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第七章

 その大地は、東京湾の埋立地に位置する葦原近郊の海域に突如として出現した。

 近海を航行していた漁船は、この幻のように発生した大地の在り方を遠巻きに観測しながら次のように告げていた。

 「まるで海の底がそのまま浮き上がったようなそんな無地の土地がそこにあった」

 まったく手の付けられていない新たな土地。

 あるいは得たいの知れない未知の空間。

 日本政府は、その未確認大地の直近に存在する葦原駐留の多国籍多世界軍隊へ要請した。

 即座にあの未確認大地の詳細を調査すべしと。

 この時、誰もが楽観視していた。

 あの世界の垣根を文字通り越えた軍事力ならばどのような難事にも立ち向かえると。

 そしてその生温い考えは一時間後の、第一次調査部隊の壊滅の報によって呆気なく打ち砕かれることとなった。

 部隊のシグナルがロストする直前に、未確認大地に立った調査部隊から報告された情報にのると、

 『天使がいた』

 『いやあれは戦乙女だ』

 『白無垢の女神が存在している』

 等々と要領を得ないものばかり。

 大地の発生から一日以上が経過した現在でも、片鱗どころか真実の一欠片すら分からずじまい。


 人々は知る由もない。

 その大地が、一人の少女の手によって浮上した“国産みの地”なのだと。

 今まさにこの世に三世界の叡知を結集した超抜個体が君臨している事実を。


 日本と言う島国の創世神話に語られるが如く、新たな世界の法則が矛の先で水面を撹拌(かくはん)するように波紋を拡げていく。

 それは新世界の創造にして旧世界の崩壊を意味している。

 その事実を知るのはこの世で十数名のみ。

 少女に、小川 晶子に改造手術を施した研究員たちと、晶子を救わんと立ち上がった三人の少年少女のみである。

 そして世界の命運は、その少年少女たちに託された。



 黎明(れいめい)の大地でその戦乙女(ワルキューレ)は思考していた。

 戦乙女は晶子たちの暮らす世界においては、かつて北欧の神話で語られた全智全能の神オーディンが手ずから製造した存在である。

 そして【ラ・グース】においても類似した神話が存在しており、その伝承における結末も殆ど変わらない。全ての個体が大破もしくは消失している。

 一つだけ晶子の世界と【ラ・グース】の違いは、その神話の存在の痕跡が、個体が内包していた魔素と呼ばれる粒子が現代まで脈々と受け継がれていたことにある。

 三世界の“融合”を企む研究機関は、その戦乙女の魔素粒子を秘密裏に保有し、長年研究を続けていたのだ。

 こうして人の手によって再起動した戦乙女は過去から変わらぬ自己の同一性(アイデンティティー)を思考内で確認する。

 その上で、これからする行動の前段階として自己の肉体について詳細に把握する。


 ──性別・女

 ──年齢・十代中頃から後半

 ──知能、肉体共に最適の素体なり


 その戦乙女の本体である少女は、小川 晶子は今だ眠りの中にある。

 少女が目覚めれば外部からこの肉体へ付加された戦乙女の意識から彼女へ主体が移るだろう。だが、何かの外的処置が施されているのか晶子の意識は覚醒する素振りすら見当たらない。

 なので戦乙女の行動を抑制するノイズは、現段階では存在していない。

 再度、現代に蘇った戦乙女が、己の存在に刻まれた命題に思考回路を回す。

 現在、思考回路内で重要な指令(コマンド)は二つ。


 一つ、戦士の魂を天界(ヴァルハラ)招聘(しょうへい)

