表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/30

第3話 これはキレイに決まった10点満点が出るか?

お読み頂きましてありがとうございます。

 兎に角、安全第一だ。『超鑑定』スキルで自分のスキルを読み解いていく。


 『金剛力』スキルは肉体強化の最上位スキルで発動すれば、一定時間矢でも鉄砲でもハジくらしい。かなり戦闘では有利になりそうだ。


 さらに魔力を捧げれば、身体の好きな部位をさらに硬くできるらしいのだが、これもパーセンテージで魔力を捧げるタイプらしく。無限大の魔力を捧げた結果、地球を割ってしまいましたではゲームオーバーだ。


 後は『錬金術』スキルで物質の変換や抽出ができるらしい。これなら土から鉄のインゴットを作り出し、それから『超鍛冶』スキルでエルダードワーフ並みの品質の剣を製造するといったこともできるらしい。


 ただひとつ問題があるのは、鍛冶場は別に用意する必要があるということだった。やっぱり使えないスキルばかりだ。


 なんかレアリティが高過ぎて、要求レベルの高い事態には対応できても、チュートリアル直後の初心者向けのレベルの低い事態には対応出来ないらしい。


 しかし、喉が渇いてきたなあ。僅かな飲み水が欲しいだけなんだけど、水魔法を使えば洪水が起きる。なんだかなあ。


 そうだ。『錬金術』スキルで土を水に変換すればいいんじゃないか。俺って頭いい・・・と考え出したときにはそう思っていました。


「わぁ。お漏らししたみたいになっちゃった。やっぱり使えないスキルだ。」


 でも実際に地面から手作業で土を掘り出して『錬金術』スキルで水に変換したところ、掌から水が溢れ出しズボンを濡らしたのだ。よくよくスキルの説明を読んでみると地球上に存在する比率通りに変換されるらしい。


 なるほどなあ。地球上の7割を占める水だから、溢れ出したんだ。良かった土から鉄を作り出したら、マメ粒ほどしか出来ないところだったに違いない。


 掌に残った水を飲もうとして躊躇する。掌に残った水は僅かで、土を掘り出した際に爪の中に入り込んだ土はそのままでとても衛生的とは言い難い。この水を飲むくらいなら、眼下に流れている小川の水をすくって飲んだほうがマシだ。


 水は我慢することにする。敏捷性を高める『飛躍』スキルもあるが、曲がりくねった林道でさえコントロールが難しそうなのに崖下に降りていく勇気は無い。


 仕方無く林道を再び下っていく。


「失敗したかな。」


 行けども行けども、同じような風景が広がるばかりで疲れてしまう。現代っ子でもか弱い部類の人間なのだ。当然鍛え上げた肉体など持ち合わせていない。


 しかも山間の日陰にはいったのか周囲が暗くなってきた。仕方が無い。『飛躍』スキルを使うか。


 はじめは早足だったのだが、下っている所為で速度があがっていく。止まろうと思うが足は止まってくれない。やっぱり、平らなところで試すべきだったかな。


 止まるには飛び上がるしか無さそうだが、何処まで飛んでいくかも解らないので、『超感覚』スキルで目の反射速度を向上させて速度に対応した。あとはひたすら足をコントロールする。


 だが限界は来た。足がもつれて転んだのである。とっさに『金剛力』スキルを使ったのは褒めてやりたい。


 何処かにぶつかって止まればいいのに、下手に目の反射速度を上げていた所為で転がる方向をコントロールできてしまう。マンガ知識だったがバイクで曲がるときのように身体を傾けることで方向もコントロールできてしまった。


「ええっ。アスファルト?」


 しばらく下っていくと広い道に出た。日差しは戻り、地面は真っ黒い道に変わった。


 どうみてもアスファルト舗装の道路だった。ガードレールまである。ここはいったい何処だ?


 考えあぐねている間も下り坂の道路はまだまだ続いている。しかも多少のカーブはあるものの直線が多くなった道路の所為で転がる速度が上がっていく。


 勇者が伝えた現代知識かもしれないが、現代世界に生き戻ってきた可能性も出てきた。


 そして、その答えは割と早くにやってきた。対向車が1台現れたのである。


 こういうときに限ってコントロールが上手くいかない。対向車を避けようとコントロールすると逆に寄っていってしまう。


 前世でトラックにひかれたことがある俺は車にぶつかる寸前、とっさに飛び上がったのだ。


 目測を過った俺の身体は飛び上がった途中でボンネットにぶつかり、フロントガラスにぶつかったところで、体操のムーンサルトのように抱え込んだ足がクルクルと回り、車を飛び越えたところで道路に降り立った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