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彼女が昔ニンゲンだった時  作者: 志摩
1-1 異世界からの訪問者
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9、力のあるもの









 下に降りてみると、やっぱりそこは保育園だった。この辺りでは唯一の市営保育園。住所のある人、働いている人は預けられるのでうちの子も通えている。

 駐車場が広いので、とりあえずそこに降りてもらって保育園の校舎の方を見てみる。中には子供たちがたくさんいて、先生たちが不思議そうにこちらを見ている様子が分かった。

 ディーネの方を見てみると、校舎や周りの遊具などをキョロキョロ見ていた。

『やっぱり、何かいるな。こちらの世界の私たちに近いもの? だろうか』

「この世界でドラゴンなんて見たことないよ」

 幽霊、妖怪、天使、悪魔、妖精、思いつく言葉はそれくらいだろうか。しかしその存在は架空のものであり、存在が確認されているわけではない。今となっては目の前にドラゴンという存在がいるため、この世界も私には見えてなかっただけでいたのかもしれない。

「中にいるのかな?」

『多分ね』

 私はヘイから降りて、待っているように伝えて、できるだけ身体を落ちつかせてから離れてみた。

 何かかあったら頼むと、ディーネの方を見ると頷いてくれた。そのままジリジリと下がりフェンスの戸をくぐって、ゆっくり校庭に入っていく。真ん中のくらいにきて手を振ってみると、私の姿を確認したのか先生が何人か外へ出てくる。それと一緒に女の子が1人出てきた。



「ミナミちゃんのママですよね?」

 確か娘のクラスの先生だったと思う。送り迎えは基本パパなので、あまりよく分かっていない。

「千寿美波のママです」

 それが聞こえると先生たちは少し安心したようだった。4人出てきた先生のうち、1人が戻って行く。

「大丈夫ですか? 地震の被害は? あとあの後ろのあれは?」

 ディーネとヘイを指さしていた。

「あれはドラゴンですかね。どんな生き物ですかという質問に、詳しくは答えられないんですけど。私たちを助けてくれようとしています」

 私の言葉を聞いて、先生たちはやっぱりとか、なんでとか、小さい声でゴニョゴニョと言っていた。どうにもこちらに話を聞かれたくないのか、丁寧に口元を手で隠していた。

 これは長くなりそうだと覚悟していたところ、後ろに隠されていた女の子が割って入ってきた。結構大きな女の子で、多分もう5、6歳だろうと思えた。青いロングワンピースに長いおさげ。なんだかお上品な嬢様の雰囲気だ。

「はじめまして、谷河原やがわら真理衣まりいといいます」

 ゆっくりとお辞儀をして、丁寧に挨拶してくれた。先生たちは困った顔をして様子を伺っている。

 この子はここにいる力のあるものと関係している子なのだろうか。

「はじめまして。私は千寿凪々と言います。さっき言われてた、ミナミちゃんママだよ」

 少し屈んで、目線を合わせて挨拶してみた。するとマリイちゃんはペコリとお辞儀をして、後ろを指さした。

「あの子たちはナナさんのお友達?」

「そうだね。青い方がディーネで、黒い方がヘイっていうの」

「そうなんだ。すごいんだね、みんなを助けてるんでしょ?」

 確信している顔つきだった。ここから私たちが今までしてきたことを見ることはできないはずなのに。

「よく知ってるね。もしかして、マリイちゃんにもこんなお友達いる? 私たちはその子とお話しができるかなと思って、様子を見にきたんだけど」

 先生たちが一瞬、大きな声を上げて驚いたような様子を見せた。

 私とマリイちゃんがそちらを見たので先生たちはおろおろしながら、1人の年配の先生がが話した。

「マリイちゃんが、ここは安心だからって言ってて。何かよくわからないものがいっぱいいるって言うんです。先生たちは今まで知らなかっただけだよって。地震が起きてから、助けが来ないし、迎えも来ないしで、不思議なことを言っているとばかり思ったんですけど」

