戦闘開始
「さぁて、結局敵機来襲は誤報だったし、さっさと家に帰って夕飯を食べ」
スコット少佐がそう呟いた瞬間、基地に再び警報が鳴り響いた。
「陸軍航空隊より報告!敵機発見、
現在交戦中!当該隊員は至急応援に迎え!」
スピーカーからそんな声が聞こえた。
「敵機発見?まさか、ホントに居たってぇのか?」
そう言いながら、彼はまた戦闘服を着て滑走路へと走っていった。
その頃デイビス中尉は――
撃墜されて、パラシュートにて脱出中である。
肩書きこそ中尉だが、実戦経験は皆無に近かった彼は、
手柄を求めてがむしゃらに突撃し、あえなく撃墜されたのだ。
他のP40達も苦戦している。
弾幕を集中させるため、五機の二式飛行艇は密集隊形を取り、
必死に防御砲火を放ってくる。
ただでさえ、二式飛行艇の防御火器は重装備である。
それが集中して弾幕を放っていれば、
いかに戦闘機といえどもうかつに近寄れば、その餌食となるだけであった。
現に、真っ先に撃墜された隊長機の他に、早くも四機が撃墜されている。
これは致し方ないことなのだ。
精鋭パイロット達は当然前線に駆り出される。
後方基地に残っているのは、
練度で言えばまだまだなパイロット達なのだから。
残る五機も、半数が撃墜された今となっては、恐れをなし、
ただ爆撃隊の周りを飛び回ったり、射程外から機銃を乱射したりしている。
そうこうしているうちに、
おそらく満タンにしてこなかったであろう三機が、
燃料切れのため引き返した。
それを見た他の二機も、不利と悟るやすぐに引き返していった。
海軍航空隊は、まだ来ない。
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