Episode8 Lucky Encounter at the Tavern
夕暮れ時、酒場は賑やかな笑い声で満ちていた。木製のテーブルには常連客が集まり、各々の飲み物を片手に話し込んでいる。
その中で一際目立つのは、メイベルが座っているテーブル。
彼女はにっこりと微笑みながら、隣に座る若い女の子に何かを話している。
「…そしてね、あの時、ライオが『ツイてる奴が勝つんだよ!』って言って、みんなを救ったのよ!」
メイベルは大げさに手を振り、声を張り上げながらライオの話をしている。
その横で、女の子は興味津々で頷いている。
「へぇ~、それはすごい!ライオってそんなに運が良かったんですか?」
女の子が目を輝かせる。
「もちろん!だって、彼はどんな危険にも運で切り抜けちゃうんだもの。」
メイベルが得意げに言う。
その瞬間、酒場の扉が開き、ライオが中に入ってきた。彼はふらふらと歩きながら、酒場の雰囲気にすっかり馴染んでいる。
「おー、俺の話で盛り上がってるな!やっぱり俺が登場すれば、場が締まるってもんだ!」
ライオは満足そうに言いながら、メイベルのテーブルに歩み寄る。
「ライオ、ちょうどいいところに来たわよ!」
メイベルは嬉しそうにライオを迎え入れ、女の子が「本物のライオだ!」と驚きながら立ち上がる。
「えっ、ライオさん!?あの伝説の…」
女の子は目を大きく見開いて、興奮気味にライオを見つめる。
「そう、俺だよ。」
ライオはにっこりと笑いながら席に着く。
「で、ライオ、あの時の話、続きは?」
メイベルがじっとライオを見つめる。ライオは肩をすくめて言う。
「えーっと、あの時は、俺が運で怪物の群れを切り抜けて、最後には金貨を手に入れたんだっけな。」
ライオはどこか誇らしげに言うと、女の子が感嘆の声を上げる。
「本当に、何でも運で乗り越えちゃうんですね!」
女の子は目を輝かせ、ライオを崇拝するような目で見つめる。
そのとき、酒場の奥から低い声が聞こえた。
「おや、賑やかなことだな…」
振り返ると、そこには街の領主、ルカス・ヴァルダが立っていた。
彼はしっかりとした貴族の衣装を着ており、場の雰囲気にまるで溶け込んでいる様子だった。
しかし、その目がライオに止まると、彼はにやりと笑った。
「お前がライオ・クレメンスか…噂には聞いている。」
領主が近づき、ライオをじっと見つめる。
「えっ、俺!?お前が噂してるのは、俺のことか?」
ライオは驚きつつも、すぐに笑顔を浮かべる。
「そうだ、君の運の良さが街中で語り継がれている。」
ルカス領主はにっこりと笑うと、周囲の視線が一斉にライオに向かう。
「それなら、今度こそ君に何か大きな仕事を頼みたいな。」
領主は手を広げ、ライオに向かって提案する。
「俺に!?何か大きな仕事って…」
ライオは一瞬戸惑うも、すぐに思いついたように笑う。
「そっか、俺が運を使って領主のために何かやるってわけだな!もちろん、運が良ければすぐに終わるだろうけどな!」
ライオは冗談交じりに答える。
「うむ、その調子だ。運が良い者こそ、難題を乗り越える者だ。」
領主は満足げに言い、ライオの肩を叩く。
「おお、すげえ話になったな。俺、ついてるな~!」
ライオは嬉しそうに言い、テーブルの周りが再び賑やかな笑い声に包まれる。
「まったく…どこに行っても目立つわね。」
メイベルが苦笑しながらも、ライオを見守る。
「ツイてる男が、さらにツイてる話を作るんだよ。」
ライオはにっこりと微笑み、酒場の空気がさらに盛り上がる。