 二つ、国産みとして高天原(たかまはがら)の創成。


 その二つの優先順位はまったく同列であり、同時にどちらも欠けることなく実現せねばならない主目的である。

 片方を重視することなく、機械そのものである効率的に、そうして複数に重なりあった命題を実行に移す。

 その結果が、異なるモノ同士の“融合”。

 新世界の創造と相成った。

 幾度となく戦乙女は、己の為すべき進行手順(プロトコル)を確認する。

 第一に天界(ヴァルハラ)がこの世に無いのならば、新たなる高天原(ヴァルハラ)をこの世界に創ればいい。

 その新たなる大地にして新世界の創造の後に戦士の魂を集める段階へ移行する。

 その為の力を、戦乙女はこの世界に再臨した際に人類の手によって持たされていた。

 本来の戦乙女に、国産み(そこまで)の力は無い。

 明らかに設計図にはない別の神話体系の能力である。

 しかしその異なる世界観の力に、戦乙女は疑問を抱かない。

 かつて神に創られし思考回路は、ただ己の機能を十全に発揮するためにある。

 例えその機能が変貌していたとしても命じられ、可能であるから、実行するのみ。

 あるのは指令の絶対成就。

 その指令を邪魔する者は皆敵。

 敵は全力で排除する。

 単純(シンプル)故に強固にして無敵の戦乙女の思考回路が、現状を俯瞰(ふかん)する。

 「…………」

 本体である人間の、眠れる晶子の肺を満たすのは戦乙女が産み出したばかりの大気。

 その超能力因子を埋め込まれた肉体の裡から溢れ出す電力によって駆動する刀装の双翼が無窮の蒼穹を足場とする。

 遥か眼下に広がるのは戦乙女が持つ権能で零から創られた創世の土。

 「障害、排除」

 超能力因子の影響で黄金色に染まった長髪がフワリと宙を舞う。


 戦乙女の掲げられた右手には、大破した黒鉄の人形(ひとがた)が喉元から鷲掴まれていた。


 宿主(しょうこ)の記憶によれば刀装と呼ばれる戦乙女が持つ(ほこ)と根源を同一とする兵器であった。

 『晶、ちん』

 障害の名称は、柳生 兵庫。

 既に抵抗の力は、戦乙女の手によって徹底的に削がれている。

 戦乙女はその役立たずとなった鉄屑を、掴んでいた右手から振り下ろした。

 振り落とされ空中へ放り出された残骸は、失くした翼の代わりに背中を重力で引っ張られる。

 離れていく残骸を眺め下ろしながら、戦乙女はその敵との戦闘を追想した。

 敵は戦乙女の宿主へ何度も呼び掛けていた。

 敵はこちらを殺傷する意図を明らかに持っていなかった。

 敵は呼び掛けに気を取られて幾度も隙を露にしていた。

 そんな敵は、戦乙女の相手ではなかった。

 戦闘開始直後に、戦乙女は敵に致命的な損傷を与えた。

 そこからは白き矛が、黒き刀を徹底的に蹂躙した。

 そうして追想の始まりから現実時間にして数秒も経たずに戦乙女の認識は現在へ帰還する。

 「脆弱」

 その戦乙女の一言に全てが集約されていた。

 兵庫の祈りは届かず。

 落下する漆黒の審神者。

 地面へ激突する直前に、

 「うおおおおお磁力全開いいい~~ッツツツ!!」

 加速する紫電の人影が、落下する残骸と地面の間に滑り込んだ。

 鉄屑が肉のクッションに打ち付けられて響く振動に、ブチブチと筋繊維が数本断裂する音が気合いの雄叫びと共に鳴り渡る。

 『イ、ッチー』

 欠損していても地面へ激突寸前の大質量を身体で受け止めた衝撃は凄まじく、普段から喧嘩に明け暮れて自然と鍛えられていた伊織の肉体でなければ受け止めきれなかったであろう。

 兵庫の窮地に駆け付けた伊織は、文字通り骨を折って腕の中の審神者を助けあげる。

 「一人で突っ走りやがって」

 『あはは……ごめんなり……』

 喋るのも辛いのか、損傷で打ち砕かれた黒き武者の面貌から鮮血()じりの嗚咽が漏れた。

 最強の審神者も、友情には()てなかった。

 こうなってしまえば歴戦の強者であろうとか弱い少女でしかない。

 だから、故に、アホかと毒を吐きながらも伊織は自業自得の独走の結果とはいえ、こうして身命を賭して友を救おうとした少女に対して最大限の(いたわ)りの姿勢で兵庫を地面へ横たわらせる。

 「そこで大人しくしてろ。選手交代だ」

 そう言うと横たわらせた兵庫を背後にして大地に立つ伊織が、天に滞空する戦乙女と真っ正面から相対する。

 伊織に見えるのは純白の矛と装甲を纏った金髪の翼人(よくじん)の姿。

 伊織が愛する少女と同じ容姿はすっかりと印象を神聖なモノへ塗り替えられている。

 そして戦乙女の表情は、面貌を覆う仮面(バイザー)で隠されて確認できない。

 「あの仮面か、制御装置ってのは」

 この場所へ来る前。

 崩壊した(くだん)の研究施設から逃げ出そうとしていた研究員の一人を捕まえて聞き出した情報と今目の前で広がる現実が一致する。

 あの仮面こそが晶子の意識を眠らせる元凶。

 (戦力差は、8対2ってところか)

 熱くなる感情とは正反対に冷静な伊織の思考が、目の前の救わなければならない相手との戦闘における能力差をこれまで彼が駆け付けるまで激しい戦闘を繰り広げた兵庫が残した大地を抉る戦いの痕跡などから導き出す。

 相手は倒すべき敵ではない。

 相手は愛する少女である。

 伊織は考えてみると、殺してはいけない相手との戦いは数えられる程度しかしていないことに遅れながら気付かされる。

 経験は決定的に足りず。

 戦況は圧倒的不利。

 (それがどうした)

