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「弱点とかはありそうでした?」
今度は俺が訊いた。
「どうだろう。ただ人間にとって心臓にあたる器官はあると思う。でないとあんなに激しく動けないだろうしさ。捕まえて解剖するのが手っ取り早いんだろうけど、まぁ僕には無理な話だからなぁ。でも深く考える必要はないと思うよ。今回はあの怪物の奇襲攻撃で甚大な被害が出ているようだけど、自衛隊ならなんとか出来るんじゃないかな」
「私にもあいつらを倒せますか?」
三上の言葉には明確な殺意が含まれていた。さすがに田中さんも気圧されたらしい。
「あ、危ない仕事は自衛隊に任せよう。こういう時のために税金を払ってるんだからさ」
自衛隊。そんなのが本当にこの街に来るのか?
そして化け物たちと殺し合いを始めるのか?
なんだか実感がわかないな。
「うわっ!」
宇崎さんの大声に体がピクンと緊張した。
川沿いの道を走っていたんだけど隣町へ続く大橋が車で埋め尽くされていた。
しかもあの化け物もうじゃうじゃといて、体の小さな穴をピカピカと光らせながら触手に付いた爪で車を引っ掻いたり叩いたり、そして時には車中にいる人間や逃げようとする人間を突いたりしている。
「ヤッバ! ヤベェ、逃げよう!」
騒ぐ田中さんの声を耳にしながら宇崎さんは険しい表情で橋の惨状を見つめていた。
警察官としての正義感と何も出来ない無力な現状にやりきれない思いなんだろう。
「い、今は、外と連絡を取るのが最優先のはずです。ち、ち、違う道を探しましょう」
声が震えた。
だって悪い言い方をすると、橋の上の人は見捨てよう、って話だ。いくら俺に市民を守る義務がないとはいっても良心はある。




