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タイタンレイダーズ  作者: 南ノ森
COW BELL
20/50

COWBELL

アメリカ某所、ウィルソン財団周辺。

 レイダーズ一同はウィルソン財団との交渉に予定通り決裂、財団の呼び出した『カウベル』との交戦に備えてシリウス商会のフランクリン会長が調達した輸送機からレイダーを出撃させた。

「とにかく会長さんにはいろいろ言いたい事あっけど、今はこいつらどうにかしないとな!」

「頑張ってねぇ〜!」

「ったく、会長さんは呑気なもんだぜ……」

「今は目の前の敵に集中しろ。俺たちはここで奴らと決着をつけねばならないんだ」

「おっしゃ、やってやる!」

「行くぞ、お前たち……レイダーズ、GO!!」

「「「「了解!!」」」」

 レイダーズはそれぞれの機体を出撃させると、『カウベル』の立ち塞がる戦場へと向かって行った。

『α1、α2、α3各員に通達。レイダーズのレイダー4機を確認した。迎撃及び抹殺を開始しろ』

『α1了解』

『β1了解』

『γ1了解』

『牛飼いのカルドネン』の指示により、9機のブラスティレイダーが戦場に展開される。

「おいおい、敵さんも豪勢だな……!」

「こいつは油断出来ない状況だな……」

「でも、私たちならやれるよ!」

「ええ!あんな小悪党なんて叩き潰してペーストにしてあげましょう!」

 レイダーズは各機を散開させ、建物の影へと機体を潜ませた。

『α1より指示、α2とα3は先回りして敵を囲め』

『α2了解』

『α3了解』

 α1の指示により、2機のレイダーが建物の間を素早くすり抜けてブレアのバスターレイダーを追い詰めようとする。

『α3より連絡、目標が確認出来ない!』

『α2、こちらも目標を見失った……!』

 2機がブレアの機体を追って飛び出したが、そこには機体は無くお互いが鉢合わせたのみだった。

『α1、敵が見当たらない!指示をくれ!』

『α2、落ち着け!通成に進んだんだ、遠くには行っていない筈だ』

『α2了か……』

 次の瞬間、α2のブラスティレイダーの頭部が撃ち抜かれる。

『α2!?何があった!!』

『敵の狙撃です!警戒してください!』

『くそっ!どこからだ?いったい……!?』

 すると、今度はα3に向かって銃弾が放たれる。

 しかし、銃弾はギリギリで避けられて建物の壁面に弾痕を作る。

『奴め、いったい何処に……!』

「……やっぱ難しいぜ、建物の隙間から射撃ってのはよ!」

 その時ブレアは、敵に見つかる前に建物の裏に回り込み、以前戦ったマルセの行っていた戦法を試していた。

(確かアイツ、狙撃自体は囮だったんだよなぁ)

 ブレアは再び建物の隙間から敵の様子を伺う。どうやら狙い通り身動きを止めて周囲を警戒し始めたようだ。

(よし、今のうちに接近するぜ!)

