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とある王子の憂鬱なる日々  作者: 九透マリコ
幾重の星ノ物語
3/28

エピソード3.(彼女視点)

ありがとうございます!


 『あなたは、なにが好きですか?』




「ふむ。あんな紙切れ一枚なのに、計り知れない威力だな」

 我ながら、いつまでたっても過保護な両親に呆れる。きっと、こうなる事を予測していたから、シルヴィオに手紙を預けたに違いないが。

 婚約者殿との謁見後につれて行かれた先は、今まで閉じ込められていた部屋よりも広く、豪華な家具で充たされた貴賓室と呼べるような部屋だった。

 この対応に、文句はない。いや、むしろホッとしている。

 だから、今回だけは助かったと感謝してよいのかもしれんな。普段は、嫌がっても構ってくるから面倒くさくてたまらないが。わたしもようやく十七を迎えたのだから、いい加減子離れをして貰いたいものだ。

 大人しく連れて行かれた先に荷物を下ろし、部屋の中を見渡してみる。

「ふわあああぁっ!豪華なお部屋ですねぇ!」

 わたしの後ろから部屋を覗くシルヴィオの言葉に共感して頷けば、わたしたちを連れてきた男がクスクスと笑った。

「ふはっ。やっぱり、そのままなんだ!面白いっスねぇ、えーっとなんでしたっけ。シルヴィオ・ラフーレさん?」

「わたしの従者が頼りない男で申し訳ない。……君は?」

 扉に凭れながら腕を組んで笑う男は、確か婚約者殿の後ろにずっと立っていたはず。婚約差殿に負けず劣らず綺麗な顔立ちをしておるが、どうしても最初に目についてしまうのは右目を塞ぐ傷痕だろう。もう片方の瞳だって、猫のように細いせいか、ちゃんとこちらが見えているのかどうかも怪しいほどだ。

「失礼しました。私は、トーマス・ロプンスと申します。ヒューバート殿下の側近をしております、って事で以後よろしくお願いします」

 金色に輝く長めの髪を揺らしながら、愛嬌がある笑みを浮かべられ、ようやくまともな監視役を付けてくれたのかと安心する。閉じ込められている間は、ずっと雑魚を相手にさせられていた感じがしていたのだ。

「なるほど。わたしは、エトワール・アルフ・ワ・ライラだ。ロプンス殿、こちらこそよろしく頼む」

「あはは。自己紹介は、さっき聞いたっス。それで?ぶっちゃけ、うちの殿下の評価は?」

 警戒心というよりは、純粋なる興味心か。まあ、そういう目的がはっきりしている方が好感が持てる。 その評価とやらを、婚約者殿に告げるかどうかは彼次第となるが。

 ――良いだろう。ならば、わたしはいつものように本音を言うだけだ。

 変な事は言わないでくださいよ、といったシルヴィオの顔が目に入ったが、無視をする。

「星読みとして答えるならば、星の導きに従うのであって評価などない。だが、君はそういう事が聞きたいのではないのだろう?」

 そう言って視線を向ければ、無言のまま笑みを浮かべて首を傾けられる。まるで、お察しの通りに、とでも言うかのように。

「次期国王となる器かどうかは、まだ会ったばかりだから何とも言えん。だが、一つだけ言えるとすれば、どうやらわたしは一目惚れをしたようだ」

「ひっ、姫殿下ぁ!?」

「落ち着け、シルヴィオ。一目惚れなど初めてのことだから、わたしもまだきちんと把握してはおらんのだ。だが、顔を見た瞬間、頭で理解するよりも先に心臓にきた。次に、声。嫌味ですら祈りの時に流れる聖歌のように錯覚してしまったほどだ」

 思い出すのは、わたしを映したあの切れ長の瞳の透き通るような深い緑。丁寧に整えられたキラキラと輝く緑色にも茶色にも見える柔らかい色合いの髪が、男の甘いマスクを印象強く魅せていた。

 幼き頃に乳母に読んでもらった冒険譚に出てくる王子様のイメージそのものといった具合で、紛れもなく理想通りの王子様がそこにいたのだ。

「それはまた、おもしろ……いや、うちの殿下の魅力を理解してもらえたみたいで嬉しいっスね」

 この男、愉しんでるな?他人の事は言えんが、婚約者殿も奇特な人材をお持ちのようだ。

「現時点だとこんなものだ。他に、何か聞きたい事は?」

「そうっスねぇ」

「特には無さそうだな」

 今までの雑魚とは違い、この男には用心すべきだと自分の中で警告音が鳴り響く。こういう見た感じ、こちらに合わせてニコニコしているやつほど腹の底で何を飼っているのか分からないものだ。うちの古い思想を持つ連中と同じで。

