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タイタンレイダーズ  作者: 南ノ森
COW BELL
16/50

LIMIT

『カウベル』地下基地、整備ドック。

「喜べα、いや、ヴェルベット。今日からお前は俺たちの隊に配属された」

「マジか!?ありがてぇぜ!!」

「ただし、勝手な真似をすれば俺の判断でその首輪が爆発する。自分が飼われている家畜である事を忘れるなよ」

「……チッ、わかってらぁ!」

「それでは行くぞ」


レイダーズ本部、会議室。

「先程、ロサンゼルス基地から『カウベル』が日本に向けて進軍してるという報告があったわ」

 レイダーズ基地では、役12時間後に攻めてくる『カウベル』を迎え撃つために、勇を除いた一同が作戦会議が行われていた。

「ちくしょう!隠れる気なしとか舐めてやがるぜ!!」

 ブレアは敵の太々しい程の余裕な態度に怒りを覚える。トードはそれを見て冷静に意見を述べた。

「それほど今回は自信があるんだろう。少なくとも、今回に関しては本気で俺らを潰してくるかも知れない」

「それは……かなりマズイかも……」

「ああ。もしかしたら『牛飼い』も出てくるかも知れない」

「『牛飼い』?」

「『カウベル』を指揮している奴の事だ。つまり、俺を育てた男がヘタすれば出てくるかも知れない……」

「そういえば、トードさんも元々は『カウベル』にいたのですよね?」

「ああ。だがもう俺はもうあそこには戻らない。お前たち仲間が居るからな……」

 トードの言葉に、皆嬉しそうな表情を浮かべた。

「トード……そうだな、みんながいるもんな!!絶対に負けねぇぜ!!」

「でも、勇隊長居ないよ?どうしたの?」「勇なら今、シリウス商会からの荷物を受け取りに行って居るわ。戻るのには、まだ時間がかかるはずよ」

「ったく、こんな時に隊長が居ないんじゃちっと不安だな……」

「どうしたブレア、ビビったか?」

「馬鹿言うな。ただ少しだけ心配になっただけだ」

 そう言うブレアだが、内心気が気ではなかった。茶化したトードも、顔には出さないが正直言えば心に余裕があるとは言えない。

「大丈夫だよ。きっとすぐに戻ってくるさ」

「そうね、今は私たちだけでも出来る限りの準備をしましょう」


『カウベル』襲撃予測時間まであと6時間。


アメリカ某所、月面観測所。

「……これは!成層圏付近からTEの群れを確認!!降着予想地……日本!!」

「くっ!!奴らめ、十分に衛生さえ生きていれば事前報告が出来るのだが……!!」

「不味いな……今日本では対『カウベル』の作戦準備中なんだぞ」

「このままでは『カウベル』とTEの板挟みか……」


日本、レイダーズ本部、会議室。

 先程の月面観測所からの連絡を受けたレイダーズ一同は、再び作戦会議を行っていた。

「みんな、今度はTEの群勢が日本に降下してくるわ」

「んなっ!?こんな時にかよ!!」

「こういう事態は覚悟していたが……実際そうなると一層『カウベル』に腹が立つな」

 トードの言葉に一気に場の空気が重くなる。無理もないだろう、こんな時に人間同士が命をかけて争っている場合ではないからだ。

「とにかく、まずはこっちが先決よ。降下予測地点は千葉……この場所ね。ハンス、勇が居ない今、指揮はあなたに頼むわ」

「おうよ、任せた」

「ハンスさん、私もサポートさせてください」

「ジュウォンか、助かる!」

「じゃあ早速だけど出撃してちょうだい」

「「「「了解!!」」」」


『カウベル』襲撃予測時間まであと4時間。


千葉某所、商店街。

 勇を除いたレイダーズ一同は、ハンスとジュウォンを乗せた輸送機と4人が乗る各レイダーで千葉に向かっていた。

「この辺りだな」

「はい。確かにこの近辺にTEが降着したようです」

 しばらく商店街を進んでいくと、複数の巨影が建物の隙間から頭を出す。

「ちょっとこれって……多くない!?」

「ああ……20から25……かなり面倒だな」