 伊織は笑っていた。

 それに対して戦乙女は、無言で矛を構える。

 ドン──ッツツツ!! と空気を引き裂いた雷帝(らいてい)(うた)われる超能力者による先制攻撃は成功した。

 戦闘モードで超加速した戦乙女の思考が、寸前で眼前に迫った手刀を打ち払ったが、

 「まずは先制点だ」

 ピキンと戦乙女の被る仮面に小さな衝撃が走る。

 それは審神者の兵庫ですら実現出来なかった制御装置に対する傷損(しょうそん)であり、神話存在の常軌を逸した反応速度を伊織が速度で上回った証であった。

 制御装置へのダメージに、機械である戦乙女の脳内に大量のエラー警告が溢れ出す。

 ──この敵は危険だ。

 ──先ほどの黒き審神者よりずっと。

 すぐに敵に対する正確な評価を下して、体勢を立て直す戦乙女であったがコンマ数秒のタイムラグがあった。

 敵は神速すら越えた相手。

 その隙はこの神域の速度の競り合いにおいて致命的と言えた。

 そして伊織の猛攻は絶え間なく続く。

 「()()()()──五十連撃だ喰らえ」

 放電と空気摩擦により発生したプラズマによって光の化身となった伊織の超絶技巧(タクティカルアーツ)が空中の戦乙女へ炸裂した。

 命は奪わない。

 だが手加減はしない。

 一瞬の隙に全てを賭ける。

 それが先行して戦いを挑んだ兵庫が後から駆けつけた伊織へもたらした戦乙女との戦闘における必勝法。

 「──ぶはあッ!!」

 全力を出して空中より大地へ落下した伊織が、息絶え絶えに地面へ突っ伏しながら天空を仰いだ。

 「ぜはあッぜはあッ──やったか?」

 紛れもない渾身の一撃。

 全てを仮面の、制御装置の破壊へ費やした連撃の数々が巻き起こした空間爆発。

 その内側に隠れた戦乙女の姿はいかに。

 これ以上ない会心の攻撃。

 であったが、もしも兵庫が喋れる状態であれば、

 「そう言う時は大抵」

 そのように発言していたであろう。

 故に、


 「【大地創造(あらみたま)】」

 戦乙女の防御能力が、伊織の神速を凌駕した。


 そして突如として大地から突き上がった岩石の隆起(やり)が、伊織の腹部を内蔵深く打ち上げた。

 「ぐがあああああああツツツ!?」

 さすがの鍛え上げられた伊織の肉体でも、地球(ほし)の硬度には耐えられなかった。

 こうして地面から打ち上げられ、空中で絶好の的となった伊織へ向けて無数の岩石の隆起が殺到する。

 さすがにこれを食らえば伊織もひとたまりもない。

 どうにか直撃寸前で、伊織は宙で身を捻りながら致命傷を回避したがその結果、無防備な肉体の至るところを岩石の隆起に貫かれた。

 「くそぅ、もう一発」

 空中に投げ出された姿勢で、どうにかもう一度戦乙女へ反撃に転じようとした伊織であったが、

 「【神装創造(にぎみたま)】」

 二度目はないと言わんばかりにその空中から叩き落とされる。

 伊織は叩き落としたのは空間に出現した剣。

 他にも槍や槌や斧などの無数の武器が、戦乙女の周囲を衛星のように廻り付き従う。

 その武器に叩き落とされた先の地面で、血反吐の混ざった土を満身創痍の伊織が握り締める。

 敗色は濃厚。

 それでも戦闘開始時に伊織が浮かべた笑みは変わらず。

 「俺の晶子を返して貰うぞ」

 雷の咆哮(ほうこう)が戦乙女の支配する空と大地に轟いた。




 ジークフリートは想う。

 人として、そして竜として、己が為すべきは何であろうか。

 そこは何もなく、だが全てが存在した。

 過去、現在、未来、時間の流れが渾然一体となって一つの形を織り成す。

 形は人。

 (それ)は竜。

 存在するのは凝縮された情報。

 まるで古い書物を読んでいるようだった。

 見るのではなく観る。

 俯瞰しながら観るその光景(きおく)は、英雄の魂に深く刻まれていた原初……そして終局。


 ただ守りたかった。

 好きだったから。

 かつて己の裡から溢れる愛に突き動かされ、育ての親を滅ぼしたあの日。