「では、今度はわたしの番だ。これから、城内の案内を頼む」

「ひ、ひめさまぁ」

 そう言ってやると、トーマスという男は一瞬だけ瞠目してから口元に笑みを浮かべた。

「りょーかいです」

 まずは、彼を知り己を知れば何とやら、だ。




 ――と、まあ、わたしなりに頑張ってはみたのだが。

「いい加減、ここで待ち構えるのは止めて欲しいのですが」

 怒られた。とうとう、怒られてしまった。

 がくりと肩を落とすわたしの横を、婚約者殿が通り過ぎる。自分でも、この三日間、ずっと婚約者殿の執務室前で話をする機会をうかがっていたので、気持ち悪いと思っていたが。

「もっと、話をしようじゃないか。わたし達に足りないのは、明らかにお互いに関する情報だと思うぞ?」

 颯爽と王宮の廊下を歩く婚約者殿に、置いていかれまいと纏わり付くようについていく。

 わたしだって、必死なのだ。そこは諦めてもらわねば。

「申し訳ないのですが、私は微塵も興味がありません」

 ……ぐぬぬ。

 だが、負けるわけにはいかんのだ。

「わたしは、お前に興味があるぞ!何が好きで何が嫌いか、色んな事を知っていきたい。た、例えば、好きなタイプとか」

「……」

 やや私の上にあるアマデウスという星の色に似た深い緑色の瞳から逸らさず、真っ直ぐ見つめてやれば逸らされた。

 いかんなぁ、今まで接してきた男といえば身内か年寄りばかりだったし、どんな風にアプローチすれば良いのかさっぱり分からん。

「私の好みが聞きたいと?」

「うむ、教えてくれるのか!?」

 なんと!手探りながら、言ってみるものだな。

 フッフッフッ。どうだ、シルヴィオ、わたしだってこれぐらいお手の物だ!と、後ろでハラハラしていたシルヴィオにニヤリとしてやる。しかし、何故かシルヴィオの横にいたトーマス氏が噴き出して笑った、が。はて?面白い物でもみたのだろうか?

「……トーマス」

「は、……っぷぷ、なんでもないっス」

「はぁ。……まあ、いいでしょう。私の好みでしたね」

「そうだ」

 冬の空でひときわ明るい一番星を、わたしの国ではアマデウスと呼んでいる。それは、孤高の神様の名であるのだが、人々に知恵と勇気を与えると謂われているのだ。そんなアマデウスの星とよく似た瞳が、わたしを一瞬だけ捉えて放す。


 それだけで、この胸が焦げ付くように熱くなる。


 星が定めた運命の人。

 それ以上に、わたしはこの男を欲してる。

「私の好みは――穏やかで誰に対しても礼儀正しく自分よりも他人を優先してしまうほど優しいのですが、きちんと芯が通っていて、ああ、それに意外と諦めの悪い所があるのですがそれすら魅力に変えてしまう人でしょうか」

「……」

 アマデウスのように煌めく色が、儚く揺らぐ。それは、まるでそこに誰かを投影しているかのようにも見えて。

「そこに、たぐいまれなる容姿で白金色の髪と蒼い瞳、なんてあれば最高っスね」

「トーマス」

「はぁーい」

 ……え?

 余計な事を言うなといった感じに聞こえたが、勘違いなどではないとすれば婚約者殿は……と、視線の流れで振り返れば。

 案の定、長年連れ添った従者と目が合った。

「……」

「姫殿下?」

 ……なんということだ!



 ま、まさか……己の従者が恋敵になる日が来ようとは思いもしておらなんだ。



 私が知りうる限り、見目が良くて白金色の髪に蒼い瞳といえばシルヴィオのみだ。しかも、シルヴィオはこんな所まで追いかけてくるぐらい健気で私に忠義心を捧げてくれるし、解任するからといっても諦めが悪く今もわたしの傍にいる。穏やかだし情けないが優しい男であるという事は主のわたしが誰よりも理解しておる。そうなのだ。



 まさに、シルヴィオは婚約者殿にとっての理想像!!!!!!



 くそっ!そんな……こんな事があってよいものか!

「なにか、私にとって大変不本意な勘違いをされている気が」

 横で思いきり婚約者殿がため息を吐き出したように感じたが、今はこの壮大な悩みをどう解決すべきかという思いが頭の中に満ちあふれていく。

 もしも、婚約者殿が本気でシルヴィオに一目惚れをしてしまったのならば、わたしは一体どうすれば!?

 くっ!星の導きのままに進んできたのに、斯くも地上の神によって翻弄されるという事か?

「……し殿」

 いや、これは試練なのか?

 わたしには、まだ何か婚約者殿にとって魅力が欠けているという事の暗示であろうか?

 それなら、それならわたしは!

