表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/15

Episode7 The Unlucky Ticket


ある日、アルメスとライオは街を歩いていた。アルメスは、いつもはどこか神聖で真面目な雰囲気を持っているが、今日は少し違った。買い物をしに、賑やかな市場に来ていたのだ。


「ライオ、見て!今日は特別なくじ引きがあるのよ!」

アルメスは明るく言って、前を指さす。そこには大きな看板が掲げられていた。「今日のラッキーナンバーで豪華賞品ゲット!」と書かれている。


ライオがぼんやりと見上げる。「くじ引きか…でも、お前、運悪いからな。大丈夫か?」


「なに言ってるのよ、ライオ。こういうものは運を試すチャンスよ!私、運命に従ってるから…!」

アルメスは目を輝かせて、近くの露店に向かって歩き出す。


アルメスはお金を支払い、くじを引こうとしたその瞬間、手元が滑ってくじの箱がひっくり返り、くじが地面に散らばる。


「えっ!?あらやだ、こんなことに…!」

アルメスは慌ててそのくじを拾い集めるが、周囲の人々がざわつき始め、露店の主人も顔をしかめていた。


「どうしたの、あんた?くじが散らかってるじゃないか!」

露店の主人がアルメスに怒鳴る。


「申し訳ありません、すぐに片付けますから!」

アルメスが必死に謝ろうとするが、ますますトラブルが大きくなりそうな気配。


そのとき、通りかかったライオが目に入る。


「おいおい、アルメス、またやってるな…」

ライオは少し呆れたようにアルメスの元に近づく。


「ちょっと!ライオ、助けて!」

アルメスがライオに頼むが、ライオは手をひらひらと振って、「運が悪いねぇ、お前」と言いながら、くじの箱に手を伸ばす。


「なんだよ、どうせ俺が引けばうまくいくんだろ?」

ライオは軽くくじを引いて、そのまま引き抜く。すると、なんと、そのくじは一番高額な景品の当たりくじだった。


「おお、まさかの大当たりか…?」

ライオはくじを手に持ちながら、満足げに笑った。


「ツイてる奴が勝つんだよ。」

ライオは、まるで当然のように言い放ち、アルメスの困った顔を見ながら「ま、こういうのは運だよな」と肩をすくめた。


その後、露店の主人は驚きとともにライオに賞品を渡し、「おめでとう」と言う。アルメスは、その光景に呆れてしまう。


「全く…なんでいつもこうなるのかしら。」

アルメスは深いため息をつく。


「うーん、俺にかかれば、こんなもんだろ。」

ライオはにっこりと笑う。


「でも、私だって運命に従ったんだから…これくらいで大騒ぎしないでよね!」

アルメスが少しふくれて言うが、ライオはにやりと笑いながら言った。


「でもな、運命も運だろう?俺みたいに運だけが頼りの男もいるんだし、ツイてることに感謝しなきゃな!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