りないとダメなんだ!」
「米ぬかがあったろ!? あれを湖の周りに撒くんだ!」
「米ぬか!?」
「村に保管している米ぬかは、おいらが“土を豊かにする魔法”をかけてある!」
「毒を吸収して、湖の外へは広がらない!」
「わかった! 俺が撒く!」
リクは拳を握った。
だが――!
「キャーーッ!! ダンドドシン様ーー!!」
「お兄ちゃん!!」
酪農のマダムと子供たちが血相を変えて駆け込んでくる。
「村の南の共同畑が……黒いドロドロに! それに……スライムみたいな化け物が……!」
「なんだと……!」
リクが息を呑む。
「ダンさん! そいつの仕業じゃない!?」
「クッ……!」
ダンの顔に迷いが走る。
「米ぬかで湖を守らなきゃいけないし、畑も放っておけない……!」
リクの心臓が高鳴った。
(どうする……! 俺たちだけじゃ……!)
その時――。
「おい!」
岩陰から声が飛ぶ。振り向くと、釣り人タロがニッと笑って現れた。
「タロさん……!」
「なぁリク……湖の方は俺に任せろ!」
竿をギラリと構える。
「畑は……お前らが守れ!!」
リクの瞳が大きく揺れる。
「えっ!」
続く




