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ウィルソン財団、訓練所。
「γ、お前の処遇が決まったぞ」
「……」
「マムはお前に最後のチャンスを与えるそうだ。もししくじれば……あの元お仲間どもと一緒に綺麗な花火を打ち上げる事になる」
「……」
「γ、玉置勇と桂木渚を今度こそ殺せ。そうすればあの中国人の女だけは財団の監視下で生かしてやる」
「……了解した」
ウィルソン財団、エレナの部屋。
「ミレーナ……私の可愛い娘。こんな所まで来て私に何か用事でもあるのですか」
「はいお母様、本当にレイダーズをお捨てになさるのか、聞きたくて参りましたわ」
「えぇ……あんな下品な連中とはもう関わり合いになりたくないのです。あなたも、あんな者たちの事を気にするのはおよしなさい」
「しかしお母様……彼らはこの地球の守護者なのですよ?少々判断が早すぎると思いますわ」
「……ミレーナ、あなたは財団の仕事に口を出さなくて良いのです。あなたは私の言うとおりにしていればそれでいいのですから」
「……わかりましたわ。お母様」
レイダーズ本部、渚の研究室。
「……以上がこのレイダーの基本的なスペックです」
「ほお、こいつはなかなか難しい機体だな」
渚とハンスはシリウス重工の協力のもと、新たに開発した新型レイダーの特徴を確認していた。
「しかしよぉ、これを上手く扱えるヤツが居るかね?下手すりゃコイツのせいで足を引っ張る事になりかねないぞ」
「それは心配ありません。うちのハオに使わせてみれば問題ないでしょう」
「ハオに!?それこそ無理じゃないのか!?あいつ程単純を具現化したような娘っ子はいないぜ!!」
「大丈夫ですよ。彼女はああ見えても優秀なパイロットです。それに、彼女の性格なら多少の無茶には付き合ってくれるはずです」
「ふーん。まぁお前さんが良いって言うんなら俺は別に構わないけどよ」
「では決まりですね。では、機体は既に格納庫に来ているので呼びに行ってください」
「あいよ」
レイダーズ本部、整備ドック。
ドックには渚の言葉通りに、既に格納済みの新機体がシリウス商会から届いていた。
ブレアとハオは機体説明のためハンスに呼ばれて来ていた。
「で、コイツが新型のレイダー、『アトラスレイダー』だ!」
「こいつが……」
「なんだかすごくずんぐりしてるね……!」
格納されていたレイダー『アトラスレイダー』は、1本角のようなアンテナ、頑丈な硬い装甲、機動力を補助する複数のスラスター、さらにはかなりの強度を誇るシールドを量肩に装備した重装甲型のレイダーである。
そして、その背中に装備されているのは……。
「あれって、アレじゃないのか?ほら……そくしゃなんとか……っていう」
「『速射型超高威力電磁砲』、ですね!」
ブレアが名前を思い出そうとしていた所に、後ろからカレンがやって来て答えた。
「そうそう!それそれ!あれ凄かったよな!!」
「ええ、『速射型超高威力電磁砲』は大変高威力で、機体にかなりの負荷がかかります。しかしアトラスレイダーにはより強固な装甲と高出力のジェネレーターが搭載されていますので、それを補ってくれる筈です!」
「なるほどな~」
「……という事は、この機体はあの時みたいにショートしたりしないんだね!」
「ええ、もちろん!」
3人が話をしていると、ハンスが咳払いをして注意を引いた。
「ゴホンッ!!……そろそろいいか?」
「あ、サーセン」
「ごめんなさいっ」
「すみません」
「いや……まぁいい……早速だがハオ、コイツに乗ってみてくれないか?コイツはまだ調整中でな、色々と試しておきたいことがあるんだよ」
「はい、分かりました!」
ハオがアトラスレイダーに乗り込むと、ハンスからの通信で指示が入る。