 この時、人としての己は死んだ。

 そして生きながら転生した。

 【ラ・グース】の竜騎士王に。

 ──父さん。

 触れる、気が狂うほどの悔恨に満ちたその書物(きおく)の一文に触れながら、闇の過去を再生する。

 覚えている。

 自分(ジークフリート)は、すぐに今の竜騎士王の姿になれた訳ではない。

 それは語られぬ神話。

 当事者である自らしか知らぬ暗黒の時代が、他者には決して語れぬ己の若き慚愧(ざんき)が今も自分の魂の底に眠っている。

 その暗黒が目覚める。

 初めて竜殺しを行った後に、ジークフリートは荒れた。

 自らが奪った命を重みを押し潰されて、無軌道にして破壊の道を歩んだ。

 もしも少しでも、後の仲間たちとの出会いがすれ違っていれば、ジークフリートはもしかしたら第二の魔王と化していたかもしれない。

 そんな過去を持つジークフリートの魂が、自らを糾弾する。


 また繰り返すつもりか

 お前が殺した。

 お前に殺された。

 生きたかった。

 死にたくなかった。


 闇は、ジークフリートの父の形をしている。

 父の形をしたそれが暗黒の呪詛を呟き続ける。 

 その声は当然ジークフリートの父本人のものではなく、あくまで騎士王自身が自らに言い付けている思念に他ならない。

 だが、

 それは本人の言葉よりも強くジークフリートの魂を(さいな)む。

 ──思い出す。あの日、あの時を。

 過去を思い出し、その瞬間へ遡行(そこう)して至る。

 その瞬間は、ジークフリートは全身を雄叫びで包んでいた。

 大上段に構えた刃が、大地を切り裂く勢いで振り下ろされる。

 そしてジークフリートの視界が鮮血に染まる。

 視界を覆う赤、赤、赤色の血溜まり。

 赤い血溜まりに沈む亡骸は、昨日まで笑いあっていた家族。

 偉大なる父。

 大切な家族。

 護りたかった絆。 

 そんな温かな思いを自ら打ち砕くと共に、若き少年の幼年期は終わりを告げた。

 父の首を切った感触が、今もジークフリートの手には残っていた。


 何故、お前は生きている。

 お前にそんな資格はない。

 お前が触れたモノは全て無価値に過ぎない。

 お前は(ヒト)殺しの血塗られた剣だ。

 お前の一生は殺すことしか出来ない。

 何かを救うなどもってのほか。

 そんなお前が、あの少女を、小川 晶子を父と同じように……再びその愛で殺すつもりか。

 そうなるしか他にない。

 それしかお前には出来ないのだから。

 (つぐな)え。

 死ね。

 滅びろ。


 あらゆる罵詈雑言が、ジークフリートの魂の底から溢れ出す。

 魂の声は自身の声そのもの。

 耳を塞ごうと、鼓膜を破ろうと、それは脳内に響き渡り続ける。

 それが終わるのはジークフリートの人生が、命が終わるその時にしかない。

 そんな永遠の苦悩を突きつけられる少年は、

 ──いずれ報いは受けるさ。

 ずっと昔に、既に覚悟を済ませていた。

 全ては覚悟の内。

 そして全ての罪は己にあるとジークフリートは自覚していた。

 父殺しの罪は、許されない所業だ。

 何より、誰よりジークフリート自身が許さない。

 ──そして二度と繰り返しはしない。

 同時に英雄は、ジークフリートは再び間違いを犯しかねない自らを厳しく律する。

 少女への愛に夢中になって、全てを台無しにしてしまう己に対して鋼鉄の意思で楔を打つ。

 ──もう誰も死なせはしない。

 誰一人として取り零さないと竜の騎士王は自らへ宣誓する。

 しかし、その中に自らは含まれない。

 何故ならジークフリートは英雄だから。

 英雄は無辜の民を護るのが使命。

 英雄は、英雄を護らない。

 全ては愛する人の為。

 その為の人生にして、いずれ竜と化す己に課す運命。

 そうやって憎むべき己を滅ぼしながら、完全無欠の幸福な終わり(ハッピーエンド)へ向けて邁進する。

 ──ああ、じゃあ起きないと。

 急速に薄れていく光景(きおく)

