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0、空の鳴き声
その日は朝になったのかよく分からないほど暗く、厚い雲が空を覆っていた。
電池式の時計しか時間を伝えるものはなく、今がすでに10時を過ぎた昼前だと認識できているものは少なかっただろう。
『ーーーー』
何かの叫び声が鳴り響いた。
誰もが空を見上げた。
声は次第に小さくなり、耳鳴りを残し消えていった。
人々が不安そうに空の様子を伺っていると、また何か低い音が響き始めた。
空には稲妻が飛び回り、蛇のように何度も通り過ぎていった。
昼過ぎになっても、夜になっても、この稲妻が消えることはなかった。