『よし、じゃあさっき言った通りまずは起動テストからだ。機体のシステムを立ち上げて……』
ハンスが説明をしようとした時、基地内にけたたましく警告が響く。
『緊急事態発生!財団の『カウベル』が接近中!各員は速やかに配置につけ!』
『ちぃ……こんな時に……!おいハオ、テストは中止だ!』
ハンスがハオを止めようとすると、既にアトラスレイダーは発進してしまっていた。
『ちょっ、おいハオ!待てって!!』
「大丈夫だよ!私、今度こそ上手くやってみせるから!!」
ハオの声は、以前とは違い自信に満ちた声で、とても頼もしく聞こえた。
「……ったく、仕方ねぇか……んじゃ、お手並み拝見させて貰うぜ」
「……うん、任せて!」
ハオの背中を見送るハンス。
そこに、警報を聞いて駆けつけた勇がやってくる。
「ハンス、何かあればハオをサポートしてくれ」
「いいや、あいつなら大丈夫だろう。それよりお前らも急いで出てくれよな!」
「ああ、分かった」
レイダーズ本部、発着場。
「お……おいおい、こりゃ何の冗談なんだよ……」
「冗談では……無さそうですね、これは……」
一同は、目の前に立つその異様な存在に唖然としていた。
『γ、これがお前のラストチャンスだ。玉置勇と桂木渚を引きずり出して、殺せ』
『……了解』
そこに立っていたのは、大型のジェネレーターを背負い、全身に爆弾を装備したγのブラスティレイダーだったのだ。
『勇、お前はどう思う?あの機体について』
「……あれは、おそらく自爆する覚悟だろうな。だがあくまでこれは手段に過ぎず目的では無いだろうな」
『何故そう思う?』
「俺はああいうやり方をする奴を知っている」
『なるほどな、心当たりがあると』
「どうだかな」
勇とハンスが様子を伺っていると、γからの通信が入った。
『玉置勇、桂木渚……大人しく投降しろ。そうすれば基地はそのままにしてやる』
「その前にγ、何故俺と渚を指名する。目的は何だ」
『知らん。αの命令だ。命令は絶対である』
「……そうか、なるほどな」
『……』
沈黙が流れる。
「ならばこちらも条件を飲もう。俺たちはお前たちを攻撃しない。その代わり、これを見ているお客さんにも出てきてもらおうか」
『!?』
「……お前はどうやら、財団の連中に良いように使われているようだな。そんなお前に、これ以上戦う理由など無いはずだ」
『…………』
「さぁ、出てこいα……いや、ヴェルベット・バンキンス!」
勇がその名を叫ぶと、αのブラスティレイダーが光学迷彩を解いて現れた。
『アッハッハッハッ!!御名答、玉置勇!!』
α……ヴェルベットは高らかに笑いながら、勇のグリフィンレイダーに銃を向ける。
「何が御名答だ!見え見えのやり方で俺を誘き出す算段だったのだろう!」
『ああそうだ!俺はお前の目の前でお仲間と愛しの渚ちゃんを抹殺するために来たのさぁ!!そしてお前は絶望の淵で死ぬのさ!!!』
ブレアは今までのαとの言動の差に戸惑う。
「お、おいおい、なんなんだよアイツ!前の戦いの時と雰囲気全然違うぜ……!」
「ああ、こっちがヴェルベットの本性だ。奴は昔、似たような手で俺の仲間を何人も手をかけて来た」
『おいおい、よそ見すんなよ!俺はお前の事が殺したいくらいに愛しくて愛しくて仕方がなかったんだよォ!!ヒャハハハッ!!』
「貴様、そんなに俺とお喋りがしたかったのか?」
『ああそうだ!!だがせっかくなら顔を見せて話そうや!!』
「分かった、飲もう」
そう言うと、勇とヴェルベットはハッチを開いてコックピットから顔を出した。
「久しぶりだな、ヴェルベット」
「ああ、まさかまた会えるとは思わなかったぜ!」
「俺は会いたくなかったよ」
