屋上の出来事
その後僕たちはいつも通りの日常を過ごした。
田中はいじめられ、竜二はいない。日常になってしまいそうなものを。
その日の夜のニュースで自殺者の急増が特集されていた。
そんなことはみんな知っている。東京に何人いるか正確に把握できるんだから。
次の日の朝、学校に行くが竜二の姿は見えなかった。
そして学校はある話題で持ちきりだった。
「田中ー! お前すげーな!!」
「た、田中くん! やり方が分かるなら私にも教えて欲しいな!」
なぜ田中がこんなにも注目の的なのか。
それは彼の順位に変動があったからである。それもかなり大きく。
「いやー、寝て起きたら才能が上がってたんだよねー」
名前 田中 幸次郎
クラス順位 4/35
学年順位 11/215
都内順位 162,493/9,168,698
田中の才能はありえないほど向上していた。さらにクラスの人が誰か死んでいる。
中野だろうか、竜二が生きているといいけど。
その教室には千夏もいなかった。
先生が教室に入ってくる。
ガタガタガタガタッ
みんなが慌てて自席に戻る。
「はーい、出席を取りまーす。天野」
「はい」
俺が返事をする。
「石上は今日は休みか…………沖も今日いないのか…………中野は今日もいないよな…………最後に渡辺も休みか」
どうやら今日は沖もいないらしい。
まぁ千夏が生きていたならそれでいい。
ちなみに沖は田中をいじめていた主犯格だ。もしかしたら田中が殺したのかもしれない。
そのまま特に何も起きないまま昼休みとなった。
俺は日課となったバスケの練習のために使用が禁止されている屋上へと向かう。
自分で言うのもなんだが俺は本当にバスケの上達が早い。それはもう異様なほどに。だからつい呟いてしまった。
「俺にバスケの才能があるって本当だったんだな。このブレスレットがなければ気がつかなかったなぁ」
その声は小さく、俺にしか聞こえていないと思っていたが小さく呟くには周りが静かすぎた。
「バスケの才能…?」
俺もよく知った声だ。
「竜二? なんでここに」
俺が言い終わる前に竜二は殴りかかってきた。
「俺が1番欲しかった才能を! なんで!!なんでお前が持ってんだよ!!!」
竜二が家に居づらいことは分かっていた。でもまさか学校にいるだなんて思っていなかった。公園か漫画喫茶だと思っていた。
「どうして…。なんで俺ではなくお前なんだよ…。どうしてだよ!!!!! そんでお前は何で俺にそのことを伝えてくれないんだよ…。。。」
俺は何も言わなかった。バスケの才能があることは事実で、それを持っている俺が何を言っても竜二には届かないだろうと思ったから。
竜二は屋上のフェンスを叩く。叩き続けた。
「なんでなんでなんでなんでなんでなんで!!!!!」
フェンスがついに壊れる。
それを見て、竜二は涙を流しながらニヤリと笑った。
そして竜二は悲しそうな、嬉しそうな、そんな複雑な声で言った。
「お前が俺を殺したんだ」
竜二はそのまま落ちて逝った。
俺はその間、助けることは疎か動くことも出来なかった。
「姉ぇー、どうするのだ? いい加減命を狙われる生活には飽きたのだー!」
私が双子の姉であるフィア姉に話しかける。
「そうだねぇ〜、どうしよっか。てかなんで私たちが狙われるんだろ〜」
フィア姉がいつも通りフワフワと返事をする。
ちなみにフィア姉は襲ってきた人を今さっき殺したばかりなので、右手には人間の生首が握られている。
「まぁ狙われ始めたのはブレスレット付け始めてからだし、関係ないわけがないよねぇ〜」
「じゃあやっぱり政府を殺すしかないのだ?」
「まぁ、それが妥当かもねぇ〜」
名前 双葉 妖精
殺し屋順位 2/3
都内順位 11/3,942,534
〈称号〉
暗殺マスター(隠蔽済み)
全てを嗅ぎ分ける者
〈能力〉
パーキソン病
名前 双葉 人魚
殺し屋順位 3/3
都内順位 12/3,942,534
〈称号〉
怪我人
〈能力〉
先天性無痛無汗症
この日何者かが投下した爆弾による大量虐殺が行われた。
読んでくれてありがとう!
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感想もよろしくお願いします!!!
花粉症辛い…。。。