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ケモノ学園の脇役事情  作者: 黒崎 架那
Play1 fate can't escaped
7/8

06「子虎×水城」

私が立ち去ろうとした時、それは起きた。


「……恋音ちゃん。こんな所でどうしたのです?

早く行かないと、授業に遅れてしまいますわ」

「水城さん……。すみません。今そちらに行きますね」


そう言って向かおうとすると、小虎葵に腕を掴まれた。


「……離して下さい」

「みず、き……」

「?」


彼の目には恐怖が映っていた。

どういう事だ?もしかいして、二人は知り合いなのだろうか。

だが、水城さんは彼を知らない様子。彼を見ても何の反応もなかった。

ということは、小虎葵が一方的に知っている。という事だろうか。

だが何故、彼は水城さんに恐怖しているのだろうか。


(というか、痛い……)


掴まれている腕がすごく痛い。多分、痣になっているくらいに。

そろそろ本気で離して欲しいので、手を振り払う。


「痛いです。いたいけな女の子の腕を強く掴むとは、何事ですか」

「……ぇ?あ、ああ……ごめんなー。

いやあ、ちょっとばかし、力が入ったみたいだなー!ごめんごめん!」


小虎葵は我に帰ると、笑顔で謝ってきた。蹴りたい。

イケメン嫌いだ。何と無く嫌いになった。今。


「恋音ちゃん、行きましょう?」

「は、はい……」


水城さんに呼ばれ、今度こそ私は立ち去る。

小虎葵が私に視線を向けていたことにも気づかず……。


【小虎葵視点】

ーー水城。

その名を聞いた瞬間、憎悪にも恐怖にも似た感情が俺を支配しようとした。

思わず恋音って子の腕を強く掴んだみたいだ。

とても嫌がられた。この子は不思議だ。

昔から俺は人に合わせるのが得意な方だ。大人も騙せる。

でも、コイツの前だと素の自分を出したくなる。


『東京に行ったら、関西弁は一切使うな』


親父の言葉。どうしてそんな命令をされなのか不思議だった。

極道小虎組の嫡男の俺がどうして生まれ故郷の言葉を使ってはダメなのか。

今、何となくわかった気がする。水城に"バレ"ないためだ。

考え事をしながら適当に言ってると、恋音って子たちは行ってしまった。

この気持ち悪い気持ちと、変な気持ち。

次に会ったら訊かなきゃいけない気がする。

その日まで、自分で考えよう。俺自身のことも含めて。

イケメン…‥ナニソレオイシイノ

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