「酷いじゃないか!俺はお前に会うためにこんな所まで来たんだぜぇ?今すぐハグしたいくらいになァ!!」
「悪いが、今はそんな気分じゃないんでな」
そう言うと勇はヴェルベットに銃を向ける。ヴェルベットも銃を取り出して構える。
「勇ィ……俺はな、お前とはなるだけ穏便に行きたいんだぜ?まあ撃てやしないだろうけどな?ほれ」
ヴェルベットは銃を構えていない左手で爆弾のスイッチを見せびらかす。
「こいつを押せばなァ、γの機体はドカン、ジェネレーターごと爆発して基地は木っ端微塵に吹き飛んじまう……そう、お前の恋人、桂木渚の弟が作った桂木式ジェネレーターで桂木渚を殺すのさ!!」
「……それが狙いか」
「ああ、そうだよ!!そしてお前の大事なものは全て消え去る……さあ、どうする?愛する者を守る為にこの場で俺の愛に殺されるか、恋人の命を犠牲にしてでも生き残るのか!?」
「……」
「さぁ選べ!!お前に残された選択肢は2つだけだ!!」
ヴェルベットが高笑いをするが、勇は動じずに言い切る。
「……それはどうかな」
「ハァ?」
「俺には仲間がいる。俺にとってこの状況は絶望でもなんでもないのさ!」
そう言うと勇はヴェルベットに向けていた銃を起爆スイッチに向けると、引き金を引いた。
「バカが!本物を見せびらかすわけねぇだろ!!」
そう言うとヴェルベットは端末を取り出して起爆キーを押す。
「グッバイフレンズ!!」
……しかし、爆弾は起爆しなかった。
「んなっ!?」
「爆弾がコンピューター制御で助かりました!コントロール権はこちらにあります!」
カレンからの通信が入る。勇とヴェルベットが対峙した時点で爆弾の起爆キーは既にハッキングされていたのだ。
「てめェ……!!よくも……!」
「これで終わりだ、ヴェルベット!」
「まだだ!直接ジェネレーターを射ちゃ終わりよ!!」
「させん!!V.N.L.S起動、フルリンケージ!!」
勇が再びグリフィンレイダーに乗り込むと即座にV.N.L.Sを起動させ、ヴェルベットのブラスティレイダーの動きを止める。
「ぐっ……動け……!」
「ハオ!今だ!!」
「了解!!」
ハオのアトラスレイダーがその隙をついてγの機体に接近する。γはそれを阻むため銃を撃つ。
「そんなもの!!」
ハオはアトラスレイダーの両肩に装備されているシールドを展開させる。アームでシールドが肩から両腕に移動すると、γの銃撃を全て弾き返した。
『!!』
「トード!!」
ハオがγの機体まで辿り着くと、装備された爆弾を外そうとする。
「ハオさんいけません!無理やり外せば爆発してしまいます!」
「じゃあどうしたら……!」
「私が爆弾の解除キーをハッキングします!ハオさんは離れて!」
「嫌だ!もうこの手は離したくない!!私は……今この瞬間、トードを連れ戻したいんだ!!」
『!!』
γ……トードが動揺しているのが伝わってくる。
「大丈夫だよ……絶対に助けるから……!」
『……!』
ハオが優しい声で語りかけると、それに応えるかのようにトードは静かになった。
「……分かりました。ですが、危ないと思ったら離れてくださいね……!!」
ハオからの返事は無かった。それでもカレンは信じて、ハッキングを始める。
「俺も手伝うぜ!」
ブレアが声を上げるが、即座にカレンに静止される。
「私は大丈夫なので、ブレアさんは勇隊長の援護をお願いします、」
「いいや、ダメだね!あれは男と男の一対一の戦いだ、俺が出てくる隙はねえよ」
「しかし……」
「それにさ、俺もコイツが心配なんでね!」
「……分かりました。ではブレアさんはジェネレーターのスイッチを外側から切ってください!もちろん危険行為なので危ないと思ったら……」
「オッケー、任せろ!!」
「……頼みましたよ……!」
『お前たち……』
