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タイタンレイダーズ  作者: 南ノ森
REVENGER
24/50

BIGFOOT

月。

 青い星、地球から輝きが見える。それは月へと近づいていくと、それがロケットであると確認できる。

 ロケットが月へ接近すると、月から青い光が一閃瞬き、ロケットへとぶつかる。

 しかし、ロケットには傷ひとつ付かない。それどころか次々に放たれる光をものともせず月へと向かって行くのだ。


 地球。アメリカ某所、月面観測所。

「よし、成功ですね!」

「ああ、シリウス重工製の特殊ビームコートの有用性がこれで証明出来たな!」

「……ちょ、ちょっと待ってください!無人ロケットのカメラが揺れている……おそらく物理攻撃を受けている可能性が……!」

「『来訪者』がTEを放ったか!」

「無人ロケット撃墜!カメラ、ロスト!」

「……今すぐ着地地点を割り出せ!地球に来る前にレイダーズに備えを間に合わせるんだ」

「はい!」


4日後。レイダーズ四国基地、食堂。

 四国基地では、事前に報告を受けたレイダーズたちが既に備えを済ませており、現在は出撃時間に備えて早めの昼食を取っていた。

「おいハン……お前の食う分をオレん所まで広げんじゃないよ!」

「いいじゃねぇかマリッサ。……お前も食うか?」

「もう食ったよ!!」

「しっかしよ、シリウス商会様々だぜ!こんなに補給が出るなんて会長さんも気前いいじゃねぇか!」

「そりゃいいけどさ、アンタは食い過ぎなんだよ!!」

「別に減るもんじゃねぇだろ?」

「現在進行形で減ってんだよ!!?」

 そんないつも通りの会話をする二人を見て笑う他の隊員たち。

 そこに、通信が入る。

『こちら管制室です。まもなく作戦を開始しますので、各員は持ち場について下さい』

「おう了解だ。……さて、いっちょやりますか!」


 レイダーズ四国基地、整備ドック。

 格納庫には既に準備を済ませていたジーニャとロイスが待っていた。

「ハン、マリッサ!遅えぞ!」

「この肉ダルマがいつまでも食ってるからだよ!」

「だから俺は肉ダルマじゃねえって言ってんだろうが!!それに今日は調子が良いんだ、問題ない!」

「なら良いのだがね……」

 そうして、4人はそれぞれの愛機、バスターレイダーに乗り込む。


四国、自衛隊基地跡地。

 四国基地のレイダーズたちは、TEの降着予測地点に到着、戦闘態勢を展開していた。

「それにしても、なんでこんなピンポイントな場所に来るんだ?奴らってだいたいこう言う場所やシェルター付近に来る事が多いが、何かを検知してるのかね」

「知らないよ。そんなのは『来訪者』にでも聞いてみるこったね」

「はは、月まで行けって?」

 待機中のハンとマリッサがそう話していたが、そこに基地跡地を探索していたジーニャが戻ってきた。

「お前たち、こっちに来てみろ。ヤバいものがあるぞ」

 一同はジーニャに誘導されて来てみると、そこには何やら巨大なパラボラアンテナのような物があった。

「こりゃ何だ?宇宙人と交信する装置か?」

「いや、的外れだろうけどオレにもそうにしか見えないね……」

 一同が首を傾げていると、何か思い当たるのかロイスが話し出す。

「こ、こりゃ超兵器じゃねぇか……?資料で似てるのを見た事あるぞ。確か『ハイパーマイクロウェーブシステム』とか言ったか」

「んだそれ?ハイパーマイクロ?」

「要するにデカい電子レンジだ。半径150mをチンしちまうらしい……」

「はぁ?なんじゃそりゃ?」

「とにかくヤベェってことだよ!とにかくこんなもんがここにあるのは説明がつかない!」

「ふーむ……確かにそうだが、今はどうしようもない。動力も壊れているみたいだしな……取り敢えず保留にしておけ」

「そ、それもそうだな……」

 4人がハイパーマイクロウェーブシステムの前から去ろうとしたその時、 基地から通信が入る。

『もうすぐ作戦開始だ。敵の降着に備えて配置に着け』

「あいよ了解」

「りょ、了解……」