「特使殿、聞こえていますか?」

「……あ」

 しまった、またいつもの悪い癖だ。悩み出したら周りの声が聞こえないから、気をつけるようにとアルテミオ御師にも説かれておったというのに。

「何処までついてくる気ですか、と言ったのですが。どうやら、全く私の話は聞いて頂けていないようですね」

「ち、ちがっ」

 それは、誤解だ――と婚約者殿に言い聞かそうとして慌てて歩み寄ろうとした、その時。

「おお!ヒューバート殿下、ちょうどお会いして話したい案件がございまして!」

 そう言って、廊下の端からこちらに向かってくる二人組の男達を見て目を見張る。

 一人は偉そうにふんぞり返っている小柄な男、だが、わたしが驚いたのはもう一人のやけに背の高い椰子の木のような大男だった。

「ジョアン殿」

「あの男達を知っておるのか!?」


 間違いない、あの大男はあの時の――


「国が委託している民間業者の会長とその部下の方です」

 ああ、そうか!そういえば、ドムクが言っていたではないか。両替商の店の設置は、王太子が発案したものであると。ならば、知っていて当然だろう。……はっ!そんな風に納得している場合ではない!両者が知り合いというのなら、昨日のわたしのアレが露見してしまうやもしれないではないか!!

 ま、まずいぞ。それは、非常にまずい話だ!

「そ、そ、そそそうか!わ、悪いが急用が出来たのでここでわたしは失礼する!!」

「は?」

「で、ではな!」

「お待ち下さい、姫殿下っ!」

 挨拶もそこそこに、ここは迅速に一時撤退を行う。


 婚約者殿が、わたしの背中を見送りながら目を細めている事など気付きもせずに。




 まさか、王宮の中にまであのような悪人共がのさばっているとは思いもしておらなんだ。しかも、あの様子から察するに婚約者殿は彼らが悪い連中だとは気が付いておられんようだしな。

「ならば、わたしが何とかするしかないではないか」

「うっ、うぇ。ま、また、なにか良からぬ事を企んでおられますね?」

「なに、誰の迷惑にもならんことだ」

 フフフ。なにせ、これは正真正銘、正義と言う名の鉄槌を下してやるだけだからな!ふははは、と両手を腰に当てて高笑いをしながら角を曲がる。

 ――と、同時にたまたま通りがかろうとした左側の部屋の扉が急に開き、目の前でわたしよりも年若い娘が小さく悲鳴を上げて押し出される形で床に倒れ込んだ。

「まっ、まさか!ひめでん」

「くだらん事をぬかすな。わたしではない」

 シルヴィオは良い従者ではあるが、たまに偶然の出来事をわたしの能力だと勘違いしているふしがどうもあるな?今は、それどころじゃないから不問にするが。

 大丈夫か、と駆け寄ろうとして、まだ誰か部屋の中にいるのに気付く。

「いいざま」

「学園じゃあ、優等生なのでしょう?だったら、これ以上勉強する必要なんてないじゃない。貴女と一緒の空気を吸うだけで不快なのよ」

「ちょっとお兄様に気に入られているからって、調子に乗らないでよね」

「……っ」

「これ以上、わたくし達の勉強の邪魔をしないで」

 どうやら、声から察するに室内に居るのも、また若い娘達らしい。しかも、目の前で倒れている娘に辛辣な物言いをしている。

 さすがに、これは放ってはおけんな。

 あまりにも目に余る状況にムカついて、一歩足を踏み出そうとしたら、転がされた娘と目が合った。――む?


 黙っていろ、と?


 婚約者殿と似たアマデウスの色合いの瞳は、まるでそのように言っているようだった。それに、室内にいる娘達はわたしの存在に気が付いていないようなので、これも知らせるなと暗に秘められているような気がする。

 それならば、致し方ない。わたしの性には合ってないが、ここは大人しく待っていよう。ついでに、今にも取り乱しそうなシルヴィオにも目配せをして黙らせた。

「……お姉さ」

「誰がそう呼んで良いと言ったかしら?」

「貴女を妹だなんて、わたくし達は認めてないわ」

「そ、そんな」

「王宮からさっさと出てお行きなさい!」

 身も蓋もない言葉を投げ捨て、それと同時にぴしゃりと扉が閉められる。見ているこちらが不愉快な気分になるぐらいだったのに、扉が閉じられた途端、目の前の娘はため息を吐き出した。

「あ、だ、大丈夫か?怪我はないか?」

 なにせ、どれだけ力強く押されたのかは分からんが、勢いよく倒れ込んできたぐらいだ。わたしよりも華奢な身体は、今にもどうかしたら骨が折れてしまいそうだった。そんな心配をするわたしに、苦笑いを浮かべて首を振る。それと同調するかのように、二つ結んだ地平線に落ちる夕焼けの色をした髪が上下に揺れた。

わたしの髪も珍しい色合いだが、この娘もまた充分珍しい部類なのだな。

「ありませんわ。どちら様か存じ上げておりませんが、この事はご内密にして下さると」

「あ、ああ。もちろんだ」

 胸を張ってそう言ってのければ、わたしとは違い、今にも手折れてしまいそうな可憐な花は、明らかにホッとした様子を見せた。

 おっと、それよりも先にか弱き少女をいつまでも廊下に座らせたままではいかんな、と手を差し伸べる。

「申し遅れた。わたしは、トリエンジェのエトワール・アルフ・ワ・ライラだ。それから、後ろにいるのはわたしの従者のシルヴィオ・ラフーレ」

「……え?」

「ん?」

 何か、対応を間違えてしまっただろうか?

