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十一話 死んじゃう⋯⋯死ぬ前にお兄ちゃん、キス、して?


「何言ってるの? お兄ちゃんそんなあり得ない物を見たような顔をして」


 いやいや、あの投球はどう考えてもおかしいだろ。

 たしかにクレアは力は強い方だったが、それじゃ説明つけれるレベルじゃないだろ。

 あぁ、そうかあのポーチは何かものすごいポーチなんだ。

 中も異次元のような所に繋がってたんだからそんな機能があってもおかしく無いはずだ。


「ん? 何? てか、私のポーチどこ行ったんだ? 」


 いやいや、あのスピードで飛んだんだから熱とかで消滅でもしたんじゃないか?


「は? いやいや、おかしいだろ」


 投げられた方向を見るすると投げ飛ばされたポーチは空中で静止しているように見える、いや静止している。


「なんなんだ本当にあのポーチは⋯⋯」


 俺はクレアにポーチの場所を指差して見せる。


「あ、あった! え⋯⋯なんだあれ⋯⋯」


「お前のポーチ」


「知ってるよ!  それはそうだけど⋯⋯お兄ちゃんあそこまでの距離ってどれぐらいに見える?」


「ん⋯⋯? まぁ、軽く数百メートルくらいいっててもおかしくないと思うけど」


「人間の視力じゃ普通見えないよね⋯⋯ 」


 クレアの言葉で今更気づくが確かにあそこまでの距離が見えているのも異常だろう。


「あぁ見えるはずがない」


 するとたった今まで空中で静止していたポーチが凄まじいスピードでこちらに飛んで戻ってきた。


「「え⋯⋯? 」」


「いや死ぬってそれ! 」


「なにあれ、反則だよ! ししし、死ぬ前にお兄ちゃんキス! 」


 気が動転したのかなにを考えたらこの状況でそうなるのか、クレアが、俺に抱きついてくる。


「ちょ、クレア! 今そんな事してる場合か! に、逃げるぞ」


「無理だよお兄ちゃん! 間に合わないよ! だから、死ぬ前にキスして。そしたら悔いは残らないから!あ、やっぱり結婚出来ないから悔いは残るかな。 てへっ」


 クレアが舌を出し片手で頭を小突いてウィンクしてくる。


「そんな冗談言ってる場合か!?」


 そんな事してる間にもポーチはどんどん加速してこちらに突っ込んでくる。


「だーかーらぁ! お前はどんだけバカなんだよ!やばい やばい やばいぃぃぃぃぃぃ!」


 俺は来るべき衝撃に備え咄嗟に目を瞑る。


 ⋯⋯ん? 衝撃が来ない⋯⋯カシャッ⋯⋯は?


 突如響いたシャッター音に俺は恐る恐る目を開ける。


 そこには頬を朱色に染めこれでもかと言うほどに満面の笑みを浮かべているクレアの姿、そして手にはスマホを持っている。

 

 こ、こいつ⋯⋯!!



「ドッキリ大成功!! お兄ちゃんかーわーいい!! でも、キスしてくれなかったのは減点かなぁ、なんでしてくれなかったのぉ!」


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