 チラッとディーネとヘイの方を見て、また先生たちの方へ視線を戻す。

「あんなものがいるなんて信じられません。一体何がどうなっているのか」

 他の先生も同じ意見のようだった。私の顔を見て、説明して欲しいと訴えているようだった。

「まあ説明はとりあえず後にして、マリイちゃんと話し話させてもらっても?」

 そう返すと、先生たちは少し下がって私たちの様子を伺うことにしたようだった。

「私もお友達いるよ、見える?」

 マリイちゃんがそう言って、すぐ隣に顔を向ける。すると小さな光が集まって、同じくらいの年齢の女の子の姿が浮かび上がってきた。見た目はほとんどマリイちゃんと同じだが、紫色の髪に緑のワンピースだった。

『あやめです』

「あやめちゃん? はじめまして」

 私がそう言って挨拶すると2人はとても喜び、手を繋いで笑った。

「よかった。ナナさんにも見えて。先生たちはお話ししても分かってくれなかったの」

「そうなんだ。私も会えて良かった」

『今の状況を説明するのは、マリイにお願いしても少し難しくて。ここの先生たちはそもそも信じてくれなかったから、困っていたのよ』

 あやめちゃんは見た目こそ子どもだが、落ち着いた雰囲気や話し方は私より年上な感覚だった。

 ゆっくり話がしたいのだが、ここでは少し厳しいだろうか。後ろを見るとヘイがもうダダをこねている感じで、ディーネがなだめているようだった。

「先生、すみません。あのドラゴンたち、校庭の方に入れても大丈夫ですか? 一緒に話をしたくて。もちろん暴れたりしないので、先生たちにも同席してもらっても」

 先生たちはお互いの顔を見て、覚悟を決めたのか年配の先生が代表して頷いた。

「ディーネ! フェンス壊さないように入ってきて!」

 ちゃんと聞こえたようで、ディーネはヘイの手を取ってゆっくり浮かび上がり、ヘイもそれに続いてゆっくり校庭に入ってくる。

 私のすぐ後ろに着地して、2人とも寝そべって顔を近くに持ってきてくれた。校庭がいっぱいいっぱいになったが、ギリギリ遊具は壊れなさそうだった。

「ママー!」

 やっと話が進むと思っていたところに、娘のミナミの声が聞こえた。帰り支度をした姿で、正面玄関から走ってきた。

 私に飛びつくまでずっとママと呼び続けていた。

「おかえり。お迎え遅くなってごめんね」

「ママ! ただいま! ドラゴンのお友達できたの! 凄いね!」

 テンションが高すぎて、話が止まりそうになかった。

「すみません、待ってられなくて」

 後ろからついてきた先生が申し訳なさそうに言った。

「ありがとうございました」

 先生に軽く挨拶して、私はミナミを抱き上げた。

「ママね、まだみんなとお話しあるんだけど待ってられる?」

「いーよー! ドラゴン触っても良い?」

 恐怖という感情はなさそうな表情だった。子どもは好奇心の方が強いのかもしれない。うちの子が怖がりというより、やんちゃな方だからかもしれないけれど。

「うん。イタイしちゃダメだよ」

 ディーネとヘイの方を見ると、瞬きしていて少し困った様子だった。初めて見る子どもで、こんな対応されたのも初めてだから、驚いているのかもしれない。

『ディーネだよ』

『ヘイ!』

 2人は簡単に挨拶してくれた。

「アタシはミナミです! 3歳です! もうすぐ4歳です!」

 ミナミも決まり文句のご挨拶をした。それと同時にヘイの頭を撫でていて、なんか冷たい、と感想を漏らした。

 すぐそばにいたマリイちゃんも私も触ると言って、一緒に撫でていた。

 ヘイは嬉しそうに目を細めて撫でられている。

『私はあやめです。ディーネとヘイと呼んでも大丈夫かしら?』

『かまわないよ』

 あやめちゃんがふわっと浮かんで、ディーネとヘイの上の方へ来た。

 私はミナミを降ろして、どこかへ行かないように手だけ繋いだ。しかし払い除けていってしまう?

