米本土爆撃計画
改造といえば、二式飛行艇の改良型の開発は、
帝国空軍主導の下、順調に進んでいた。
その狙いは-----米本土爆撃である。
二式飛行艇は、日本軍が保有している航空機の中で、
実験機を除けば、随一の航続距離を誇る。
胴体や主翼にある計一四個の燃料タンクには、
全て防弾処理がなされており、
その燃料総容量は一七〇八〇リットルにも及ぶ。
二式飛行艇の航続距離は、二二型において、
偵察過荷重時(燃料を過積載しているという事)でも、
八二二三キロメートルである。
東京とニューヨーク間の距離は
およそ一〇八五〇キロメートルであるから、
片道特攻覚悟で行っても、当然足りない。
北アメリカ大陸の西海岸ならば、
何とか届かない事もないのだが、
厭戦気分を流行らせ、一刻も早く戦争を終わらせ、
講和に持ち込むには、
やはり、首都ワシントンD.C.及び
ニューヨーク等がある東海岸を爆撃する他ないのである。
これには、概算で三〇〇〇キロメートル程航続距離が不足している。
どうするのか。
答えは簡単、途中で燃料を給油してやればいい。
史実でも実際に行われた、「潜水艦補給」である。
以下はその方法である。
まず、潜水艦の甲板を改造し、専用の燃料タンクを設置する。
そして、その潜水艦は指定時刻に、指定海域に浮上する。
そこで飛行艇と会合するのだ。
その後給油を終えたら、潜水艦は直ちに退避し、
飛行艇は再度目的地を目指す。
このようにして米本土爆撃を敢行するのである。
今回の場合、指定海域はアリューシャン列島のキスカ島と、
ミッドウェイ諸島を結ぶ直線の中点辺り、
東経一八〇度・北緯四二度の地点である。
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