シングル
その後田中いじりは収まり、その日1日は「中野がどんな人間なのか」という話題で持ちきりだった。
俺が家に着くといつも通り母さんが迎え入れてくれた。俺の低い順位を見て母さんは言った。
「ごめんね、お父さんは賢いのだけれど私の遺伝子を濃く受け継いでしまったようね」
「ううん、全然大丈夫だよ」
俺はそう言ったが母さんは優しく俺を抱きしめてくれた。高校生にもなってこれは流石に恥ずかしい…。
そんな優しすぎる母さんの順位はこう。
名前 天野 ぽん子
ママ友順位 3/3
都内順位 8,316,249/9,271,973
あれ、朝見たときより人が1000人以上減ってる。法律を無視してブレスレットを外す人って結構いるんだな。
その日の夕飯にて父さんにも俺の順位を認めてもらった。父さんは残念がっていたが、才能とは生まれ持ったものだから仕方ないとのことだ。
ちなみに30代で部長にまで昇進した父さんの順位はこう。
名前 天野 龍輝
部署順位 1/6
会社順位 2/311
都内順位 3,009/9,271,973
レベルが違いすぎた。
俺が本当に父さんの子供か疑うレベルの差だ。それなのに会社内では2位なのか…恐ろしいな。
俺はご飯を食べ終わったあとクイズ番組を見ていた。
そしてその番組のレギュラーの人たちの順位を目にしたのだが、その順位の高さに驚愕した。
1521位。1372位。729位。432位。211位。
その中でも特に高かったのが久我直哉。久我はつまらなそうな顔でクイズに答えまくっていた。
順位9位。
名前 久我 直哉
タレント順位 2/7,979
都内順位 9/9,271,971
これは寝る直前にネットで見たことなのだが、タレントでの1位は判明していないそうだ。
あんまり有名じゃない人なのかな? 才能があるのになんで?
俺はそう思ったが考えてもわからないので今日はもう寝ることにした。
その頃、中野 空は夜中にも関わらずある作業に没頭していた。
「師匠、流石にこの量を今日中は無理っすよー!」
「この私の順位が2位だったんだ。才能制度とかいうアホみたいな法律をなくす時に1位の奴が敵だと負けるかもしれんからな。できる準備はしていくんだよ! さぁつべこべ言わずにやんな!!」
「鬼! この鬼師匠!! 誰だよこの人より才能があるってやつは!! 居るわけないだろ!」
「誰が鬼だって??」
僕の師匠は笑顔でぶちぎれていた。
「ほんとすいませんでした」
「ふふん、わかればよろしい!」
名前 神崎 美琴
ニート順位 1/109,876
東京都内順位 2/9,271,970
読んでくれてありがとう!!
明日も投稿します!!
日本全国だと、思ってた10倍順位付けがややこしくなるので東京都内のみに変更しました。