その様子を見たトードは嬉しそうな声を出す。
「クソがよォ!!邪魔してんじゃあねえ!!」
「こっちこそ、邪魔立てなどさせるものか!」
ヴェルベットと勇がお互いの信念をかけて交戦する。
「ちぃ……!」
「どうしたヴェルベット……こんなもんかよ!」
「うるせえ!!俺はなあ、スペシャルなんだよォ!!V.N.L.S起動、フルリンケージ!!」
ヴェルベットは、V.N.L.Sを発動させると今まで以上の動きを見せる。
「オラア!!」
「ぐあっ……!」
勇を吹き飛ばすと、そのまま殴り続ける。
「どうしたどうしたぁ!?そんなんじゃ俺は殺せねぇぞ!?」
「フン……お前のスペシャルは俺の後追いだろう!過去にこだわっているお前に勝てる道理はない!」
「じぁあアンタは未来を進んでると言いてえのかァ!?俺にゃそう見えないがなァ!!」
「ああそうさ!俺は前に進んでいる!過去の因縁にケリをつけるためになぁ!」
「なら見せてくれよ!その強さをなァ!!俺に証明してくれよォ!!」
「ああ、望むところだ!」
勇が叫ぶと、ヴェルベットを蹴り飛ばしてソーンマチェットを構えて向かっていく。
「させるかよォ!!」
ヴェルベットは向かってくる勇に追い付かれないようフルブーストで退避する。そのスピードはV.N.L.S起動状態のグリフィンレイダーのスピードを超えている。
しかし、勇はさらにグリフィンレイダーを加速させる。
「おいおい!そんなんじゃお前のジェネレーターが吹っ飛ぶぜ!!」
「うおおおおおおおお!!!!」
すると、限界までブースターを吹かしたグリフィンレイダーのスラスターが火を吹く。その様はまるで燃える翼のようだった。
「な、なにィ!!このままじゃお前の機体がバラバラになっちまうぞ!!」
「構わん!!俺は、お前を倒す!!それだけだぁぁぁぁ!!!」
勇は更に速度を上げて、ヴェルベットを追い抜く。
「な、なんだと!?」
「うおぉおああああああ!!!!」
そして勇はソーンマチェットをヴェルベット目掛けて振り上げた。
しかしその直後、左肩のモーターが大破し狙いが逸れてしまう。それでも、相手の機体の胴体に斜めから刃が入り真っ二つにした。
「爆弾、解除完了!ハオさん、爆弾を外してください!!」
「ハオ、こっちもジェネレーターの停止完了したぜ!」
「2人とも、ありがとう!!」
ハオはトードのブラスティレイダーに装備された爆弾を次々に外していく。
そして、アトラスレイダーから出てブラスティレイダーのコックピットハッチを外から開く。
「……ハオ……っ」
コックピットを除くハオの顔を見たトードは、彼女の希望に満ちた凛々しい笑顔を見て自然と涙が溢れ出した。
「……ダメだ、来るな!首輪にも爆弾が……」
「大丈夫だよ、トード」
ハオは首輪に手をかけると、まるで何事もないように外した。
「!!なんで……!」
ハオは何も言わなかったが、彼女は首輪の爆弾も既にカレンが解除していた事を信じていた。
「……お待たせ、トード……!」
2人は強く抱き合う。
「ハオ……っ!俺はっ……!!俺っ……!」
「よかった……本当に良かった……!!」
「ごめん……ハオ……!」
「いいんだよ……トードが無事に戻って来たんだもん……!」
「ハオ……!」
「ぐあああああ!!あ、脚が!脚があ!!」
グリフィンレイダーが振り下ろした刃はヴェルベットの生身の左脚まで切断していた。
「ふ、ふざけんなテメェ!!い、痛えよクソがああああ!!」
「……ヴェルベット・バンキンス、投降しろ」
「誰がするか!!俺はここで死ぬ訳にはいかねぇ!!俺はあの女を殺してやる!!そしてテメェに愛の殺戮を下してやるんだよォおおお!!」
『α、そこまでだ』
その時、何者かの通信が入る。
「んなっ!か、カルディ!!」
『作戦は失敗した。今から貴様を回収する』