「「了解」」


作戦開始時刻。四国、自衛隊基地跡地。

 レイダーズはそれぞれの配置につき、敵が現れるのを待つ。

 すると、突如として天空から光が瞬く。

 その光は一直線に地上へと降り注ぎ、地面にぶつかると同時に大爆発を起こす。

「来たか……ッ!」

 レイダーズは爆風から身を守りつつ、攻撃に備える。

 やがて爆煙が晴れる……すると突然、爆煙を割って巨大な足がロイスの目の前に降りかかる。

「っ!?ぶねぇ!!」

 間一髪の所で避けるロイス。そのまま後退して状況を伺う。

「ロイス!大丈夫か!」

「あークソッ!モニターに唾が飛んだ!!」

「よし、大丈夫だな!待ってな、加勢する!」

 ジーニャがそう言って一同を誘導する。そこには5体の歩兵TEが佇んでいた。

「へっ!なんだたったこんだけかよ!」

「油断するなよ。下手すりゃ踏まれてせんべいだからな!」

 マリッサとハンが軽口を叩く。

「さて、と……じゃ、始めようか!!」

 レイダーズは各自散開、装備を展開して攻撃を開始した。

 まずは他の仲間が攻撃態勢に入る前にロイスがパワーライフルを構えて後退しながら射撃を行う。

「オラァ!!」

 ロイスの放った弾丸は敵の胴体に着弾、態勢を崩させる。

「ハン、援護しろ!」

「おうよ!」

 ハンはロイスの後ろをついて行きながらグレネードランチャーで支援しつつ、隙を見て接近戦に持ち込む。

「こいつでッ!」

 ハンは敵に接近しながらバスター・チェーンソーを起動、刃が高速回転し紅く発光する。

「そこだッ!」

 ハンの振るったバスター・チェーンソーが次々に歩兵TEの4本の脚を切断、そしてさらに胴体を真っ二つにして撃破した。

「次はお前だ!!」

「いーや次はオレにやらせろ!!」

 マリッサはハンを押し退けると、両手に持った2丁のマシンガンで敵を蜂の巣にする。

「おい!俺の獲物になにしやがるんだ!」

「バーカ!食ってばっかだからノロマなんだよ!!」

 そう言っているうちにも、先程蜂の巣にされたTEが再び立ち上がろうとする。

「隙ありだ!」

 2人が口論している間に今度はジーニャが敵にワイヤーで飛び付いて大鉈で叩き切った。

「ああ!?テメェこの野郎!!」

「フン、早い者勝ちだ」

「んだとぉ!?」

「やめんかいお前ら!喧嘩なら終わってからやれ!」

 そんなやり取りをしていると、別の方向で爆発が起こる。

「おい、あれを見ろ!」

 ジーニャが指差す先には、全長80mの、巨大な前足を持つ6本脚の獣のような化け物が、残っている歩兵TEを押し退け踏み倒しながらこちらへ走って来ていた。

「なっ!?新型のTEか!!」

「くっ!各自散開!『獣型TE』から上手く逃げろ!」

 ジーニャが指示を出すと、皆はバラバラに逃げる。

 しかし、それを逃がさないとばかりに『獣型TE』は脚の一本を振り上げると、勢いよく振り下ろす。

「ぐぅ……!?」

 なんとかその一撃を除ける一同だったが、除けきれなかったロイスの機体が吹き飛ばされ中を舞う。

「ロイス!!クソッ!」

 ハンはロイスの救援に向かおうとするが、『獣型TE』は横に割れた下顎を開き拡散型のビームを発射して進行を妨害する。

「チクショウッ!!」

「ハン!無茶するな!!」

「でもロイスがよォ!!」

 なんとか潜り抜けようと必死になるハンだったが、脚にビームが被弾してしまう。

「ああックソッ!!ロイスッ!!ロイスゥッ!!」

 ハンの僅かな抵抗を示す叫びも虚しく、無常にもロイスの機体は目の前で踏み潰されてしまう。

「ロイスゥウウッ!!!」

「クソが!埒が開かないね!!」

 ビームの雨が降り注ぐ中で、マリッサがガトリングガンを構えて『獣型TE』の頭部に射撃しながら誘導する。

「こっちだダボ!!かかってこいやぁ!」

『獣型TE』はマリッサを睨みつけると、目標を変更して追いかけ始める。

「マリッサ!何やったんだ!!」

「コイツを超兵器ん所まで連れてくんだよ!!」

「なるほど!ナイスアイデア!」

「バカ!アレは動力がイカれて使えないんだよ!」