 それでも魂に刻まれた望みへの指針は取り零さない。

 そうやって上昇していく意識の中で、ジークフリートは己の中にある“力”を具象化していく。

 それは荒ぶる暴力にして、時に災厄と呼ばれる“力”の結晶。

 それが今必要だから、己が裡で燃え盛るその“力”へ手を伸ばす。

 触れる。

 触れて掴み、取り込み、そして逆に肉体の感覚が“力”が持つ意思へ取り込まれる。

 まるで等価交換。

 我欲するならば汝差し出したまえと言わんばかりに荒ぶる竜の因子がジークフリートを侵食していく。

 これこそがジークフリートの死へ至る原因。

 ジークフリートの自らの“力”が、彼自身を侵す。

 侵食されていく激痛と喪失感の中で、

 ──僕には叶えたい願いがある。

 その一心がジークフリートを、竜騎士王を人たらしめる根源。

 ──好きだ。小川さん。

 こうして最強の竜騎士王の意識は、この世に再浮上したのだ。



 戦乙女と伊織が繰り広げる激闘。

 その趨勢(すうせい)はほとんど決定していた。

 雷の英雄による猛攻は、全て戦乙女の手によって迎撃されていた。

 晶子を返せと血反吐にまみれた口元から叫びを上げる伊織であったが、その願いは天空の戦乙女には届かない。

 届かぬ祈り。

 叶えられぬ願い。

 これまで力で我を通してきた伊織であったが、ここに至って自らが慣れ親しんでいた弱肉強食の掟に阻まれる。

 勝利の女神は、戦乙女に微笑んでいた。

 伊織は痛感する。

 自分では足りないと。

 自分一人だけではあの愛すべき少女を救うことは出来ないと激闘の中で伊織は実感させられる。

 そして状況は、伊織を処刑台へ送る。

 宙を飛び交うのは戦乙女が操る鋭き死神の刃。

 地より沸き上がるのは戦乙女が生む地盤(ほし)の槍。

 天地両方を支配された地球上において、伊織に逃げ場はどこにもない。

 「【神装創造(にぎみたま)】」

 それはこれまでで一際(ひときわ)巨大な鋼鉄の神槍。

 存在するだけで空間を削り取るような神性なる凶器の塊が、積み重なったダメージで速度が低下した伊織めがけて照準を合わせた。

 神槍の穂先は、真っ直ぐ伊織の心臓を狙っていた。

 数秒後の未来に、この神槍に貫かれた伊織の肉体からは赤い鮮血が花のように戦乙女の創りし大地へ降り注ぐであろう。

 それこそが新世界の創造を祝福する光景に他ならぬと、戦乙女の機械仕掛けの思考が断言する。

 これぞ変えられぬ結末。

 定められた結末は、戦乙女の一撃が伊織の命を奪うの一点のみ。

 そうなる筈であった。

 しかし、

 ビキン──と軋む空間が未来を変えた。

 その世界全土を走った影響に、戦乙女の振り下ろす手が、コンマ数秒遅れた。

 それによって僅かに生まれた必殺の一撃の間隙(かんげき)に、伊織はボロボロの身体へ鞭打って、

 「うおおおおお」

 その唯一の安全地帯へ痩身を滑り込ませる。

 ザン──ッツツツ!!!! と狙いを外れた神槍の穂先が接触した部分から放たれる神性なる波動によって、硬い大地の岩盤を地中深く貫通した。

 こうして定められた運命は回避され、伊織の寿命が伸びる結末となった。

 この時、戦乙女の創りし大地に存在する人間の全てが察知した。

 地平線の彼方から、海を越えて、この高天原(ヴァルハラ)に巨大な何かが出現したのだと。

 その蒼穹より飛来し、戦場の最前線へ到来せし人影に、

 「ふ──遅い登場だな」

 そう口ずさみながら伊織は浮かべていた笑みをより深めた。

 伊織は来訪する強大な“力”に対して笑みを(たた)える。

 その“力”は凄烈にして巨大。

 しかして全てを包み込む優しさを兼ね備えたその“力”の主の名は、

 「なあ、ジークフリートッ!!」

 ドンッツツツ!! と大地に陥没(クレーター)が生じた。

 それは傷ついた伊織とその命を奪おうとしていた戦乙女の間に割って入り、広大な大地に深大な陥没を生じさせた飛来せし者。

 その痕跡は大地以外にも。

 その肉体が通過した大空に巨大な飛行機雲を発生させた。

 今、戦乙女が支配していた天と地に、長大なる光の柱が貫き立った。

 光は、戦乙女の殺意に満ちた天と地とは真逆に全てを(いつく)しみ(いたわ)る熱量を秘めていた。

 それはこの光が精神的なエネルギーであり、その発生源たる者が殺すことよりも護ることを魂の中心に据えている証。

 よってその光に敵意は全くなく、あるのは大切な存在を護ろうとする意思の強さのみ。

 そしてその優しさに満ちた光に当てられながら、伊織は血で濡れた瞳でその姿を目の当たりにする。

 “力”の奔流が渦巻く中心。

 そこに【ラ・グース】における最強の幻想が存在した。

 「──伊織」

 強敵(とも)を呼ぶその姿は人の形をしていながら、そこから逸脱していた。

 「ここからは僕も手伝おう」

 褐色の肌から浮き上がる鋼鉄を凌駕する鱗。

 物理法則を切り裂く手足の爪。

 頭上の双角は王たる者の証。

 空間を引き裂きながら天空を舞う双翼。

 そして極めつけは全てを見通す竜の瞳。

 ──竜魔人(ドラゴノイド)

