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訳ありな南柏祭準備 前編

金城誠のせいで南柏祭の実行委員をやらされるはめになった僕は、学校をサボることを決意する。

やっぱゆっくりしてられるっていいね。

ピンポーン

ピンポーン

ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン

ドアを開けると美少女が立っていた。

超能力者かメンタリストかよ本当に…

「何してんのお前」

「あら奇遇ね。たまたま通りがかったのだけど白沢君もそろそろ登校する時間かしら」

「インターホン連打しといて何言ってんだよ」

「通りがかったと言っているのだけど」

「いやここマンションだし」

「まだ着替えてないみたいね。早く着替えないと遅刻するわよ」

駄目だこいつ。

こいつになんか意見しようとする時点で不毛な行為だった。

どれくらい不毛かというと絶対凍土の地で二毛作をするくらい不毛だ。

アニメだったらここでOPに入って学校にいるのかもな。

早く着替えてこよ。


朝から美少女に最悪な目覚めを味合わされた。

そしてこれからは、実行委員の仕事があるのだ。引きこもりには辛かったな。

どうやら今日から本格的に準備を始まるようで、放課後の教室ではたくさんの生徒がいろんなモノを作っている。

「誠うちのクラスって何やるんだ?」

「今朝のHR寝てたのかよ。舞台だよ。演劇っていうの?」

寝てたことは否定しない。

「そうか。頑張れよ」

さりげなく応援してるよアピールをできるようになるまではコミュニティ能力が回復した。

ポケットなモンスターのポケットなセンターでテンテンテレレンとしてもらっただけある。

「頑張れよって。勇が主役やるんだけど」

「ふえっ?」

思わず声が漏れた。

落ち着け落ち着け。

逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ。現実から逃げちゃダメだ。

「お、お前それは寝てるあいだに決まってたじゃすまないぞ…」

「だって勇と黒川さんが先生に呼ばれているあいだに決まったからな」

人生にそんなたくさん転機は必要ない。

どこだ、どこでターニングポイントを間違えた。

フラグ回収のし忘れはどこだ。

探そうと思ったがやめた。


きっと一番の原因は、入試の当日だ。


いや。もっと前からかもしれない。

ただ、気に食わないので黒川のせいにしておく。

分岐を間違えたのなら仕方ない。とりあえず黒川の気が済むまでの学校生活をコミュニティ能力回復の糧にしよう。

「で、僕が主人公だとして、どんな劇をするんだ?」

「勇が王子役の恋愛系を軸にしてこれから構想を練っていくらしい」

ぐはっ!恋愛系だと…

未だかつて恋愛経験のない僕にそんな苦痛を…

諦めるな。YDKだって何度も言われてきただろう!

「それじゃあヒロインは誰がやるんだ?」

「俺だけど」

何食わぬ顔ですらっと言ってのけた。

「もう一度聞く。ヒロインは誰がやるんだ?」

「だから俺だけど」

最後の確認。

「最後の確認だ。もう冗談はいらない。ヒロインは誰がやるんだ?」

「俺」

僕のコミュニティ能力の回復は諦めます。それ以前の問題でしたね。僕が悪いですね。

「クラスの女子たちが、主人公が勇に決まったらすぐに俺にヒロインを押し付けたんだ」

これが今話題の腐女子と言うやつなのか。婦女子なら良かったのに。

「誠は断らなかったのか?」

「断ったさ!でも女子だけでなく一部の男子も推薦してきたんだ…」

まさかこのクラスには、腐女子だけでなく腐男子もいたなんて…

南柏葉高校おそるべし。

教室をよく見ると隅の方の机に女子が何人か固まって話している。これが台本を作っているグループなのだろう。

さぁここでこのグループがどのような会話をしているかお聞きいただこう。

「金城君と白沢君の二人のイケメンが当たり障りのないことを舞台の上でやるのはどう?」

「それいいね!でもやるならいっそ当たり障りがあるくらい思いっきりやろうよ!」

「でも(自主規制)とか(自主規制)(自主規制)(自主規制)とかもいいんじゃないかな?」

オワカリイタダケタダロウカ。これが自分の事を言われていると思って、もう一度考えて欲しい。

地獄である。きっと先生が規制をかけてくれるだろう。

ほら、先生来た。言ってやってよ!こういう時以外活躍ないんだから!


グッ!と親指を立てて顔はキリッとしていながらも笑いをこらえている。親指を立てた指を戻すと教室から出ていった。

おいいいいいいいい!!規制はどうした!南柏葉高校はどんだけフリーダムなんだよ!(自己規制)とか(自己規制)とか普通に言ってたぞ!!!

左で肩を震わせ、吹き出して笑いたいのを我慢している奴がいる。

黒川嶺華、お前は七代先まで呪ってやるからな。





はろーまいねーむいずくー

今回はあとがきはほとんどなしです。

これからも読んでくれると嬉しいです。

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