クールな彼女の恥じらい
短め。
「おまたせ。ケーキと紅茶、出来たから持ってきたよ。」
そう言ってから俺は、カップをテーブルに乗せてポットから紅茶を注いでいく。
紅茶の爽やかな匂いが辺りに広がっていき、その匂いにつられるように「ゴクッ」と生唾を飲み込みながらもケーキを乗せた皿もテーブルに乗せる。
最後に紙で包んであるフォークをテーブルに乗せてから、俺は音を立てないように椅子を引いて席についた。
「んーと…………雪嶺さん。待たせてごめんね?食べていいよ?」と固まっている雪嶺さんに言ってから、俺は自分のケーキにフォークをを差し込む。
「あ、あの……………これは柊くんが?」と、おずおずといった風に問いかけてくる雪嶺さん。
それに俺は頷いてから「まぁ趣味って言うのかな?もしくは暇つぶし?でまぁ作れるようになったんだよ」と答える。
すると雪嶺さんが急に立ち上がり「女子力高くない?!私、ケーキなんて作れないんだけど!」と叫ん………ではいないけど
( ゜д゜)クワッという感じの顔でいった。というか、やっぱり思ってた印象と違うなぁ…………なんとなく昔の俺みたいなイメージがあったのだが、今の印象はなんか絡みやすいというか可愛い?なんだよなぁ………
「まぁとりあえず落ち着いて?別に女子力ってわけじゃないから。気晴らしでやる感じだから」
「この完成度は気晴らしどころか職人レベルに近い気がする……………因みに料理は出来るんですか?」
「まぁ嗜む程度には」
「……………………」
「まぁいいからケーキ食べなよ。
それとも俺の作ったケーキは嫌?なら別に食「食べるよ!」無理しなくてもい「全然!むしろこんな凄いのを食べていいのか迷ってただけだから!」…………そか。じゃあ食べたら感想教えてくれると助かる。帰ったら妹にも食べさせなきゃいけないからね。
不味かったら不良にでも投げつけてから帰るから」といって話を終わらせる。早くしないと紅茶も冷めちゃうしね。
そう思いながら俺はカップを傾け喉にお茶を注ぐ。
半分くらいケーキを食べたころ、一旦雪嶺の方を向いた。
すると雪嶺さんの皿からすでにケーキは無くなっており、その視線は俺のケーキへと向いていた。
「残り、食べる?俺の食べかけでいいならあげるけど」といって、俺は残りのケーキを差し出す。
「えっ、いや、別にそういうわけじゃないんだからね!そ、それに柊くんの分だし………」
「うん。じゃあ残りは俺が食べるよ」といって皿をこっちによせる。
すると「はうぁ?!」と言いながら切なそうな顔になる雪嶺さん。
戻す。
ほわぁぁ
引く。
しゅん
戻す。
ほわぁぁ
引く。
しゅん…………
「うん。雪嶺さんが食べていいよ。俺はもうお腹いっぱいだしね」
「いや、だからそういうわけじゃな「でも、凄いほしそうにしてたよね?めちゃくちゃ可愛かったんだけど」はうぁっ?!か、か、かか可愛いってそんな………………柊くんの意地悪っ!」
そういいながらも雪嶺さんは、俺のケーキをパクパクとほお張っていく。
その姿がリスのようで、俺は思わず笑ってしまった。
「あ、あによ。ひひらひふんが食べていひっていっはんらはられ。いまはらおほいんですはら」と口にクリームをつけながらいう雪嶺さん。
「うん。そうだね。別に俺はそこまでケーキ好きじゃないからいいんだけど…………あと、ほっぺにクリームついてるよ。とってあげる」
そう言ってから俺は、雪嶺さんのほっぺたについたクリームを紙で拭ってとる。
拭き終わった紙を近くのゴミ箱に捨ててから席にもどると、そこには顔を真っ赤に染めた雪さんがいた。
「どうしたの?雪嶺さん。急に顔を真っ赤にして。俺、何か怒らせるようなことした?」
「…………………きゅう」
そう声を出した雪嶺さんが椅子から倒れ込むのをみて、俺は咄嗟に雪嶺さんの体を抱きかかえる。
その体は重さなど感じないくらいに軽く、ほんとうに人間なのかさえ疑わしいほどだった。
とりあえず俺は荷物を両手に抱えながら、雪嶺さんを背負って自宅へと向かうのだった。
眠いんじゃ塾があったんじゃ……………明日からついに例のやつ学園編です。是非






