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激戦! 護国兵卒懸命録  作者: 骨折ギプス
本編?開始
19/35

小野田の胸中 上

そして今に至る。


青木が今回の作戦に並々ならぬ思いを抱いている理由、

それはこの作戦が、想い人、

佳奈子の仇討ちを兼ねているからであった。

必ずお前の仇を討つ、

その思いが吾郎の中で激しく燃え上がっていた。


吾郎少佐が搭乗している隊長機の操縦士は、

彼が一番信頼を置いている部下、

空襲の際、真っ先に駆け付けた小野田幹介少尉である。

彼もこの作戦には特別な想いを抱いている。


それはあの空襲の日、

迎撃のため仲間達が次々と離陸している時であった。

小野田の愛機のエンジンが、突如黒煙を吹き出した。

急いで整備員たちが駆け寄り修理を施したが、

結局間に合わなかった。

原因はオイルパイプのパッキンの不具合だった。

これは当時の日本の資源事情の影響によるもので、

整備員達の怠慢ではない。

それが分かっているだけに、小野田は何も言えなかった。


それだけならまだ良かった。

小野田には、尊敬する青木少佐の他に、唯一無二の親友、

神谷英司少尉がいた。

お互いに腹を割って話しあえる、まさに心の友であった。

出撃できなかった小野田は、せめて神谷の無事を祈り、

その帰りを待っていた。

だが、次々と着陸する友軍機の中に、どんなに目を凝らしても

神谷の乗機は無かった。

その後も二時間、三時間と小野田は待ち続けた。

しかし、いくら待っても神谷が帰還することはなかった。

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