11(すみません。作者のミスで飛ばしていた話です。)
本当に申し訳ございません。
ごっそり、数話分を飛ばして私投稿していたようでした。本当にすみません(/ω\)
「少し準備をしてくる。レクスも着替えを済ませるといい」
「あぁ、分かった」
レクス様は朝食を済ませると部屋へと一度戻る。
それを見送ったアズール様は、私の手を引き私室へと入るとすぐに、壁に手をつき私を逃げられないように囲うと言った。
「シャルロッテ、昨日の夜、何があったのか話してくれ」
アズール様が怒っているように感じた。
怒らせてしまったと不安でいると、雷がごろごろと鳴りだしてしまう。
それにアズール様は小さく息をついた。
呆れさせてしまっただろうか……。
「シャルロッテ」
「ご、ごめんなさい」
とにかく謝らなければと思いそう口にすると、アズール様が優しく微笑み首を横に振った。
「違う。すまない。怖がらせてしまったか……そうではなくて、心配している」
「心配、ですか?」
「とにかく、昨日の夜何があったのか、教えてくれ」
私はうなずくと、昨日の晩のことを話した。
すると、話を聞いた後にアズール様は背を屈め私の肩に頭を埋めると、ゆっくりと息を吐く。
距離が近くて、緊張していると、アズール様が言った。
「なるほど。理解した」
「勝手なことをしてしまい、すみません……」
「いや。君は優しいからね。だが……」
顔をあげると、アズール様が神妙な表情で告げた。
「君は、自分の価値について今一度鑑みた方がいい」
私の価値……?
「美しく、聡明で、優しく、そして特別な能力を持つ公爵家のお姫様……頼むから、私の守れる範囲にいてくれ……」
アズール様は私のつむじにキスを落とす。
「遠くへ行かぬように……君を囲ってしまいたくなる」
自分の顔がゆでだこのように赤くなっていくのが分かる。
アズール様の瞳に熱がはらんでいて、どうしたらいいのか戸惑ってしまう。
その時、部屋がノックされる音が響いた。
「ローリーです。アズール様、シャルロッテ様、入ってもよろしいですか?」
アズール様と私は慌てて距離を取ると、返事をした。
「ど、どうぞ」
「あ、あぁ」
部屋に入室して距離感のある私達を見て、ローリーは少しにやにやしながら私にこっそりと告げた。
「あら、ちょっと喧嘩したのかなぁと思っていましたが、仲直りしましたか?」
「え? け、喧嘩? あの、喧嘩というわけでも……仲直りというわけでも……」
ごにょごにょと私が言ってると、ローリーは言った。
「ふふふ。たまにはいいと思いますよ? ちなみに私とダリルの喧嘩は物理です」
「物……理……?」
「ダリルはすぐに論詰めで私をねじ伏せようとしてくるので、私は腕力でねじ伏せます」
「え?」
「それでお互いにねじ伏せあった後に仲直りします」
「……ちょっとどういう状況なのかよくわからないわ」
「ふふふ。まぁ、違う人間同士ですから喧嘩もするって話ですよ」
そう言った後、ローリーはアズール様に向かって真面目な表情に切り替えて言った。
「レジビア帝国の者が数名、シュルトン王国内でこちらを探っているとの情報が入って参りました」
「……そうか。民はどうだ」
「皆が目になってくれています。同行はすでに監視済。最近のシュルトンの変化について探っているようです」
「……シャルロッテにいずれ目が向くだろうな」
「はい。国民の中ではシャルロッテ様がシュルトンに幸福を運んできた女神として称えられておりますから。また、リベラ王国のセオドア様が起こした一件についても調べられているようです」
「……そちらも問題だな……あの一件で渓谷に穴があけばそこから魔物が流入してくると分かったからな……だが、他国がもしその方法を選べば、他国もただでは済まない……むしろ魔物を止められず……人の世が終わる可能性もある」
「魔物そのものがい無くなればいいのですがね」
ローリーの言葉に、私はうなずく。
だが、魔物は人の理の外にいる生き物。それに干渉できるのは精霊や神といった我々よりも高位の存在なのだろうなと思う。
「とにかく、監視を続けてくれ」
「かしこまりました。またレクス様が支度を整えて広間で待っております」
「わかった」
ローリーは部屋から下がり、アズール様は私の頭を撫でると言った。
「シャルロッテ。とにかく、あまりレクスに近づきすぎないようにしてくれ、では、行こうか」
「はい……」
アズール様との間に微妙な空気感があったのが嘘のようだった。
喧嘩をしたわけではないけれど……。
私はちらりとアズール様を見つめ、これから喧嘩も経験していくのかなと思った。
その時は、ちゃんと仲直りできるようになれたらいいな。
ただ、私はローリーのように物理では戦えそうにないので、言葉で自分がどう思ったのかなどちゃんと伝えていけるようになろうと、そう思ったのであった。
広間へと行くと、レクス様が髪の毛を一つに括り、シュルトンの服に身を包んでいた。
「アズール。シエル。遅いぞ」
「待たせたな」
「すみません」
レクス様の護衛兼侍従様方は陰ながら見守っているとのことである。
彼らも大変なようで、レクス様は自分の周囲に寄ることに苛立ちを感じるようだった。
「お前ら、俺の目に移ったならば罰せられる覚悟を持て」
「「「ハッ」」」
かなり理不尽なように感じるけれど、レクス様はレジビア帝国を出て、今は羽を伸ばしているのかもしれない。
大国の王は責任も重いだろう。
私は王国同士仲良くあるためにも、またレクス様のためにも、シュルトンを楽しんでもらえたらなとそう思った。
「よし、まずはどこへいくんだ?」
楽しそうなその様子に私はアズール様と視線を合わせ、笑ったのであった。
今、確認作業をしながら投稿しています。読んでくださっている読者の皆様、本当にすみません。






