1/35
プロローグ
昭和19年12月
連日、敵の爆撃機が空を埋め尽くし、日本を焼け野原にしようと激しい爆撃を繰り返していた。
既存の陸海軍機では満足に迎撃できず、ほとんど成果をあげられずにいた。
排気タービン過給機を持たない日本のエンジンでは敵爆撃機のいる高度へはとても到達できない。
空気が薄すぎるからだ。
仮に到達できたとしても、満足に飛行できず、迎撃などできるはずもない。
震電や秋水などの高高度迎撃機も開発されているが、いかんせん開発段階である。
高高度を飛行する敵爆撃機の迎撃、これは陸海軍共通の、最大の懸案事項であった。
――この物語は、戦争末期、命をかけて家族を、また国民を守ろうとした人々の記録である。
感想・評価
辛くても、それが支えになるので、
どうぞよろしくお願い致します。