 そう思えるぐらいに、彼女は先程までの弱々しい態度から一転、顔に剣呑な色合いを帯びていく。その様子は、天敵に遭った時の砂トカゲのように戦慄いていた。

「トリエンジェという事は、お兄様の……そう、貴女でしたの」

 お兄様……という事は、彼女は婚約者殿の妹君だという事か?

「失礼、ヒューバート様の妹君で」

「貴女の助けなど結構よ」

「それは失礼」

 差し伸べた手を軽く払いのけながら、さっと立ち上がったところをみるに、どうやら彼女は見かけによらず気が強い性格のようだ。星読みの連中にも気が強い者が多いので、慣れてはおるが。

 婚約者殿の妹君という部分は、わたしにとってかなり痛い。

「いっておきますけれど、これ以上ここに滞在されていても無意味ですわよ」

「……と、いうと?」

 わたしよりも、後ろのシルヴィオの方が問い返すのが早いのは何故なんだ。まあ、よいが。

「兄には、想い人がいらっしゃいますもの」

「!!」

 そんな……なっ、なんという事か!!まさか、もうこの短期間の内に妹君にも婚約者殿のシルヴィオへの愛に気が付かれていたとは!勝ち誇ったような笑みを浮かべられているのはよく分からないが、これは一気に仲良くなるチャンスではなかろうか!よし。ここは、距離を詰めるべき。

 そう思うと同時に、シルヴィオから距離を取って妹君に体当たりするぐらいの勢いで彼女のその華奢な体へとくっつく。占星の妨げになりやすいので他人と接触するのは苦手なのだが、この際やむを得まい。

「なっ、何なのっ!?」

 当然、驚かれるのも致し方ないだろう。可愛い瞳をいっぱいに開いて驚かれてしまったが、気にせず彼女にだけ聞こえるような声で続ける。

「うんうん。わたしも、よぉーく知っておるぞ!こん、ヒューバート殿が如何に相手を想われておるのか、充分心得ておるわ」

「えっ!?なに、どういう事なの!?」

 フフフ。どうか、安心して落ち着かれよ。

 今のわたしは、とにかく婚約者殿がシルヴィオに懸想中でも、嫁として心が広いというところを伝えたいのだ。

「男ながらにあれだけの器量よしは、そうそういるはずはない」

 そして、相手が誰なのかという事もばっちり把握しておる、とさり気なく言外にちらつかせるのも忘れてはいない。どうだ、アルテミオ御師の教えを無駄にしてはいまい。

「そ、そうなのね。……そこまでご存知だったなんて」

 愕然とした表情を浮かべて、彼女は不意に視線を逸らしたかと思うと、先程の敵意を霧散させて困ったように微笑んだ。

「さきほどは、失礼な態度を取ってしまい大変申し訳ありませんでした。わたくし、この国の第四王女のアメリア・コールフィールドと申します」

 ああ、なんと。話の通じる娘よ!これでようやく対等に話が出来るというものだ。それだけでも大きな成果だといえよう。内心でホッとして、肩の力を少しだけ抜く。

「先程も名乗ったが、わたしはエトワール・アルフ・ワ・ライラだ」

「……それで、その。兄には意中の相手がいると分かっていて、どうしてこのような?」

 このような?とは、まだここに居るのかという意味合いだろうか。

 将来の夫の事をもっと知りたいと思うのは、いけない事だろうか?――これは、わたしの曇りのない本音だ。しかし、相手を翻弄させる事も王族としての素養の一つだとアルテミオ御師は説いていた。特に、女子同士ともなると会話も時に争いに変わるという。

 そこは、何としてでも避けるべきであるのは必須。

 だから、今はそれを隠すべき嘘を用意せねばならん。嘘、嘘……ああ、そういえば!

「これ以上、悪人をのさばらせる訳にはいかないのでな」

「え!?そんな深い事情が」

「そうなのだ」

 あの両替商の奴らを懲らしめん事には、ここで自由に動き回る事もままならんのでな。ならば、当初の計画していた通りに奴らの悪事を暴いてから、もう一度改めて婚約を申し出てみるとしようじゃないか!



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