Episode7 The Unlucky Ticket
ある日、アルメスとライオは街を歩いていた。アルメスは、いつもはどこか神聖で真面目な雰囲気を持っているが、今日は少し違った。買い物をしに、賑やかな市場に来ていたのだ。
「ライオ、見て!今日は特別なくじ引きがあるのよ!」
アルメスは明るく言って、前を指さす。そこには大きな看板が掲げられていた。「今日のラッキーナンバーで豪華賞品ゲット!」と書かれている。
ライオがぼんやりと見上げる。「くじ引きか…でも、お前、運悪いからな。大丈夫か?」
「なに言ってるのよ、ライオ。こういうものは運を試すチャンスよ!私、運命に従ってるから…!」
アルメスは目を輝かせて、近くの露店に向かって歩き出す。
アルメスはお金を支払い、くじを引こうとしたその瞬間、手元が滑ってくじの箱がひっくり返り、くじが地面に散らばる。
「えっ!?あらやだ、こんなことに…!」
アルメスは慌ててそのくじを拾い集めるが、周囲の人々がざわつき始め、露店の主人も顔をしかめていた。
「どうしたの、あんた?くじが散らかってるじゃないか!」
露店の主人がアルメスに怒鳴る。
「申し訳ありません、すぐに片付けますから!」
アルメスが必死に謝ろうとするが、ますますトラブルが大きくなりそうな気配。
そのとき、通りかかったライオが目に入る。
「おいおい、アルメス、またやってるな…」
ライオは少し呆れたようにアルメスの元に近づく。
「ちょっと!ライオ、助けて!」
アルメスがライオに頼むが、ライオは手をひらひらと振って、「運が悪いねぇ、お前」と言いながら、くじの箱に手を伸ばす。
「なんだよ、どうせ俺が引けばうまくいくんだろ?」
ライオは軽くくじを引いて、そのまま引き抜く。すると、なんと、そのくじは一番高額な景品の当たりくじだった。
「おお、まさかの大当たりか…?」
ライオはくじを手に持ちながら、満足げに笑った。
「ツイてる奴が勝つんだよ。」
ライオは、まるで当然のように言い放ち、アルメスの困った顔を見ながら「ま、こういうのは運だよな」と肩をすくめた。
その後、露店の主人は驚きとともにライオに賞品を渡し、「おめでとう」と言う。アルメスは、その光景に呆れてしまう。
「全く…なんでいつもこうなるのかしら。」
アルメスは深いため息をつく。
「うーん、俺にかかれば、こんなもんだろ。」
ライオはにっこりと笑う。
「でも、私だって運命に従ったんだから…これくらいで大騒ぎしないでよね!」
アルメスが少しふくれて言うが、ライオはにやりと笑いながら言った。
「でもな、運命も運だろう?俺みたいに運だけが頼りの男もいるんだし、ツイてることに感謝しなきゃな!」