 それは【ラ・グース】において竜の騎士王が誇る最強形態(アルティメットフォーム)の通称である。

 その竜魔人と化したジークフリートが気安く背後の伊織の肩に手で触れると、怪我人とは思えない力強さで伊織はその手を振り払い、膝をついていた地面から立ち上がった。

 「ついてこれるかい?」

 「へっ、行ってくれるなぁ」

 こうして空前絶後の、竜騎士王と超能力者によるコンビが誕生した。

 天よ見よ、地よ叫べ、ここに結成されたのは一人の少女の為だけに死力を尽くす【ラ・グース】と【ゼロ・ヴァース】の英雄二人。

 前代未聞のコンビ結成に、空間が英雄二人の存在による圧力の相乗効果で無音の戦慄きを木霊させる。

 二人は、伊織とジークフリートは戦乙女と相対する。

 これに戦乙女は、新たなる敵性体の追加に冷静に思考を回す。

 敵は全て排除する。

 その戦乙女の思考に、天空を舞う武装の数々と大地の隆起が連動して鳴動を繰り返す。

 「【神装創造(にぎみたま)】」

 開幕の号砲は、具現化した戦乙女の殺意が打ち鳴らした。

 向かい来る剣、槍、大斧、殺意の塊に対して、

 「──行くよ」

 「おうさ!!」

 二つの閃光が、虚空を駆け抜けた。

 竜と雷の化身が、戦乙女へ迫る。

 再び始まった戦闘の一撃目は、

 「竜の爪は、全てを切り裂く」

 竜の翼を広げるジークフリートによって。

 それは戦乙女の放つ武装の群れを、ことごとく迎撃して突き進む光景は、地上に舞い降りた流星の如く勇壮なりし勇者の背中である。

 さらに、

 「100億ボルト・アクセルブーストっ!!」

 ジークフリートが流星ならば伊織は文字通り雷神の申し子であり、竜の騎士王の迎撃に合わせて電力で活性化した神経と脳細胞から繰り出す手刀足刀の連撃によって星と雷のデュエットを戦場に奏でる。

