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シャルロッテのことが大好きな二人【天候令嬢発売記念】

アズールドキドキ(●´ω`●)


 シュルトン王国で平和な日常が過ぎていたある日のことであった。


 お父様から連絡があり、今日はお父様がシュルトンに一泊二日で来る予定となっている。


 なんでも国王陛下から転移魔法を使っても良いとの許可がおりたようで、私は朝から楽しみで、シュルトンで取れた材料で料理の準備をおこない、部屋も準備をしてもらった。


 アズール様は朝からずっとそわそわとしており、訓練が終わるとすぐに私の元へと来て、一緒にお父様が来るのを待っていた。


「ふふふ。アズール様、ありがとうございます」


「い、いや、俺の方こそ、こんなにそわそわしてすまない」


「いえ。でも、アズール様どうしてそんなに緊張を?」


「いや、緊張するさ。だって君の父君だぞ。……はぁぁぁ。緊張する」


「大丈夫ですよ。アズール様は素敵な方なので」


「シャルロッテ嬢……」


 そう、アズール様が私の手を握った瞬間のことであった。転移魔法が輝き始め、お父様の姿が現れた。


「お父様!」


 私がそう声を上げると、お父様の視線が私の手を握るアズール様へと向かう。


「……コホン」


 アズール様は手をパッと離すと、姿勢を正して言った。


「マロー公爵殿。よくいらしてくださいました」


「……アズール殿。今回は快く滞在を許可してくださりありがとうございます」


「いえ……その、では、まずは応接室へとご案内します」


「あぁ。ありがとうございます」


 あくまでも一国の国王であるからお父様も丁寧にアズール様に話しかけている。


 それを見て、私はくすりと笑うと、お父様の腕にぎゅっと抱き着いて言った。


「お父様! 私お父様にシュルトンを色々とご紹介したいんです。よろしいですか?」


 うきうきとしながらそう言うと、お父様が驚いたように目を丸くした。


「お父様?」


「い、いや……もちろんだ。色々と教えてくれ」


 私は大きくうなずくと、アズール様に言った。


「アズール様! お父様に畑を見ていただきましょう!」


「だ、だが、マロー公爵殿も、移動でお疲れなのでは?」


 アズール様の言葉に、お父様が首を横に振った。


「いえ、大丈夫です。シャルロッテ色々教えておくれ」


「はい!」


 私はお父様にシュルトンを紹介しようと、それから一生懸命に庭や、シュルトン王国の王城、それに城下街のことも伝えていった。


 シュルトン王国の近くに流れる小川の美しさや、渓谷の奥にある鍾乳洞の素敵さ。


 お父様に知ってほしかった。


 私は、シュルトンで幸せだと。


 そして時間はあっという間に過ぎていき、私は一時、晩さん会の準備のために部屋を下がることになる。


 時間が本当にあっという間過ぎて、私は急いで言った。


「すぐに帰ってまいります。ちょっとお待ちくださいね」


「あぁ。分かったよ。もちろんだ」


「ふふふ。行ってまいりますわ」


 私は急いで部屋へと下がり、晩さん会のための着替えなどの準備を急いで行い始めたのであった。


 その頃、残された客間にて、アズールとマロー公爵は向かい合って座っている。


 二人も晩さん会の準備はあるが、女性よりも時間はかからない。


 マロー公爵は、紅茶を一口飲み、それから表情を和らげると、机の上にことりとカップを置き、姿勢を正すとアズールに向かって頭を下げた。


「シャルロッテの父として、アズール殿に感謝を伝えさせてほしい。本当に……ありがとう」


 その言葉に、アズールは驚いたように目を見開くと慌てて自らも頭をさげた。


「こ、こちらこそありがとうございます。あの……シャルロッテ……嬢は、その、本当に素敵な女性なので」


「……あの子が、あんなに楽しそうな姿、いつぶりだろうか。楽しそうに笑って、ふざけて、すまない。ちょっと嬉しくて」


 マロー公爵は目頭を押さえると、しばらくうつむき、それから口を開く。


「嬉しいんだ。ありがとう……君と、このシュルトン王国のおかげだ」


「マロー公爵殿……」


「どうか、父と呼んでくれ。本当にありがとう」


 アズールはその言葉に、少し驚いたような顔を浮かべた後、微笑みを浮かべてうなずいた。


「父上」


「あぁ。すまない。こうした公の場でないときは、私も気軽に息子と思って話をしてもいいだろうか?」


「もちろんです」


「では、どうか父の言葉を聞いてほしい」


「え? あ、はい」


 アズールが姿勢をさらに正すと、マロー公爵は静かに、シュルトン王国への支援について話しを始めたのだ。


「ち、父上。あの、その、私も今後頑張っていきますので」


「それはもちろんわかっているが……娘が可愛いのだ。だから、父に、少しばかりの支援をさせてほしいのだ」


 少しばかりと言いつつも、かなりの金額が発生するであろうことは容易に分かる。


「大丈夫だ。全て私の私財から出すので問題はない」


「えっと、ですが」


「頼む。シャルロッテの笑顔がもっと見たいのだ」


「う……では、その、俺も一枚かませてください。俺もシャルロッテの喜ぶ顔が見たいです」


「アズール殿! もちろんだ!」


「父上!」


 アズールとマロー公爵はあつく手を握り合い、それからシャルロッテが喜ぶにあたって何をしていくか楽しく計画をしていっているのだけれど、シャルロッテはまだ、その事実を知らない。


「ふふふ。お父様とアズール様との晩さん会楽しみだわ」


 にこにことを楽しそうにするシャルロッテが、二人のやりすぎに怒るのは少し先のお話。


皆様読んでくださりありがとうございます!

今回は緊張するアズールと、マロー公爵が結託する決意の話でした。

二人はおそらく気が合います(*´▽`*)

ただ本当はもう少しやきもきするマロー公爵も書きたかった!いずれ書きたいなぁ~。

天候令嬢10月10日発売です!

少しずつランキングにも乗り始め、ドキドキ!

1冊でも売れているのを見ると、わぁぁぁ! うれしいぃっ!

とテンションが爆上がりします(/ω\)

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