 ブレアはバスター・チェーンソーを構えると、そのまま勢いよく飛び出た。

「そこだァッ!!」

 ブレアは影から飛び出し、バスター・チェーンソーを起動させる。刃はフル回転を始め、地面を擦り派手に火花を散らす。

『詰めが甘いぞ若造!』

 α3に急接近し切り掛かるギリギリの所で、頭上からもう1機のレイダーが現れる。

『油断するなα3』

『あ、ああ、助かったα1!』

 α1と呼ばれた機体は両手に装備した機関銃を構え、その銃口から弾丸を放つ。

「チィッ!ミスった!!」

 ブレアはチェーンソーで弾丸を弾きながら回避するが、後方からα3が回り込んで大鉈を振り回す。

「っぶね!!」

 スレスレで攻撃に気が付くと、身を低くして回避した後にそのまま機体を一回転、α3の両脚部を斬りつける。

『なあっ!?』

「まだまだァ!!」

 さらにそこから振り向きざまに背後にいたα1にも攻撃を仕掛けるが、α1も素早く距離を取り攻撃をかわした。

「くっそ、接近しても離される!なら誘き寄せるしか!」

 不利を察したブレアは銃を構えて距離を取るが、なんとα1はα3の機体を投げつけて来た。

『ぐおおぉっ!!』

「んな!!っぶねぇ!!」

 ブレアはそれを避けると、敵の攻撃に対して激しく怒りを表した。

「テメェ何やってんだ!まだ中にパイロット乗ってんだぞ!!」

『知らん。邪魔になるくらいなら石ころくらいの役割は果たせ』

 α1は冷たく言い放つ。それを聞いてさらに怒りを募らせるブレア。

「ふざけんじゃねえぇぇー!!!」

『やはり若いな』

 敵のやり方が頭に来たブレアは銃撃戦に持ち込むのをやめ、バスター・チェーンソーを構えて接近、α1はそれを冷静に回避しながら銃を打ち込んでいく。

『冷静さの無い攻撃ほど無駄を増やす!』

「ッ黙れクソッタレが!!」

 ヤケになったブレアは接近する事を諦め、レイダーを急停止させながらバスター・チェーンソーを振りかぶって、そのままα1目掛けて投げつけた。

『なんだと!?』

 ブレアが投げつけたチェーンソーはそのままα1の機体の右腕を直撃、そのまま腕を切り落とした。

『しまっ!?』

「うおおおぉぉ!!」

 ブレアは大鉈に持ち替えると、油断して一瞬動きを止めたα1の機体の首を落とした。「この野郎……!」

『おのれ、貴様……!』

 そしてそのまま後ろに回り込んで左腕も叩き落とし、α1を完全に抵抗不能状態に持ち込んだ。

『ならばこれしかッ!!』

 α1はコンソールを操作しスイッチを入れる。するとα1のブラスティレイダーが派手に爆発を起こした。

「クソッ!自爆かよ……!!」


『β2、β3……敵の装甲は恐らく機関銃だけでは貫けないわ。その分スピードで劣る筈……3機で一気に仕留めるわよ』

『β2了解』

『β3了解』

 β1の隊は、3機でハオとトードの同乗しているアトラスレイダーを囲む。

『β2はそのまま牽制射撃、そこをβ3と私で接近戦をします』

『了解』

「来るぞハオ!両手に盾を構えろ!」

「オッケー!!」

 ハオはアトラスレイダーの両肩の盾をアームで両腕に展開、二つ折り状態に変形させてナックルモードにすると2機の接近戦に警戒する。

「ハオ、右だ!」

 大鉈を構えたβ1が左から接近してくるが、トードはそれを囮と予測するとβ1の背後から猛接近するβ3の右からの攻撃をハオがナックルで弾き飛ばす。

『なっ!!』

「油断するな、即座に左ッ!!」

「はあっ!!」

『クッ!!』

 ハオが瞬時に反応して振りかぶるが、β1は慌ててバックステップで回避し、体勢を立て直す。

「牽制射撃が来る!盾を構えろ!」

「オッケー!」

 β2が2機がアトラスレイダーから離れるのを確認すると射撃態勢に入る。その隙にハオはナックルを再び盾に変形させて防御の構えを取った。

「いいか、今は防御に専念するんだ!接近する奴らは俺が俺が払う!」

「ありがとう!」

 トードは背面のアームを展開して機関銃を操る。

『β2、撃て!』

『了解!』

 β1とβ2のレイダーは同時に射撃を行う。しかし、どちらもシールドに防がれてしまう。

『くっ、硬い!!』

「当たり前だよ!この盾はTEの装甲だって一発で粉々に出来るんだから!!」

「ハオ!正面だ!」

「任せてよ!」

 今度はβ3が大鉈を持って突撃してきた。ハオもそれに応じて右腕の盾をナックルモードに変形させて迎撃する。

「喰らえ!」

『甘い!』

 β3はハオのナックルを下からの振りかぶりで受け止めると、すぐさまもう片方の腕に持った拳銃を発砲した。

『終わりだ!』

 しかし、その攻撃はトードの放った銃弾によって阻止された。

『何だとっ!』

「今だ!好き放題叩き込め!!」

「分かった、いくよ!!」

『なにっ……!』

 アトラスレイダーは再び両腕の盾をナックルに変形させると、至近距離からβ3のブラスティレイダーに怒涛の連撃を繰り出す。

『ぐおおおおっ!』

「これで……トドメッ!!!」

『ぬううぅっ……!こ、こんな、馬鹿なァァァッ!』

 β3の機体は最後の一撃をお見舞いされると、そのまま火花を散らしながら地面を擦っていく。

『β3!!?』

『気を取られるなβ2!撃ち続けながら近づくのよ!!』

 β2は焦りながらも射撃を続けるが、アトラスレイダーの盾がそれを全て防ぎ、そのまま接近する。

『くっ、どうす……!!』

