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ケモノ学園の脇役事情  作者: 黒崎 架那
Play1 fate can't escaped
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03「犬種 遥との出会い」

下手くそだ……私すごく下手なんだ……

え?分かってましたか。そうですか……

結構飛ばしたなーって思った。

私って混乱すると結構飛ばす癖があるんだよね……。

翡翠は優秀だから分かったんだろうけど、次からは気をつけないと。

それにしても、翡翠が私から離れなかったのは嬉しかった。

例え将来私のものでなくなるとしても、あの時のあの台詞は一番嬉しい。

機嫌がよかった私は、ベッドに入るとすぐに眠ってしまった。

夢には、高等部に上がった翡翠と"彼処"でお茶会をするのを見た。

そこでの私はとても幸せそうで、嬉しかった。


***


今日から普通の授業になる。

それにしても、本当に無駄に広い……。

初等部は木造建築で、最新の技術も使用されているらしいが全部似たような場所ばかりなので覚えていないと迷ってしまう。

現に私が迷ってしまった。はあ……。

翡翠とははぐれるし、人気はないしでもう泣きそう。


「もういっそ、サボってしまいたい……」

「どうしたの?サボりはダメだよ」

「っ!?あっ!」


歩きながら独り言を呟いたら、庭から声が聞こえた。

そのせいで私は驚き、教材を落としてしまう。


「あ、ごめんね!拾うの手伝うよ!」


そう言って近寄ってきたのは……。


「犬、飼……先輩」


呟くと犬飼先輩こと、犬飼(いぬかい) (はるか)が嬉しそうな顔をした。

あ、眩しい……。

思わず目を細めてしまいそうになるくらいキラキラした笑顔だったので、私は一歩下がってしまった。


「えっ、どうして一歩下がるの!?僕、なにかした?」

「い、いえ……。ただ、先輩が眩しかっただけです」

「あ、なんだぁ。よかった。うん、よかった!昨日の今日でいきなり嫌われたのかと思ったよ〜」

「昨日の……今日?あ!もしかして……」


この眩しすぎる笑顔。綺麗なピンクを帯びたベージュの髪。


(昨日私を席に案内してくれた先輩!?)


気づかなかった。

まさか、思い出してすぐに出会った人が攻略対象だなんて……。


「す、すみませんでした……気づかなくて……」

「え?あ、うん……。大丈夫だよ、大丈夫。気にしないで?」


何故か訝しげで困った笑顔をされた。

犬飼遥は私の大好きだった人に似ている。

もちろん、前世の私だが。

犬飼遥は全ての教材を拾え終えると私に渡してすぐ、去ろうとした。

が、私は犬飼遥の制服の裾を掴んだ。


「え、えと……?」


犬飼遥は何が何だか分からないという顔をして見つめてくる。

赤面しそうな私、シャキッとしてほしい……。

意を決して、犬飼遥の目を見て自分が迷っているということを話した。


「あ、ああ……!ま、迷ってたのか。そっかそっか……。

えっと……これ……は、美術室だよね?えっと……」


先輩は丁寧に教えてくれた。

私はお礼を言うと急いで美術室に向かった。



「ふぅ……」


やっと終わった。美術は苦手だ。特に鑑賞は。

作者の気持ちなんか、本人じゃなきゃ正確には分かんないし。

想像で言って、間違えたくないし。

まあ、そんなことよりも。次は家庭科、か……。

小学一年にして料理の授業って……なんで。


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