二人の時間 【天候令嬢発売記念】
読んで下さたt皆様に感謝です!
太陽の光を浴びながら、私は静かに空を見上げた。
「気持ちいいですねぇ」
そこへ心地の良い風が吹き抜けていく。
少し前まで曇天ばかりだったシュルトンが、今では晴れの日が多くなり、太陽が拝める日が増えた。
町の人々は空に感謝し、魔物が来ることがほとんどなくなり街は平穏になっていく。
騎士達は魔物達の今後の侵入に対処するために現在も忙しくしているけれど、それでも以前に比べれば平和に過ごせるようになったことで、騎士達の雰囲気も変わった。
今まで、シュルトンは常に心のどこかで皆が気を張っていた。
だけれども空が晴れ渡り、渓谷には魔物を防ぐ雨が降りに虹がかかる。
それを見れば、平和がやってきたのだと、街の人々は安堵し、そして少しずつ少しずつ緊張は解かれていった。
私とアズール様は定期的に一緒に王城の横にある丘まで来ると街を見つめながらのんびりとした時間を過ごす。
バスケット一杯に食べ物と飲み物を準備し、シートを敷いて、ゆっくりとした時間を過ごすのだ。
「シャルロッテ。いつもありがとう」
アズール様にそう言われ、私は微笑みうなずいた。
「いいえ。私は何もしておりませんわ。私こそ、アズール様や他の皆様に幸せをもらっていますから」
私達は微笑み合う。
アズール様に私は後ろからぎゅっと抱きしめられて、会話を続けている。
最近では一緒にいる時間は引っ付いていることがおおくなり、少しはしたないかしらとも思いながらも、私は出来ることならば、もっと引っ付いていたいなぁと思うようになった。
「アズール様」
名前を呼べば、優しい微笑みが返ってくる。
幸せだなぁと思いながら、私はそういえばと口を開いた。
「アズール様は、あの、トルトの実ですが、街の皆様そろそろ収穫が出来るようで、出来ればトルトの実を使ったお祭りをしたいんです」
「祭か」
「はい! 出来れば皆で美味しい料理に使いたいですね」
私がそう言うと、アズール様は少し考えてから言った。
「では、トルトの実料理フェスティバルなんてどうだ?」
その言葉に、私は瞳を輝かせた。
「まぁ! なんて素敵なのでしょうか! 色々なお料理を考えてもらえそうですね!」
「あぁ。シュルトンには名産品がまだまだないからな。街の一大イベントとしていけたら、さらにいいな。うん。またダリルにも相談してみよう」
「ありがとうございます!」
私はアズール様にぎゅっと抱き着くと、アズール様も抱きしめ返してくれる。
毎日を一緒に過ごす中で、シュルトンの歴史の一ページを一緒に作っていく。
それはとても幸福なことだなぁと、私はアズール様の逞しい胸に抱き着きながら、そう思ったのであった。
いよいよ本日天候令嬢発売でございます(●´ω`●)
どうかたくさんの方に手に取っていただけますように!
加筆たくさんさせていただいておりますので、よろしくお願いいたします(*´▽`*)
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