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激戦! 護国兵卒懸命録  作者: 骨折ギプス
本編?開始
23/35

硫黄島決戦 中 中

日本軍には、武器・弾薬の他にも深刻な欠乏状況にあるものがあった。

水である。

元来この硫黄島において、水というのは雨水だけであった。

やっとの思いで日本が掘った、島唯一の井戸も、

今はアメリカ軍に占領されてしまっている。

硫黄島は火山島であるが故に、地下壕の中は過酷な暑さである。

水不足というのは、この状況において致命的であった。

そのため何度も「水汲み決死隊」が編成され、水を汲みに行った。

しかし、必死に水を汲もうとする日本兵に対して、

アメリカ軍の攻撃は容赦しなかった。

その機関銃は片っ端からなぎ倒し、速射砲は体ごと吹き飛ばし、

火炎放射器は火だるまにし、戦車は蹂躙して踏み潰した。

あたりは、日本兵の四散した肉片、押しつぶされた死体、

炭と化した死体等で埋め尽くされた。

数え切れない程の機関銃・速射砲・戦車・

火炎放射器・迫撃砲等の強大な武器の前では、

コップ一杯の水でさえ、その何十倍もの血と引き換えであった。

戦時下、石油事情が非常に苦しかった日本では、

「ガソリン一滴血の一滴」という標語が唱えられたが、

この硫黄島では、「水の一滴人間一人」であった。


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