「訳ありな引きこもり」
はろー!まいねーむいずくー!
はい。
すいません。どうもくーです。みんなもラブコメしたいよね?でも、僕の人生はあまくない。わかる。すごくわかる。
そんな状況をさらに悪化させて極端なお話に。そんな最悪な状況でのラブコメを生暖かい視線でゆったりねっとり読んでもらえれば幸いです。
第一章ではあまりラブコメ要素は少なめです。てかゼロにちかいです。これから発展してくので楽しみにしててください!
僕の目の前には、両手に斧を持ち黒いオーラを身にまとい仁王立ちをする巨大な影。
ミノタウロスだ。
こちらを確認すると、太い腕で斧を振り上げる。
狩りの始まりだ…
「僕も一応学生なんでもう落ちますね。お疲れ様でした!」
真顔でチャットに打ち込む。掛け時計に目をやると針は深夜の2時を指していた。丑三つ時って何時だっけ?どうでもいいか。
クロさん今日は来なかったなぁと今日の狩りを振り返る。
クロさんは、全身真っ黒な鎧をつけて大剣の最高強化状態の武器を使う超前衛タイプのプレイヤー。それに対して僕は、全身真っ白のオーブを着て長距離からの攻撃や支援を担当する。
僕があんまりすごそうに聞こえないから付け加えよう。
僕は、狩りのゲームメイクを担当する。つまりは司令塔だ。なんか司令塔ってカッコイイよね。まぁそんなことはさておき僕とクロさんはよく「武力の黒。頭脳の白。」と呼ばれるくらいこのゲームでは有名なんだぞ!
そんな戦い大好きのクロさんは毎日10時にログインして12時にログアウトする学生だ。因みに僕は割と仲が良い。そして勘違いしてると思うけどクロさんは女性だ。
そういば明後日に試験があるとか言ってたな。僕とは大違いだ…
そんなことを考えながら眠りについた。
ドタバタドタバタドタバタ
ドタバタと井戸端って似てるよね。関係ないか。
隣の部屋の騒音によって叩き起される。
掛け時計は8時を大きく過ぎている。このあたりの学生なら既に「行ってきまーす」と玄関を開ける時間だろう。なるほどね。
遅刻しそうだから慌ててるわけだ。真実はいつもひとつ!キリッ
薬で小さくなった名探偵並みの推理力を発揮してしまった。
ドタバタドタバタドタバタドタバタ
騒音はなり止まない。そんな中僕は優雅にコーヒーを淹れる。
砂糖と牛乳たっぷりいてるのが僕の流儀。
冷蔵庫から牛乳をとろうとする僕、白沢勇太高校2年生。なに?自己紹介が遅いって?
そんなに僕のことに興味無いくせに。
僕は独り言を言いながらやけに軽い牛乳パックを手に取る。
空っぽ
そう言えば昨日使い切ったんだっけ。僕は牛乳が入ってないコーヒーは朝に飲みたくない。ただでさえハードモードでプレイしてる人生がいつも以上に苦く感じられるからだ。
いくら近くのコンビニで牛乳を買ってくるだけでも秋の訪れを感じさせる冷たい風が吹くなか上下スウェットで行くのはちょっと寒い(ファッションセンス的にも)。でも僕はこのまま行く!洗濯物を増やさない僕はマジでエコロジー!!…
玄関を開くとちょうどドタバタと騒音を響かせていたお隣さんのドアもガチャと鍵をあけ扉を開く音がする。タイミング最悪。
お隣さんも僕に気付いたらしく会釈でもするかな?と思ったらギロと僕を睨見つけたと思ったらスタスタと早足に歩いていってしまった。その急いでる足取りには、遅刻への焦りだけでなく怒りを感じられる。
僕なんかしったっけ…
考えるもののすぐに思考を不時着させる。そうかツンデレなのか!じっちゃんの名にかけて謎を解いてみせた。やれやれだぜ。
そんな自称ツンデレなお隣さんは黄坂芽衣僕と同じ高校2年生。
幼なじみだ。昔はよく遊んで「うちね、大きくなったらお嫁さんになるの!」とか無邪気に話してた面影は無くなっている。
いつからツンデレになったんだろ。
多分高校に入学してからかな…
僕はドアに手を掛ける。しかしなんか忘れている気がする。
「牛乳を買いに行くんだった…」
夏の終わりの蒸し暑さとカラッとした風が吹く妙な季節。僕は学校ではなくコンビニへと向かう。
読んでくださりありがとうございます。
さぁ突然ですが青春てありえるんですかね?
僕は、そんな甘い経験をしたことがないしわからないですよね。そうか僕は人生をハードモードでプレイしてるのか!∑(゜Д゜;)
きっとそうだ!顔がイケメンじゃないのは難易度選択をミスったからだ!
いや、まてよ。もしかしたらもう一回プレイしてて難易度「かんたん」じゃ楽すぎたんだな。でもいきなり難易度「むずかしい」にしたら甘い生活はできないよ!1度難易度「ふつう」を挟まないと!
もし、今青春を謳歌してない人達はもうそのゲームをクリアしてるのかもしれませんね。
これからも訳あり問題児白沢くんをよろしくお願いいたします!