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悪魔伝染  作者: 多賀まりあ
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石の中の空白

初投稿です

今回は序章です


―私の体を貫くような勢いで刺さる黒い雨


―耳がおかしくなってしまいそうな程騒々しい悲鳴や怒鳴り声


―地面に貼り付けられたかのように動かない私の四肢


―やっとの思いで頭を上げ、その辺を見渡す


あぁ、やっと理解できたぞ


私は…

地獄に堕ちた




―目を覚ますと私は何故か牢屋にいた

石で造られた私を覆う3面の壁があり、もう1面は鉄格子が植物のように生え天井まで届いていた

必死に状況を理解しようとしてみるが、どうも牢屋へと入れられる前に何があったのか記憶が無い

どうしてこうなったのか分からないなんて生易しいレベルでは無い、名前や自分が誰かなのかさえも分からない

言葉は理解出来るし覚えているのがせめてもの救いだ


「やっと目覚めたか、悪魔を放った大犯罪者め」


突如声が聞こえ牢屋の外を見ると、パニックになっていて気づかなかったが看守と思われる男が立っていた

全身鎧という重装備で固めているが、私はそんなにも凶悪で危険な人物だったのだろうか

―男は少しすると私を睨みつけ去っていった

さて、どうしたものか…

とりあえず、自分のことを少しでも知りたいという人が生きていておおよそ体験することの無いような衝動に駆られ、とりあえず自分の容姿を確認できそうなものを探すことにした

…部屋の中は簡素で、さっきまで寝ていた硬い壁に取り付けられているベットの他にトイレ(記憶は失ったが羞恥心までは消えてないので、看守に見られるのも嫌だしあまり使いたくない)があるくらいだった

さて、いよいよ自分の容姿すら確認できないとなると自分について知れそうな情報が無い

()()という事になる

…出来ればそれは避けたい、牢屋にいるということが意味するのは数年レベルの何も出来ない日々が続く可能性があるという事の他に、

私が()()に処される可能性があるという事だ


―自分の正体が分からないまま死ぬほど悲しいことってある?


無いよねぇ!

少なくとも私はそう思うよ!

私は!


あまりの恐怖につい気が狂いそうになってしまった…(いや少し狂った)


まぁ、良い…


私は少なくとも目覚めたばかりで処刑はないだろうという希望的観測を胸にまた眠るのだった

読んでいただきありがとうございました

短編になる予定ですので、最後までお付き合いいただければ嬉しいです

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