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才能カースト  作者: わかるぱ
4/5

能力

 教室に怪我だらけで入ってきた竜二に全員が唖然としている中、俺だけは竜二のもとに走って行った。


「おい、竜二どうした? 何があったんだよ」

 俺がそう聞くが竜二は誤魔化すように「いや、大丈夫だよ」と答えて席に座ろうとする。

 だから俺は竜二の胸ぐらをつかんで強引に聞く。


「ちょっ、アキ」

 千夏が止めようとしてくれるが、俺はそれをかき消すように言った。


「大丈夫かなんて聞いてねぇんだよ!! 何があったのかって聞いてんだ!!!」


 俺は初めて竜二に怒鳴った。自分でもなんでこんなに感情的になってしまったのか分からない。


 さっきの母親の話を聞いたからだろうか。

 竜二の点数は昨日から()()()()()()()から心配になったのかもしれない。


 竜二も珍しく怒鳴り返してきた。

「親父に殴られたんだよ!! 才能がないやつは努力なんてするなってな!!!」


 俺たちは睨み合う。先に折れたのは竜二だった。


 竜二は俺の胸ぐらを掴んだままヘナヘナと座り込み、振り絞るような声で言った。

「俺の今までの人生を全部否定された気持ちになったよ。いや、気持ちになったんじゃない。否定されたんだ」


 それを聞いた千夏が我慢できずに駆け寄って竜二を抱きしめる。

 彼氏の前でそれはどうなんだろうかと思ったが止めはしなかった。


「そんなわけないよ!! 努力が報われないわけがないもん!! 実際順位が分かるまでは1位候補は竜二が筆頭だったじゃんか!! 才能なんかに負けないでこれからも努力しようよ! そしたらいつか必ず報わるはずだよ!!!」


 その言葉は竜二以外の心には刺さった。

 しかし竜二は俺たちが思っていたより冷静ではなかった。

「お前がそれを言うのか…?」

「え?」


 竜二は千夏を投げ飛ばして言った。


「クラス2位、学年5位のお前が! お前が努力を語るのか!!? お前に何がわかんだよ!!!!」


 俺は投げ飛ばされた千夏に駆け寄り、肩を貸して起こしながら言う。

「お前、今日は休め」

 できる限り優しく言ったつもりだったが、俺はしっかり怒りを隠し切れていただろうか。


 竜二は千夏に小さな声で謝りながら教室を出て行った。

 当然こんな時にサボって親に許してもらえる訳がないので、家にはしばらく帰らないのだろう。


 俺は千夏を保健室に運ぶ。千夏は机に頭を打ったらしく、思いのほか重症だ。


 名前    渡辺 竜二 

 クラス順位 33/36

 学年順位  199/217

 都内順位  8,625,348/9,179,426

 〈称号〉

 才能の超越者


「師匠、話ってなんですか?」

 僕、中野空が師匠である神崎に問う。

「おぉ、来たかくぅーちゃん」

「その呼び方はやめろと何度も言っているはずですよ」

 僕はそう言うが、実際はすでに諦めている。この師匠はいつまで経っても僕のことを子供扱いする。


「で、そちらの方は?」

 僕は師匠の後ろに知らない人がいたので、呼び出されたのもこの人に関係する話だろうと思い、本題に無理やり入らせる。

「あぁ、この人はな橘さんと言ってな。単純に言えば強い人だよ」


 あまりにも単純すぎて何もわからない。

 ただ順位を見れば只者じゃないことはわかる。


「もしかして、僕らと同じですか?」

 僕が師匠に聞くと橘さんから返答が返ってくる。


「そーだよ、中野くん。俺はエーラス・ダンロス症候群だ」

 その瞬間僕はこの人を信頼した。


 名前    中野 空

 クラス順位 1/36

 学年順位  1/217

 都内順位  3/9,179,426

 〈称号〉

 最強の記憶力(隠蔽済み)

 〈能力〉

 超記憶(ハイパーサイメシア)症候群


 名前    神崎 美琴

 ニート順位 1/9,993

 都内順位  2/9,179,426

 〈称号〉

 計算の悪魔

 〈能力〉

 サヴァン(天才的白痴)症候群


 名前    橘 優希

 殺し屋順位 1/3

 都内順位  8/9,179,426

 〈称号〉

 脅威の柔軟

 生粋の殺し屋(隠蔽済み)

 〈能力〉

 エーラス・ダンロス(超軟体)症候群

リアルが忙しくて投稿が遅れました。

明日も投稿します。

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