 アトラスレイダーまで至近距離まで近づいたその時、β2の機体は目の前でいきなり爆発した。

「!?」

「何が!!」

 爆煙が晴れた時、そこに立っていたのはライフル銃を構えたβ1の機体だった。

『意外ね……これ程の爆発でも余裕で立っているなんてね』

「あなた、仲間を爆弾代わりに使ったの!?」

『そうだけど?』

「ハオ、奴らはそういう連中だ。その怒りは口でぶつけずに拳に握り込んで叩き込め!」

「うん……!」

『次は仕留める……!』

 β1はライフルを構えると再び弾丸を放った。しかし、それは全てアトラスレイダーの装甲に深い傷を付けるには至らなかった。

『くっ、やっぱり硬いわね……!』

「当たり前だ。この機体はお前たちよりも大きくて硬い、全人類の敵を相手にする機体だからだ!」

「だから……私たちはあなたみたいなのと戦ってる暇なんてないんだよ!!!」

 ハオは右腕のナックルを引いて構えると、ナックルからブースターが噴き出し、そのまま突き出すとβ1のレイダーに向かって猛スピードで飛んでいく。

『なっ、速い!!』

「はああぁぁぁっ!!」

 ハオの渾身の一撃は見事に命中、β1の機体をとんでもない勢いで吹き飛ばした。

『くっ、うわあぁぁっ!!』

 ナックルは接続されているワイヤーで巻き取られると、そのままアトラスレイダーの腕に戻る。

ハオっ!!」

「ナイスファイトだ、ハオ!」


『γ1より指示、各機は狙撃して敵の足をなんとか止めろ!』

『γ2了解』

『γ3了解』

 γ1の指示を受けたγ2、γ3の機体はそれぞれマシンガンを手にしてカレンのストームレイダーを狙う。

「そんなもの当たりませんよ、小悪党さん!」

『その減らず口を叩けなくしてやる!!』

 γ3がキャノン砲を構えて照準を合わせるが、カレンは冷静に回避行動を取りながら距離を詰めていく。

「さあ、今度はこちらの攻撃です!」

 カレンはサスマタを手にすると、γ3の腕部を集中的に攻撃、そのままキャノン砲を持った腕を破壊する。

『くっ、腕が……!』

「まだまだ……!」

 カレンはサスマタによる連突きを繰り出そうとするが、γ2の射撃に阻まれ回避、避けきれなかったγ3は爆散してしまう。

『バカがγ2!駒を無駄にするな!!』

『γ2了解!』

『黙って撃て!』

 γ3を失った事で焦ったのか、残りの2機も次々と弾丸を放つが、それらも全て回避されてしまう。

「さて、そろそろこちらも反撃といきましょうか……」

 カレンはパワーライフルを手に取ると、敵の攻撃を回避しながら建物の隙間から次々に弾を撃ち込んでいく。

『くっ……!全く捉えられない!!』

『なんなんだこの速さは!性能差で負けてるのか!?』

「いいえ、むしろ機体の性能はそちらが上だと思いますよ?」

 敵機がライフルの狙撃への警戒に気を取られていると、カレンはレーザーマチェットを手にして後ろからγ2に切り掛かる。

『なにっ!』

「成敗です!」

『しまった!!』

 γ2は背後からの不意打ちにより機体は手脚と頭を一瞬にして切断、戦闘不能状態にされる。

「これで2体目ですね」

『くっ!使えん駒だ!!』

「では……次で終わりにしましょうか!」

 カレンは残ったγ1を睨みつけると、そのまま接近していく。

『くっ、舐めるなよ小娘が!!これならどうだ!!』

 γ1は両腕に大鉈を構えて斬りかかるが、それも難無く回避されてしまい、そのまま懐に入られてしまう。

『しまっ……!!』

「これでおしまいです!!」

『ぐおおぉっ!!』

 γ1の機体はそのまま横一閃に切られ、上半身と下半身が真っ二つになる。

『なっ……なんだ貴様らは……!』

「我々はこの星を守るために戦う『タイタンレイダーズ』です。貴方たち小悪党はわたくしたちの邪魔をした。ただそれだけの事です」

『ふ、ふざけるな……!何がタイタンレイダーズだ!!兵器を使役しているのは結局貴様らも同じだろうが!!』

「いいえ。我々とあなた達では決定的な違いがあります。我々は、この星の未来を背負って戦ってるんです。この星が滅びれば、戦争だって出来なくなるのですよ?それが分からないほど、愚か者ではないでしょう?」

『くっ……!』

「それに、わたくしからすれば貴方のような方の命など興味はありません。もしかしたら……さっきので死んでいたかも、なんて」

 カレンは、既に戦える力のないγ1の機体にマチェットを突きつける仕草をして脅す。

『ひっ……!』

「まあ、そんな事は商会の仕事でもレイダーズの仕事でもないので勘弁して差し上げましょう」

 カレンは無垢な笑顔でそう言うが、γ1には恐怖しか感じられなかった。


 その頃、勇はグリフィンレイダー改に乗り込みウィルソン財団の建物の前でただひたすらに敵を待ち続けていた。

「……来たか」

 勇が天を見上げると、輸送機の灯りが満月の側を横切る。そして、2機のレイダーが空から降りて来て姿を現した。

『勇ィ……今日こそ脚の礼と俺の愛を受け止めてもらうぜェ……』

「ヴェルベット……どうした、喋りに勢いが無いじゃないか」

『うっせェ、殺す』

『ヴェルベット、今は戦いに専念しろ』

「カルドネン……お前はここで終わりだ」

『どうかな?やってみろ』

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