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目的地が決まったので準備した件

いよいよ動き出します。今回はその為の準備です。

そうそう、AIには名前を付けた。”ヘルガ”と言う。言葉の端々にドイツ語っぽいセリフが挟み込まれているのでドイツ人ぽい名前にした。


 「安易なネーミングですネ。」顔を背けて言い放たれた。でも耳が赤い。気に入っているのだろう。VRなのに芸が細かいな。おい!


 彼女は突然、素の表情に戻ると「マスターにお話があります。」と告げてきた。


 「グランドマスターからマスターへの伝言デス。」


 「グランドマスターって誰?」、


 「マスターより更に高位の存在、至高の御方デス。」


 「なぜ俺宛だとわかるんだ?おれは偶然ここにたどり着いたと思うんだが。」


 「至高の御方の考えはわたくし達では理解出来ないものです。」


 これ以上、追及は出来ない様子だ。俺はあきらめて尋ねた。


 「何て伝言なんだ?」


 「”目覚めし者よ、東方連合のASO研究所を目指せ。”以上です。」


 「ASO研究所?って何所だ?」


 「1000年前のエウレシア大陸東方の連合軍に加盟する島国にあった兵器開発研究所です。」


 「衛星の画像からまだ建物はあるようですが、動きは見られません。」


 グランドマスターという輩は何者で、なぜ俺に伝言を残したのか?何故、ASO基地を目指せと言うのか?


 謎は深まるばかりだが、ここで何もせずに残ったところで俺のやるべき事はない。


 上等だ。ASO基地に行ってやろうじゃないか。


 「流石はマスターです。それでは出発の準備を進めます。」ヘルガは答えると、目の前からスッと消えた。


 俺はやることが無いので取り合えず目の前の焚き火の映像に見入るのだった。


 今、俺は元の場所(ヘルガ本体のサーバーの前)にいて、目の前には二人の人物が立っている。二人とも爽やかな人好きのする笑顔を浮かべている。


 「ジェームズです。VIP応対用執事型アンドロイドです。」白髪を後ろになでつけた初老の男性だ。服装はこざっぱりとした執事服に身を包んでいる。


 「キャサリンです!受付対応用型アンドロイドです!」金髪でショートカットのボブ、20代の元気で清楚な女性に見える。


 「で、この人たちは何?」俺はヘルガに尋ねた。


 「ASO基地については当基地から直線距離で約7,300km、到着までは1か月はかかると思われます。


途中、原住民の村や町で物資を補給しながら移動する必要があることから、コミニュケーション能力のある、人型アンドロイドを選びました。」


 なるほど、理にかなっている。


 「ただ、道中には魔獣や野盗に襲われるリスクがあります。対策は必要です。」


 自走台車に載せられた荷物が近づいてきた。大きな鎧のような物だ

 「基地にあった警備用パワードスーツを見た目フルプレートアーマーに見えるように改造しまシタ。戦闘時はこれをジェームズに装着させます。」


 試しにジェームズに装着させた。


 身長170cm程のなで肩の初老の男性が身長220cmの大男に変身した。


 なにこれ怖い。おれは思わず後ずさりした。


 「武装は高周波ブレードとマルチレールガンです。レールガンは口径を自由に変更出来ます。

弾丸が無い時は石ころでも発射できますが、命中精度が落ちるので近射程になります。」

ヘルガの解説は続く

 次に運ばれてきたのはマントと杖だ。


 マントは黒い光沢のある素材だ。杖は先端に拳大の水晶のようなものが埋め込まれている。


 「次はキャサリンの装備デス。このマントは耐熱、耐衝撃、防弾防刃仕様で中世期の兵器なら大半は防ぐことが出来ます。また、光学迷彩機能があるので周囲に溶け込むことも可能です。」


 「杖の先端の水晶状の飾りの中には自動追尾照準機能付きの高出力レーザー砲が隠されてイマス。」


 次は何やら大きな物が運ばれてきた。


 大きさは天蓋付きの2tトラック位だろうか。

 「馬車に偽装した高機動装甲車です。自走可能です。前後にはセントリーガンを2丁ずつ装備しています。自走時は時速100kmまでは出せます。」


 馬車には通常の馬の1.5倍位の巨大馬が一頭、つながれている。周囲の森から捕獲してきたらしい。


 ここで唯一の生き物だ。餌付けに成功したらしく、大人しくしている。

ロシナンテと名付けた。


 「そしてマスターです。」最後に俺の装備がドヤ声で告げられた。


 鏡に映る俺の姿は、懐かしのサミー号だった。


 「・・・。」無言でヘルガに圧力をかけてみる。


「侮ってはいけまセン。ボディーは高鋼度複合装甲で戦車に踏まれても壊れません。足回りもキャタピラーにして悪路走破性を高めました。メディカルキットとメンテナンスキットを内蔵しており、生き物も機械も修復作業が可能です。」


 「武装は50口径オートカノンを装備、弾頭は用途に応じて換装可能です。フルプレートメールなら5人並べてぶち抜けマスヨ。」


 「いや、俺は何で人型ではなくサミーなのかを聞いているのだが?」


 「基地内の各種機器でシミュレートした結果、マスターと最も適合性が高かったのが

サミーです。何の不満があるのでスカ。殴りますヨ?」


 「一応、俺はお前より上位者だったはずだけど。」


 「・・・。」答えが無い。無言の圧を感じる。


 「・・・。・・・。・・・。」


 「もう、いいや。」俺が押し切られた。


かくしてついに俺たちは外に出る事になったのだった。


やっと外に出る事が出来ました。

段々賑やかになっていきます。

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