第18話 開始。
一日振りでございます。
食事を済ませた俺たちは、休憩を挟んだのちショッピングモールを散策していた。
「やっぱりゴールデンウィークだからいつもより人通りがすごいな」
「確かに、でも今の時間帯皆んな飲食店エリアとかフードコートでご飯食べてると思うから、買い物自体はそんな混んでないと思う」
「なら今がお店をまわるチャンスね。といってももうついたんだけどね」
「この店か、姉さんにしては少し趣味が……」
「な訳ないでしょ。こっちよ!」
姉が指したのは、赤ちゃんの用品店ではなく、女性用の下着販売店だった。
「でもさ、俺の部屋のタンスに上下セットの下着あるよ?」
「確かにあれはフリルとかもデザインも格別だけど、下着にも用途があるのよ。それに今後もこういう店に行くこと考えたら最初のうちに慣れといた方がいいでしょ。ほら、行った」
「ちっ、わかったよ」
押されるがままお店の中に入っていく。
「すいません、店員さーん!サイズ測りたいんですけどメジャーありますかー?」
声に反応してくれた店員は、レジまで戻りメジャーを持ってきてくれた。
「お客様が測りますか?それとも私が測りましょうか?」
「お願い出来ますか?」
「かしこまりました。では試着室はお願いします」
少し丈のある靴を脱ぎ、カーテンをしめる。薄着にならないと測りづらいと言われたのでブラウスをだけ脱いでインナーの上から測ってもらった。
「ではこちらにメモしておきましたので、お好きなものをお選びください」
「あ、ありがとうございますー」
メモを受け取り、服を着直して試着室を後にする。
「どうだった?」
「そんなふうに見られても何もないぞ。少し新鮮ではあったけどさ。それよりこれ」
渡されたメモを姉にわたす。どうせ自分では決められないので、これが得策だろう。
「ふーん、見た目以上に大きいのね」
「あんまじろじろ見るなよ。それより遊王子は?」
「深春ちゃんも今の下着が合わなくなってきたから奥の方で先に選んでるわよ」
「お姉さん、あまり言わないでください!」
俺たちの会話が聞こえてたらしい。
「ごめんね、裕樹にバラしちゃった」
「もうお姉さんたら……」
遊王子の胸は決して大きくはないが、確かに去年プールに行った時より大きくなっているのかもしれない。
「ちょっと湊くんもそんな見ないで」
胸を隠そうとする遊王子だが、ちょっと逆効果になっている。そんなことを言うともっと言われるのでやめておくが。
「じゃあこうしよう、裕樹の下着は深春ちゃんが選んでいいよ。はい、サイズはそれに書いてあるから」
「それで許すわけ……」
「深春ちゃんが好みの下着で裕樹を襲えるチャンスよ」
俺に聞こえないように話しているので内容は分からないが、姉は恐らく何か企んでいる。これだけはわかる。
「わ、分かりました。今すぐは決められないので何日か時間ください」
「わかったわ。ということで裕樹、下着はネット注文しとくから後日受け取りましょ」
「別に良いけどさ。なら最初からネットで良かったじゃん」
愚痴を呟きつつ、店を後にする二人を俺は追いかけた。まではよかった。そこからが本当の地獄の始まりだった。