 残された時間は少ない。

 それは伊織と、ジークフリートも理解していた。

 この刹那の好機に、道理を無理で押し通さねば望んだ未来は得られないと二人は直感していた。

 しかし、それは彼らと敵対する戦乙女にも理解できることであった。

 時間は、戦乙女の側に有利。

 よって選択される戦闘方法は、

 「ちぃッ!! 邪魔を!!」

 虚空を駆け抜ける伊織とジークフリートに降り注ぐ弾幕が、武装の群れがその数を増す。

 圧倒的質量による時間稼ぎ。

 それが戦乙女の取った選択だと、この場の誰の目からも明らかであった。

 「【神装創造(にぎみたま)】、【大地創造(あらみたま)】」

 天空の弾幕と共に、大地より沸き立つ岩石の隆起が超速で迎撃と回避をし続ける伊織とジークフリートをジワジワと追い詰めていく。

 体感として永い、一瞬の膠着状態が続いた。

 そして遂に戦乙女の造り出した武装の一つが伊織の脇腹を抉り取った。

 「がはッツツツ!!」

 均衡の理由は、伊織とジークフリートの共闘によるもの。

 どちらか片方が欠ければ即座に戦闘不能になると戦乙女の思考回路が解答を導き出す。

 よって次の戦乙女の選択は決まる。

 全攻撃・一点集中。

 天と地の刃により伊織の姿が空中で串刺しになる。

 「──と思っただろ?」

 だが、それでも伊織の笑みは止まらない。

 この時を待っていたと言わんばかりに、この世に具現化した針山地獄の真っ只中に捕らわれながら伊織は、

 「100億ボルト・フルバーストツツツ!!」

 伊織の人生において最大電力の放出を360度全方位へ(ほとばし)らせた。

 伊織は理解していた。

 たった一つの打開策を。

 その伊織の考えと行動に呼応して、ジークフリートは更なる“力”を自らの裡から沸き上がらせる。

 ジークフリートの“力”が極限まで強大化している影響で、よりジークフリートの肉体の竜化が進行していく。

 「俺が英雄(おまえ)を守るから」

 全方位へ放出される雷撃の中心で、伊織は彼に攻撃が集中し、更にそれらを全て迎撃されたことで完全にノーマークとなった即席の相方へ指示を送る。

 「お前は晶子を守れ!!」

 ──ドンッツツツ!! と再び竜の翼が流星と化す。

 貫く虚空の道は、戦乙女とジークフリートの間に生じたまっさらの空間であり、そして伊織がもたらした千載一遇チャンス。

 その一条の光の矢と化したジークフリートにピッタリ並びながら天空を翔ぶ日本刀(もの)があった。

 それは彼ら二人と同様にこの奇跡的好機を静かに待ち望んでいた者によるもの。

 柳生 兵庫に他ならない。

 その少女の残った力で、倒れ伏す大地から天空へ全力投擲された傷だらけの審神者の日本刀。

 『晶ちんを、助けて』

 万感の思いを込められた渾身の剣を、超加速の中でジークフリートの竜の爪が掴み取る。

 雷鳴が轟く天空にて、絶世の名刀の刃を、竜の騎士は身体に纏わりつく空気を肩で切り裂きながら構える。

 「【雷鳴竜の黒閃ジゴワット・バルムンク】」

 そして繰り出された天下無双の斬劇。

 これに戦乙女は反応しようとするが、伊織の全方位攻撃に邪魔されて、思考と反応速度の両方がほぼ零となる。

 全ての防御を引き裂いて迫り来る刃を戦乙女の瞳が映す僅かな時間。

 その許された思考の中で、戦乙女は己の敗因を理解する。

 負けた理由は、相手は一人ではなかったこと。

 三名の実力者たちが力を会わせた結果、己は辛酸を舐めさせられたのだと機械の思考で自覚する。

 (──次こそは)

 それが戦乙女の最後の思考。

 その思考と同時に、戦乙女の思考回路が寸断されたのだ。



 大地には無数の武器が突き立っていた。

 そして荒れた地表は、無数の戦闘の痕跡を残しながら静まり返っている。

 その中で戦乙女は、否──晶子は気を失った状態で仰向けに倒れている。

 「大丈夫そうだな」

 そう言って倒れた晶子の横でその顔を眺める伊織は戦乙女の仮面の、その半分が砕けて機能を喪失していたことを確認した。

 こうして解放された晶子の意識はいずれ回復するであろう。

 それが数分後か、数日後なのかは誰にもわからないが、とにかく危難は去ったと伊織は安堵のため息を漏らす。

 「まったく、こうしていれば可愛い女なのに、さっきまでは生きた心地がしなかったぜ。そうだろジークフリート」

 伊織と同じく疲弊したのか、伊織と晶子がいる場所から数メートルほど離れた場所でジークフリートは膝をついていた。

 そのジークフリートの脇には目的を果たした兵庫の日本刀が地面へ突き立てられている。

 ジークフリートは(うつむ)いて動かない。

 本来なら誰より晶子の安否を確認したい筈の少年が、その役割を放棄して微動だにしない。

 「おい、聞いてるだろ」

 伊織の言葉に対するジークフリートの反応は、ない。

 「どうした、ジークフリート」

 何か変だ。

 そう伊織は場の空気を感じ取った。

 先程までとは種類の違うその不安を払拭するように伊織は現状を確認する。

 晶子は、戦乙女の仮面の呪縛から解き放たれた。

 伊織・兵庫・ジークフリートの三名とも無事に難局を脱した。

 万事まるく収まった筈なのである。

 なのに、どうして。

 (俺はどうして、ジークフリートに対して戦闘の構えを解けないんだ……?) 

 何か言えよと伊織は思う。

 何かこの場の全員を安心させる言葉をいつも通りに口にしてみろと伊織が喋ろうとした。

 それより早く、


 「もう、限界みたいだ」

 その終わりは始まってしまった。

 

 「何──うおおおおおッツツツ!?」

 迸り、炸裂する光。

 倒れたままの晶子を庇いながら、伊織はその突如発生した光の放射に対して眼を細める。

 それはジークフリートのもたらす光。

 先程の戦闘開始時にも天空を貫いた光の柱と同じものであり、ジークフリートの精神が光となった現象(もの)

