表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
激戦! 護国兵卒懸命録  作者: 骨折ギプス
本編?開始
18/35

青木の胸中 下

 それ以来、吾郎は魂を抜かれたようだった。

何を聞かれても上の空で、その顔には生気の欠片もなかった。

そんな吾郎が再び生き返ったのは、二月二三日のことであった。

その日、吾郎は上官に呼び出され、司令室に来ていた。

彼を待っていたのは、この基地の司令、林寛次郎大佐であった。

「よく来てくれた。まぁ、座れ。」

「了解。」

「そんなに固くなるな。全く、なんだ最近の様子は。

 他の隊員達も心配しているのだぞ。」

「申し訳ございません。」

「その、なんだ、聞くところによると、お前、

 先日の空襲で、想い人を亡くしたそうじゃないか。」

「はい、その通りであります。」

「お前の気持ちはよくわかる。

ワシも空襲で甥っ子を亡くしているからな。

だが、いつまでも悲しんではおれん。一番の供養は、

精一杯仕事に打ち込むことじゃ。そこで、お前に話がある。」

「はい、何でしょうか。」

「上層部で、来月重大な作戦計画を実施することが決定された。」

「重大な作戦計画、ですか?」

「米本土爆撃計画、だ。」

「ッ!米本土・・・爆撃計画。」

「そうだ、そしてこの作戦は航続距離の関係で片道特攻となる。

 そして今志願者を募っているところだ。

 どうだ、お前も参加してみないか。

想い人の仇を討つ良い機会かもしれん。」

脳裏に息絶た佳奈子の姿、そしてあの日の悔しさが蘇る。

「是非っ、ぜひ私にやらせてください!」

気づいたときには、吾郎は勢いよく参加を申し出ていた。


感想・評価

辛くても、それが支えになるので、

どうぞよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