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激戦! 護国兵卒懸命録  作者: 骨折ギプス
プロローグ
4/35

砲兵隊結成

 その日、全軍にある訓示が出された。

「今や、敵の空襲は苛烈極まり、我が国の損害甚だ多く、

 既存の組織を以ては之を防ぐこと能はず。

 この上は、陸海軍を再編成し、新たな組織を以てして、

 之を防がんとす。以下にその概要を示す。

 先ず、陸海軍に付属せる航空機は、之を両軍と別にし、

 新たに帝国空軍を編成す。

 第二に、海軍はその艦艇及びそれに付帯せる砲火器、

 陸軍はその歩兵部隊 及びその小銃等を除き、

 保有する部隊、その砲・火器を、その指揮下より外し、

 之により帝国砲兵隊を編成す。

 第三に、海軍軍令部・陸軍参謀本部に加へて、

 空軍管制本部及び砲兵隊統括部、

 これら四個の指揮本部より大本営を構成するよう

 指揮系統を再編成す。

 陸海空軍ともに砲の要有りし時は、砲兵隊に之を要請し、

 砲兵隊は適宜その部隊を派遣す。

 以上が主な変更点である。各自、之をよく把握し、

 目下訓練に努めて励むべし。」


要するに、砲火器の管理を一元化し、

備品管理及び整備・開発・運用等の点における

全作業の効率化を図ったのである。

この訓示を境に、日本軍の状況は大きく変化する事になる。

空軍により、陸海軍別々の新型機開発計画は整理統合され、

その結果、開発は迎撃兼制空戦闘機としての

「震電」・「烈風」、攻撃兼爆撃機として「流星」、

この三機種に整理され、

それ以外は全て廃止された。例外として、

二式飛行艇の改良型の開発は続けられた。

砲兵隊管理下の高仰角対空砲は全て、

その名称を「高角砲」に統一された。

そして、対空砲として優れた威力を持つ、

六五口径九八式一〇糎高角砲を陸上配備様に改造し、

新たに、四式一〇糎高角砲として正式採用した。

更には、四〇口径八九式十二糎七高角砲を長砲身化し、

正式採用した。こちらは、改良が年を越したため、

五式十二糎七高角砲という名称になった。

以後、高角砲は既存のものから、

三式十二糎高射砲・四式一〇糎高角砲・五式十二糎七高角砲の

三種類へと、随時変更されていった。

訓示後の防空面での運用効率化は顕著であった。

先ず、八丈島及び様々な島嶼の

電探レーダー等の索敵網より送られる索敵情報を

空軍・砲兵隊共通の対空管制部が処理し、

敵爆撃隊それぞれの重要度を判断する。

その後、緊急性の高いものに対してより重点的に迎撃、

敵を漸減する。その後、指定空域に対空砲の弾幕を集中し、

敵爆撃機を撃墜するのである。徐々に新型高角砲の配備も進み、

二月のB29の被撃墜率は23%にも及んだ。

これには後にあげる新型砲弾の影響もあるだろう。


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