 だが、それが違った。

 先程とこれまでと、異なる光。

 優しさに満ちた光が、底知れぬ闇へ反転した。

 それは死滅にして降臨の瞬間。

 ジークフリートの魂が、感情が、深淵なる暗黒の獣欲(いろ)に塗り潰されていく。

 覚醒する竜の本能によって。

 それに対して、

 「報いを、受ける時のようだね」

 自分のことなのに、どこか他人事のように言うジークフリート。

 もしかしたらそれが竜の騎士王に残された最後の人間性なのかもしれない。

 その人間性が希薄故に、自分の命すら他人事に扱えるのだ。

 ──自分にはもうどうすることも出来ない。

 まるでジークフリートは言外にそう語っているかのようであった。

 「何が起こっていやがる……!?」

 事態を正確に把握していない伊織であったが、これがヤバい状況なのは急速に薄れていくジークフリートの気配とそれとは逆に膨れ上がる“力”の圧迫感で理解できた。

 伊織は傷ついて、もう何かを出来る力は残っていない。

 なのにジークフリートの姿はそんな伊織を嘲笑うかのように先程までの人型とは異なる、真なる竜の巨体へと変貌していく。

 「どうする。どうする、俺!?」

 動揺を隠さずに、あるがままの状況を受け入れる伊織。

 そんな彼ですら許容出来ない事態の推移が立て続けに起こる。

 「──晶子!?」

 意識を失っていた晶子が、唐突に目を覚ましたのだ。

 そして意識を取り戻した晶子が、身体をくの字に折れ曲がった仰向けの体勢からブワリと浮き上がる。

 目覚めたのはいいが、晶子の顔には彼女を束縛していた仮面がまだ半分残っている。

 その事実にもしかしたら、まだ意識を捕らわれているのではと伊織はとっさに思ってしまった。

 現実は無常に伊織に選択を迫る。

 ユラリと起き上がった晶子の身体が左右に揺れる。

 もう一度、戦闘かと伊織が身構えたその時。

 「──てえりやああああああ!!」

 晶子が自身の握り拳を、自らの顔面に叩きつけたのだ。

 「私はっ」

 それによって晶子の顔に残っていた仮面の半分が、完全に砕け散った。

 露になる晶子の瞳。

 その眼差しは、目覚めたばかりで不確かだが、確たる意思の光に満ちていた。

 仮面の束縛から解放された晶子が叫ぶ。

 「私はっ、友達を助けたいだけだああああああ!!」



 「見ろ彼女は、小川 晶子は初めから正気だ」

 その時、遠く離れた海岸線から事態を詳細に観察していた天草が、現在の晶子の状態について述べた。

 天草とその忠実な部下を含む科学者たちは、施設の崩壊後も実験対象である晶子(いくさおとめ)の観察を続けていた。

 「もしかしたら溢れる魔力を持て余していたかもしれんが、それも現段階では解消された」

 崩壊した研究施設から持ち出した機材で、遠くの晶子の状態を天草は誰よりも理解していた。

 「小川 晶子が“力”を欲したのは英雄(たにん)を救うためだ。そう言う性分なんだろう。きっと」

 それ故の発言。

 それ故の正当なる感想が高名な研究者の口から語られる。

 「彼女のために自分の未来を犠牲にした竜と、英雄を救おうと自身の可能性に賭けた女。はたしてどちらに軍配があがるのか」

 天草たちはあくまで研究者に過ぎない。

 よって不確実な未来の断言は出来ない。

 それ故に、

 「さあ目撃しよう。新世界の始まりを」

 彼らの瞳は、これから起こる奇跡(げんじつ)をありのまま記録するのである。



 ──救いたい。

 目覚めた瞬間に、晶子の脳内にあったのはその一言であった。

 現状は、強化された思考回路と外部に外付けされた刀装(かいろ)によって瞬きと掛からずに理解できた。

 ──彼を、ジークフリートを救う。

 想起するのはこれまでの晶子自身の人生。

 力が足りなかった。触れられなかったかつての残酷な運命の車輪を力ずくで押し止める。

 想像するのはこれからの晶子自身の未来。

 今は違う。例えそれがこの世の理に(そむ)く力だとしても、今の晶子にはジークフリートたちと比肩する力が確かにある。

 それはかつて存在しなかったモノ。

 この世に存在しなかったが故に、今の晶子なら最強の竜の騎士王の命に手が触れられる。

 「と、どけ」

 自分を救う術はどこにもないとジークフリートは言った。

 だったら造り出せばいい。

 無論、晶子一人では何も出来なかったので偉そうなことは彼女には言えない。

 それでも、重要なのはこの力の本質。

 命を刈り取る死神の鎌ではなく、命を産み落とす創成の意志が、生まれ変わった晶子の身体に(みなぎ)るのだ。

 「届けええええええツツツ!!!!」

 そして世界を生み出す矛が、竜と化す最中で無防備なジークフリートの肉体の中心を貫いた。

 黄昏色の長髪を靡かせながら、晶子が天逆矛に

込めるは渾身(こんしん)にして誠心(せいしん)

 「【心造の綺羅星クリエイション・ノヴァ】」

 心臓(ちゅうしん)を貫かれたジークフリートが、それが変じようとした巨大なる竜の肉体が絶叫を上げる。

 竜の本能は、少女の想いに妨げられる。

 「救うだけで満足するな!!」

 最後の雄叫びを上げるジークフリートの内部の竜の力が、自身を阻むちっぽけな少女に憎しみの念を送る。

 ──それでもいい。

 晶子は想う。

 憎まれてもいい。

 それでもいい。

 無様でいい。

 カッコ悪くても構わない。

 だから、

 「生きてよ──!!!!」

 晶子の想いが形を為した。

 そして。

 そして──

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