「あやめちゃんは、どれだけ状況分かってるか確認しても良いかな?」

『そうね、まずは状況を説明しないとよね』

 私とディーネは頷いて、会話が始まった。






『異次元の扉、と言っていいのかしら、時空の歪みかしら。それが開いて、この世界に何かが来たのは分かっているわ。あなたたちでしょ?』

『私たちが来たのは間違いない。たが、その扉とやらを開いたのは誰か分からない』

『あなたはドラゴン? なのかしら。あなたたちよりも力が強そうなのはいっぱいいるようね。ここだけじゃない、色んな場所に』

「あやめちゃんはなんで、遠くのとこも分かるの?」

『私はマリイの家の庭のアヤメの花の精って言えば伝わるかな? 沢山咲いて、庭師にきちんと管理されてるから、あの庭のアヤメはもう100年近くずっとあるわね。だから私がいるんだけど。そして草木や植物の話が聞けるのよ』

「へえ、そんなことできるんだ」

『そうよ。マリイは私の花の髪飾りをつけているから、いつもそばにいられるの』

『あやめはこの世界にいた草木の精霊なんだね』

『そうよ』

「私も妖精なんて見たことなかったけど、ディーネと契約したから見えるのかな?」

『なぜ姿が見えないんだ?』

『力のないものには見えないものだからじゃない? 私もマリイ以外に見える人は1人も知らない』

『そういうものなのかな? 実体のないもの?』

『実体っていうか、本体じゃないって言い方かしら』

『魔法みたいなものか』

「よく分かんないけど、幽霊とかはまた別なんでしょ?」

『別よ、それだって見える見えないがあるんでしょ? マリイはずっと一緒にいるから私と話はできるけど、他の木の精霊とかの話は聞こえないみたいよ』

「そうなんだ」

『力の強さにも関係しているかもしれない』

『私は今の時期は元気なほう、冬はちょっとダメよ。眠くて仕方ないから。こんなこと起きたの今の時期でよかったんじゃない?』

「ここ守ってくれてたの?」

『ちょっとだけね。私がいますよってアピールしてる感じ? そしたら何も近寄っては来なかったわ』

『みんな争いは好まないからね。好戦的なのはごく一部だよ』

「それでもいるんだね、危ないやつは」

『じゃあ運が良かったのね。私はこの辺のアヤメが咲いてるところならだいたい行けるから、私の声が聞こえる子には場所を移動してもらったの。食べられちゃったりもしたけど』

