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転生したのに身体が無かった件

はじめて投稿します。

素人なので小説執筆上の御作法など、よく分かっておりませんので不快な表現などありましたらご指摘ください。

 真っ暗な闇が徐々に薄れていく。白くぼやけた視界に色が付き、だんだんぼんやりとした焦点があってくる。


 どこかの部屋の中だ。壁紙は張られていないがつるつるした樹脂のような素材で天井の照明の光を受けてうっすらと反射している。


 俺は動こうとするが手足の感覚がない。周囲を見渡すだけしかできない。


 まるでVRゲームの画面を見ているようだ。いったい俺はどうなっているんだ?


 俺はあかつき れい38歳。


 ちょっと厨二っぽい名前だが、両親が男でも女でも使える名前で生まれる前から決めていたらしい。


 仕事は中小IT企業のシステムエンジニアだ。


 残業は多いが手当はきちんと出るし、土日はしっかり休めるからホワイトとは言えなくとも白に近いグレーの企業かな。


 彼女いない歴=年齢という寂しい生活。


 週末暇があれば山でソロキャンプするのが趣味で、今日もとある山中でソロキャンプをしていた。


 その時、急に胸に激しい痛みが走って気が遠くなり意識が・・・。もしかして俺は死んだのだろうか。


 所謂、異世界転生?召喚?でも、身体が無い。


 それに、こんな時は美人の女神様か白髪の優しそうな爺様の神様が状況を説明してくれるもんじゃないのか?


 ステータスオープン!って叫んでみた。何も起こらない。恥ずかしくなった。


 どうしろって言うんだ??


 ここは室内で窓もなく、外の状態が全く分からない。時計もない。


 部屋の中で色々と試してみた。


 部屋の天井3か所には監視カメラのようなものが設置されていて、頭の中でカメラに向かって視たいと念じると、対象のカメラの視点に切り替えられる事がわかった。


 視点を切り替えてみて幾つかのことが分かった。この部屋は4隅に監視カメラが設置されていて最初はそのうちの1台のカメラから見ていたんだ。


 この部屋はおそらく警備室の様なものではないだろうか?


 壁に大きなモニターがあり、数十個の小さな映像に分かれている。


 そこにはおそらくほかの部屋のものだと思われる映像が映っている。


 所々真っ暗な映像もあるが、その場所のカメラが故障しているにかもしれない。


 部屋の状況は分かったがさて、どうしよう。それ以上することがない。


 手詰まりだ。取り合えず、俺は周囲を詳細に観察してみることにした。


 部屋の隅に四角い箱状のものがある。高さは80cm、幅50cm、奥行100cmの直方体で、表面は鈍い銀色、照明の光を薄く反射している。


 表面塗装に極々浅いひっかき傷はあるがボディーは結構頑丈そうだ。


 今は金属性の棒のようなもので壁とつながっている。


 底の部分にはタイヤが装着されている。箱の側面には緑色のランプが点灯していて、大きく043とナンバーが書かれている。この機体のナンバーだろうか。


何かの機械か?動くのか?俺はその箱に注意を向けた。


 その途端、視界が暗転したと同時に頭の中に情報が流れ込んでくる。


 ”サミーインダストリアル製自律型マルチタイプメンテナンスマシンKM-25A型。製造番号JA302581/A”。


 これはあの機械の正体だろうか?その後もこの機械の取説扱い説明データが流れ込んできた。


 もしかしたら、この機械を操作することが出来るかもしれない。


 俺は流れ込んできた情報を元にこの機械に内蔵されているカメラを起動してみた。


 視界が明るくなった。周囲を見渡すと先ほどの部屋の風景。しかし視点が低くなっている。


 見上げたら4隅に先ほどまで俺に映像を見せてくれていた監視カメラが見えた。


 俺の意識がこの機械に乗り移ったのは間違いないらしい。


 俺はこの機体に”サミー”と言う名前を付けた。名前はこの機械を作ったメーカーから取った。


 安易すぎるって?他に思いつかなかった。まあ、呼び続ければそのうち愛着も出てくるだろう。


 壁に伸びていた棒状のものは充電用のアームだった。壁のコンセント兼データベース接続用端子から電気の供給を受けている。


 俺はこのアームを通じてサミーに入り込んだのだと思う。


 バッテリーは満タン。1回の充電で通常なら1週間は稼働出来るそうだ。


 前世の俺のスマホはバッテリーが老朽化して半日しか持たなかった。科学の進歩万歳! 


 充電アームを本体に収納していざ、出発。


 シュイーンと軽快なモーター音を響かせながら、サミーは滑るように走り出した。

主人公は何とか身体を入手することが出来ました。物語が徐々に動き出します。序盤は急激な展開はありませんので気を長くしてお読み頂ければ幸いです。

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