「ハンスさん、もし必要なら私も出られますが」

「いや……ジュウォン、お前はまだ待機だ」

「……了解です」

「それより、問題はあいつらどうやって倒すかだぜ」

「とりあえず、建物の隙間に退避させましょう。極力表に出なければ見つからずに対処できるでしょう」

「そうだな、それしか無いだろう」

 勇を除いたレイダーズ一同は、ジュウォンの指示を受け建物の間に身を潜める。


『カウベル』の襲撃まで残り1時間。


 レイダーズは建物の影から次々にTEを対処していくが、その数は一向に減る気配がない。

「クソッ!全然数が減りやがらねぇ!!」

「ねえ、あとどのくらい残ってるの!?」

「ざっと見積もって10体前後と言ったところでしょうか」

「……そうか、なら俺に考えがある」

 通信でトードが全員に作戦内容を話し始める。

「よし!それでいこうぜ!!」

「えぇ、それが最良だと思います!」

「オッケー!!」

 作戦開始と同時に、全員が一斉に動き出す。

「いくぜカレン!俺に続け!!」

「はい!」

 ブレアとカレンは建物の影から飛び出すと、次々と敵の注目を集めていく。

「おらおらこっちだ!!」

「私たちが相手ですよ!!」

「うおおぉ!!」

 ブレアは機関銃を撃って相手を誘い込み、カレンはワイヤーを使って飛び回って敵を翻弄する。

「トード、ジェネレーターの出力はどんな感じ?」

「ああ、十分だ!いつでも撃てる!」

「OK、2人とも!タイミングは任せるぜ!!」

「任せろ」

 建物の影に隠れていた、ハオとトードの同乗するアトラスレイダーがビルの屋上に出てくる。

「トード、待たせたな!」

「ああ、いい感じだ。ハオ、引き金は任せた!」

「うん!」

 ハオが返事を返すと、アトラスレイダーはシールドを腕に展開、身を低くして四つん這いのような形態に変形し、背中から『速射型超高威力電磁砲』を展開、カブトムシを彷彿とさせる形になる。

「照準……よし!」

 トードが狙いを定めた先には、ブレアとカレンの誘導に引き付けられたTEが一直線に並んでいた。

「ハオ、撃て!」

「了解!サンダー・パルフェ・ガン!!」

 アトラスレイダーの背部に展開している『速射型超高威力電磁砲』から一発の弾丸が発射されると、その衝撃によりアトラスレイダーの立つ建物が崩れる。

 発射された弾丸はそのまま敵の列に向かっていき、そのまま一体目に直撃すると瞬時に貫通、一直線上の全てのTEに直撃して大爆発を起こす。

ハオっ!!やった!!」

「いいぞ!よくやった、ハオ!」

「やっぱネーミングはそんな感じなんだな……」

「みなさん、油断しないでください!引き寄せきれなかった敵がまだ残っています!」

 カレンがそう言うと、残りの数体のTEがこちらに襲いかかってくる。

「ああ、そうだな!こいつらをさっさと片付けないと……」

 ブレアが身構えようとした次の瞬間、上空から何かがTEに迫って行き、そのまま貫いて撃墜した。

「……え?」

「これは……?」

 何かが降着した方を見てみると、そこには1機の黒いレイダーが立っていた。

「あれは……『カウベル』の機体か?そんな、予測より30分早い……!」

「いや、左肩に鈴のペイントがない……もしや『牛飼い』……カルドネン・エランか!?」

 しばらくすると、さらに上空から3機のブラスティレイダーが降りてくる。そちらは全て『カウベル』の鈴のマークがペイントされていた。

「やはりお前は……『牛飼いのカルドネン』!!」

『ああ、そうだ。『カウベル』の裏切り者の家畜よ』

「俺はもう『カウベル』でも財団の兵士でもない。レイダーズの隊員だ!」

「トード……」

『まあいい、役に立たなくなれば殺すのみだ。では……』

 カルドネンは、ゆっくりと右手を上に上げる。

『お前たちを血祭りにしてやる……!!』

「ああ、やってみろ……!!」

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