「お花食べられちゃったの?」

『まだ花咲いてないけど、少しね。植物はそういうものだから、人間はよく食べるでしょ、野菜』

「美味しいよね。命いただきます、だよね。いつもいただいてます」

『この辺りではあやめ以外にも強い精霊はいないのかな?』

『今はいないわね。去年桜の木が病気で切られてしまって、みんな若い子になっちゃったから人型になれるのは私くらいじゃない』

『そうか、協力できるならお願いしたかったけど。難しいようだね』

「そうね、他に私たちみたいな話ができるのっていた?」

『ドラゴンという意味なら何匹かいるけど、そんなに近いところじゃない。人間と一緒にいる妖精とかって意味では近くには私たちくらいしかいないと思うけど』

「分かった、ありがとう」

『ドラゴンとは話をしたかな?』

『1匹は少し話をしたけど。あんまり言葉が通じなかったのよ。でも植物の声が聞こえるようだったわ』

『高位でないんだろうな。まあそれなりに時間が経てば覚えると思う』

「こうい?」

『力が強くない者たちなんだろうなと。私はナナの意識を見て、すぐに習得したが、そうはいかないものもいるというだけの話だ』

「なるほど、高位か」

『後は、どうするかだな』

『マリイは連れていって欲しいわ、あなたたちと一緒に』




 あやめはずっと下に降りて行き、ヘイの背中まで登っていっているマリイとミナミのそばに座った。

「あやめ、おかえり。お話終わった?」

『まだ途中なの。パパとママの事、覚えてる?』

「死んじゃったって言ったやつ?」

 私は驚いて声を出しそうになって、慌てて口を手で覆った。

『そう。マリイのお家はかなり壊れちゃったの。パパとママはもうお迎え来られないのよ』

「うん、分かってるよ」

 マリイちゃんはきっと言葉では分かってるけれど、状況は分かっていないんだと思う。あんなに平然と両親が死んだことを話せる訳がない。

「死んじゃったの?」

 ミナミが真似してしまった。うちの子にはまだ難しい話だ、聞こえた言葉を口に出しただけだろう。

「ミナミもマリイちゃんもこっちにおいでよ。今度は少し先生たちと話をしなくちゃ」

 2人ははーいと、返事をしてもぞもぞ動き出した。こっちに来るまでにはまだ時間がかかりそうだ。

「先生たちはどのくらい話、聞こえました?」

 先生たちの方を見るが、首を振っていた。

「多分、全て聞こえる訳ではないです。意味が分かりません」

「あやめちゃんは見えないんですよね?」

 年配の先生が他の先生を見たけれど、みんな分からないといった顔をしている。

「マリイちゃんが言ってた女の子ですよね? 私たちには見えないです。本当にいるんですか?」

「いますね。緑のワンピース着てる、同じ歳くらいの女の子」

 キョロキョロあたりを探しているようだが、全然見当違いの方まで見ていた。

 これはまたほぼ全ての話をする必要がありそうだった。学校に集まっている話もしないといけないだろうから、まだまだかかりそうだ。

『私の声は聞こえているよね?』

 ディーネが言うと、先生たちは返事をしてくれた。

「申し訳ないんですけど、ミナミはもう一度保育園に戻ってもらっても大丈夫ですか? 先生たちとも話をしないと、どうしようもないと思うので」

 ちょうど降りてきたミナミが少し嫌そうな顔をした。

「大丈夫ですよ。他の子もいっぱいいますし」

 マリイちゃんも降りてきて、あやめちゃと手を繋いで先生の方へ歩いていった。

「おうち帰らないの?」

「まだお話があるの、ごめんね。待ってられる?」

「ヘイと遊ぶのはいいの?」

 口を尖らさせて怒っていた。ヘイの方を見ると遊んで楽しかったのか、とても嬉しそうだった。

「ヘイはおっきいから、みんなのところ行けないよ」

 それが聞こえると、かなりがっかりしたように目を見開いてしまった。

『ヘイ! おっきくない! 遊べる!』

 ヘイは突然大きな声を出し、顔をフリフリして目を瞑ったかと思うと、みるみる縮んでいった。約半分くらい、私の身長のサイズくらいになって立ち上がった。

『ヘイ! 同じ!』

「嘘でしょ」

 ディーネの方を見ると、口を開け驚いている様子だった。

『私もやった事ないよ。小さくなるなんて』

 どうやらかなりありえない状況らしかった。小さくなって遊べると思ったのか、ミナミとヘイは遊具の方へ走っていってしまった。

「こら2人とも! 待ってて! 危ないよ! イタイしちゃダメだよ! ケンカしないんだよ!」

『「はーい」』

 なんとも薄っぺらい返事だった。

 先生たちもかなり驚いていて、どうしようと話している声が聞こえる。