「いや、まだ使えるのがあるね」

 マリッサはそう言いながら自分のレイダーの動力部を指差す。

「まさか……おいやめろ!ハイパーマイクロウェーブシステムにレイダーのジェネレーターを接続して使う気か!」

「あたぼうよ!」

「バカか!お前も巻き込まれてローストになっちまうぞ!!」

「んなこた知るかよ!それに他に方法がありゃオレらが死ぬ前に言ってみるんだね!!」

 そう言ってレイダーズのレイダーが『獣型TE』を連れて移動を開始するが、当然それを許すわけもなく『獣型TE』の口から強力な光線を放つ。

「うわぁぁあっ!」

「マリッサ!!ああチクショウ!仕方ねえな!」

 悩んでいたジーニャも痺れを切らし、マリッサを援護するために飛び出して行った。

「マリッサ、俺たちで奴を誘導するぞ。辿り着く前に死んだら無駄死にだからな!」

「へっ!そっちこそ死ぬんじゃないよ!」

「マリッサ!ジーニャ!やめろ!!」

 ハンは二人を止めようとするが、二人は聞く耳を持たずに走り続ける。

「マリッサ、お前はジェネレーターを超兵器に接続しろ!俺は奴を引きつける!」

「っしゃ!任せろ!」

 そう言うと、ジーニャは『獣型TE』の注意を引くために正面から突っ込んで行く。

『獣型TE』はブランの思惑通り、ターゲットをジーニャに絞って攻撃を仕掛けてくる。

「よし、いいぞ……!」

 ジーニャは回避に専念し、時折反撃して相手を牽制する。

 そうこうしている内に、遂に目的地であるハイパーマイクロウェーブシステムの前まで到着した。

「マリッサ、頼むぞ!」

「おうよ!」

 マリッサはハイパーマイクロウェーブシステムにレイダーの動力を接続する。

「ジーニャ、そろそろお前も……」

 そう言おうとしたマリッサだったが、彼女が振り返った先に見えたものは……。

「……ブ、ジーニャ……!!」

『獣型TE』の前脚による一振りによりジーニャのレイダーが宙を舞う。

「あ……あ……」

 呆然とするマリッサ。

 そして、そのままジーニャの機体は地面に激突し、爆発を起こした。

「ジーニャ……嘘だろ……?」

 マリッサがそう呟いた瞬間、マリッサのレイダーのジェネレーターが起動し、ハイパーマイクロウェーブシステムが動き始める。

「チィッ!もう始まっちまったのかい!!」

「マリッサ、今すぐ離脱しろ!!」

 通信で呼びかけるハンだったが、既にマリッサは覚悟を決めていたようだ。

「ハン、ごめんよ……」

「あ……?何を……」

 直後、マリッサとの通信が切れると同時に爆発が起こる。

 ハンの目の前には爆煙が広がる。基地内に放置されていた戦闘機などがハイパーマイクロウェーブシステムによって爆発を起こしたのだ。

「マリッサッ……!」

 ハンは悲しみに打ちひしがれていたが、すぐに気持ちを切り替える。

「目標は……マリッサたちは奴を倒した、のか……?」

『獣型TE』の方を見ると、その巨体は無残な姿で倒れており、その体もグズグズと崩れ去っていく。

「倒した……!やった……マリッサ、お前はやったんだ……!!」

 喜びを噛み締めるハンだったが、突如として地響きが鳴る。

「なっ!?い、いったい何だ……!!」

 揺れはどんどん大きくなり、やがて地面が割れてそこから『巨大ムカデTE』現れる。

「な、なんだと……!」

『獣型TE』とは比較にならないほどの大きさを誇る『巨大ムカデTE』は、その巨大な顎を開くとビームのチャージを始める。

「クソッ……俺もここまでか……!」

 その時、目の前に影が現れたと思うと『巨大ムカデTE』の頭部を一撃で粉砕、破壊した。

「な……!」

 目の前に現れたのは、レイダーでもない見た事もないロボットだった。

 それは鳥のような頭部、巨大な腕部と短い脚を持つ全高20mの機体だった。

『ドリト、アルゴアーマーの調子はどうだ』

『もう殆ど敵が居なくて物足りないですね。もっとデータを取る必要がありそうです』

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