通信が入ると、ウィルソン財団のヘリが上空からやってくる。
「お、おい!俺はまだアイツを殺してねえ!!アイツに俺の愛を伝えてねえんだ!!」
『黙れ、家畜が』
「か、家畜だと!?」
『そうだ。貴様にはこれから我々のために働いてもらう。それが嫌ならば……』
「分かった!言う通りにする!!」
『それで良い。では行くぞ……』
「くっ……!勇、今度会った時はキサマのケツ○ってタマ食い千切ってブッ殺してやるからな!!覚えとけ!!」
「……ああ、楽しみにしてる」
ヴェルベットは財団の職員に拘束されると、ヘリの中へと連れていかれた。
「隊長!」
「ハオ、カレン、ブレア……よくやった」
「いえ、私達は当然のことをしたまでです」
「それでも、よくやったな」
「……ありがとうございます」
レイダーズ本部、整備ドック。
「うええええん!!トードおぉ!無事で良がっだよおぉ!!」
「おいおい、さっきまでのカッコいいハオはどこいったんだよ」
「だっでえええ!!」
「ハオさん、泣きすぎですよ……ほら、ハンカチ使ってください」
「ありがどぅ……カレンちゃん……ぐすん……」
格納庫に戻った全員は、トードの帰還に喜んでいる様子だった。
「おい、トード……歯ァ食いしばれ!!」
「なっ……ブフッ!!」
そこにブレアがやって来て、いきなり殴ってきた。
「お、おまっ、ブレアッ!歯食いしばる前に殴って」
「お前ぇ!どっ、どんだけ俺がっ!心配じでっ……ぐすっ!」
「あははっ!ブレア泣いてる!」
「るせぇっ!ハオだって泣いてたじゃねーかっ」
「そうだねっ!でもね、トードだって泣いてたんだよ!」
「お、おい!それ言うなって!」
「うふふっ、みなさん仲がいいのですねっ!」
「うん!みんな大事な仲間だからね!」
レイダーズ本部、渚の研究室。
「でよ、奴はカルディって言ってたんだろ?何者なんだ奴は」
「分からない、でもヴェルベットの上に立つ者だと言う事は分かる……つまり、事はまだ財団の進撃は考えられるわね」
渚の研究室では、今回の事について渚とハンスが協議していた。と、そこにシリウス商会のフランクリンから通信が入った。
『みなさん、先の事態はハンスから聞いております!ご苦労様でしたねぇ!』
「ありがとうございます、会長。ですが、まだ油断は出来ませんね」
『ええ!その通りです!ですので、我々も独自に調査を進めておりました!その結果をお伝えします!』
「本当か!」
『はい!実は、先程とある人物とのコンタクトに成功しましてねぇ!その方と協力すればなんとかなるかと思われます!』
「なるほど、その人物と協力して財団と戦う、と」
『いえいえ、財団とは穏便に済ませるつもりです!』
「どういうことだ?」
『はい!現状、レイダーズの活動状況において必要な資金は限られておりまして、私としても可能な限り出資は惜しみませんが……限界はありましてね!』
「そ、それで……どうするんだ?」
『はい!財団には今一度、レイダーズのスポンサーに戻ってもらいます!!』
「な、なんだと!!」
あまりにも予想していなかった言葉に3人は驚く。
「そ、それじゃあよぉ!アンタ、俺らに財団の犬になれって事か!?」
『いいえ、そうではありません!逆に、財団側から我々に下っていただくのですよ……!』
「何だ、何を言っている……!」
『先程、ある人物とのコンタクトが取れたと言いましたね!その人物に、今の党首と入れ替わってもらうのですよ!!』
「なに!そんな事が可能なのか!?」
『はい、商会の力なら!』
フランクリンがあっさり言ってのけたので、一同が沈黙する。
「……で、誰なんだ、そいつは」
『それはですね……エレナ・ウィルソンの実の娘、ミレーナ・ウィルソンその人です!』