「すみません、あの黒いのはまだ生まれたばかりの子どもなんで、あんな感じなんです。一緒にこども扱いしてもらって大丈夫なんで、見ててもらえませんか?」

 年配の先生がこっちにきてくれた。

「まだ子どもなんですね。なら多分大丈夫です。見た目は違うけど、少し様子を見ましょう」

 私が行きますから園長と話をしてきてくださいと残して、ミナミたちの方へ向かってくれた。

 ディーネも少し身体の向きを変えてヘイに手が届くように横になってくれた。

『何かあれば私が捕まえる』

「ありがとう、少し話してくるよ」

 私はマリイちゃんに続いて先生の方へ向かっていって、みんなの後についていった。先生たちはそのまま正面玄関の前まで歩いて、ここで待っていてくださいと言われた。

 マリイちゃんは自分のクラスに行こうかと言われていたが、首を振っていた。

「みんなマリイのこと信じてくれないから。ナナさんはあやめともお話できるから、一緒がいい」

 そう言われて、先生たちは引き下がったようだ。

 このくらいの年齢ではもう仲間外れが起きてしまうらしい。うちの子どもはまだそんな事がないといいなと思ってしまう。

 先生が1人残って、あとの2人は職員室に向かったようだ。

「ごめんね、先生もマリイちゃんのことよく分かってなかったの。許してくれる?」

「あやめのこと信じてくれるの?」

 先生が頷いている。なんというか、謝ってくれたんだから許してあげないといけないような状況になっている気がする。でもマリイは少し嬉しそうな顔をしている。ちょっとだけ許してあげようといった具合だろう。

「あの〜」

 突然声をかけられて振り返ると、1番近いクラスのガラスが開いていて、先生が覗いていた。

「なんでしょう?」

「ドラゴンと遊んでるのずるいと言って、外に出たいようなんですけど。大丈夫ですか?」

 子どもたちがキラキラした目で私の方を見ていた。絵本から出てきたような状況に、子どもたちは興奮しているのだろうか。

「子どもたちも昨日お家に帰れてなくて、少し退屈してて」

 隣にいた先生から一言あった。

 最初は警戒していたはずなんだが、ずっと大人しく待っていてくれたから少しは安心してもらえたのだろうか。

「一応あの黒いのは子どもなので、怪我させちゃうかもしれないですよ」

「ですよね、ちょっと危ないですよね」

 後ろの子どもたちから、遊びたちと言う声が上がっているのか聞こえる。

「喧嘩になると怖いです。人の子どもも同じですけど、また子どもだから、手が出ることもあるだろうし。怪我しても責任は取れないですから」

 私が言うと、先生は少しがっかりそうにしていた。この先生はどうやらドラゴンが怖くないらしい。

「そうですよね」

 先生が後ろの子ども達に、やっぱりダメだよ。みんないたずらしちゃって喧嘩になったら大変だよと言っていた。子どもたちはあの子は遊んでるのにとか、色々な手を使って外に出ようとしていた。

『私とマリイと一緒に遊ぶ?』

「みんなで遊んでいいの?」

 あやめちゃんが、私も行くから少しならいいんじゃないのとアピールしてきた。こんなに子どもたちに責め立てられるなんて、なんだか悪者になった気分だった。私も親だから想像してしまう、保育園でドラゴンと遊んで怪我しましたなんて言われたら、ふざけるなと怒鳴り返すかもしれない。それを分かっていて言ってるのだろうか。

「先生たちに見ていてもらいますから。少しだけ遊ばせてもらってもいいですか?」

 いつの間に園長と見られる、恰幅のいいおばさまが玄関の出入り口のところにいた。

 1番偉い人が言ってくれるということは、責任に持ってみてくれると信じてもいいだろうか。

 園長先生はニコニコしながらずっとこちらを見続けていた。もうこちらが折れるしかなさそうだ。

「ホントに気をつけて遊んでくださいよ。私たち怪我治せないですから」

「ありがとうございます」

 軽くお辞儀をして、顔を出していた先生にOKサインを見せた。

 子どもたちが何人か外へ出てきて。ミナミとヘイの方へ走っていく。

 マリイちゃんと先生も一緒に子どもたちの後について遊びに行った。

「さて、私たちも少し話しましょう」

「はい」

 園長先生はキャンプ用の椅子を2つ持ってきていて、さっと開いてくれた。

 これは長くなりそうな気がする。

「まずはマリイちゃんの話を少ししましょうか」

 そう言って園長先生話し始めた。






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