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くっ、妹よその可愛さは反則だ

チョー久々の投稿です。

久しぶりにお兄ちゃんになった気分で書くと楽しくて仕方ないです。

「ただいま」


妹が家の扉を開けて学校から帰ってきた。


「お帰り、お疲れ様」


俺は妹を玄関で出迎える。

あ、一応言っとくけど俺無職じゃないからね。

今日は授業参観だから土曜日に妹は登校しているのだ。

だから会社が休みの俺が家にいるのは至極当然のことである。


ん?妹のことを見に行かないのかって。

もちろん行きたいさ!

だけど妹が一年生の時に学校に三脚もって最高級カメラを持って教室に入った翌日、母親から俺の学校への出禁が言い渡されたのさ…。


さすがにお兄ちゃんも大人だから、何が悪かったかはわかってる。

だが可愛い妹の前で俺がシャッターをきることを我慢できようか!いやできまい!

妹の前では俺の理性なんてものは些末なものだ。

俺はもちろん授業中はシャッター音を鳴らすようなことはしなかったが、休み時間に普段見られない妹の様子を見た俺は鼻血を垂らしながら、妹とその友達を写真に収めた。

妹の兄でなければただの変質者だ。

その様子を見た母親に学校禁止令を出されたのさ…


母親も俺の様子に妹の学校での写真を撮ってきてくれはするが足りない!

しかもあまり俺の天使の可愛さを引き出せてはいない!

何とも口惜しいが仕方がない。


俺の変態的行為を見た他の子供の親が俺の悪口を言って母の学校での立場が悪くしかねない。

今でも自閉症があるけれど通常学級に通っている妹を煙たがっている大人は沢山いる。

俺の行動で母親と妹が苦しむのは嫌だからな。


だったら写真撮るのを我慢しろよと言われそうだが、それは無理だ。

たとえ我慢できたとしても俺はストレスで血を吐いて倒れるだろう。


「お兄ちゃん、疲れた…」


どんよりとした顔で妹が俺に言った。

妹はいつもと違う環境に極端に気を張る。

普段は居ない大人に見られながらの学校生活は半日とはいえ、過度の緊張で妹の精神と体にはとんでもない負荷がかかっているだろう。

(何だか中二病患者のような言い方をしてしまった気がするが、まぁ言いたいことが伝わっただろうからよしとしよう)


「とりあえず、ランドセルを下ろしな。そしたらいつものやってやるから」


妹の顔がパッと明るくなる。

クッソ、この笑顔は反則だ。俺のよこしまな心が浄化されていく…。


妹がランドセルを玄関口に置くと、抱っこをねだるように手を出してきた。

もちろん俺は妹を抱っこする。

また少し大きくなったなと感傷的なことを考えながら、妹を俺の部屋に連れていく。

(おい、そこの変な想像したやつ。違うからな、俺にとって妹は天使だ、そんな世俗的な感情は抱かないぞ!)


胡坐をかいて妹を膝の上に乗せると、妹の腕から肩にかけてを軽い力でたたいてやる。

タッチングと呼ばれる治療を俺が自己流にやっているだけだが、妹はこれをいたく気に入っている。

俺の膝の上でがちがちにこわばっていた妹の体から力が抜けていくのがよくわかる。


「ふにゃー」


くそ、可愛い!今の声は俺の心のボイスレコーダーに録音済みだ。いつでも再生可能の超高音質ボイスレコーダーだ。


「ほら、腕伸ばすぞ」


俺は妹の手を握って腕を上に伸ばす。


「うにょーん」


おっと、初めて聞くパターンだ。これはボイスレコーダーの中でも超重要ホルダに入れておこう。


「はい、終わり」


俺は妹の手をパッと離すと背中をたたく。

いつもならここで「お兄ちゃん、ありがとう」と言って俺の膝から降りる天使だがなぜか今日はなかなか下りない。

いや、お兄ちゃん的には嬉しいよ。嬉しいけどもいつもと様子が違うのは心配だ。


「どうした」


そう言うと妹はこてんと俺の胸に頭を預けてきた。

なんだ!どうした!いやこの角度から見る妹のつむじが可愛いがそんなことを思ってる場合じゃないかもしれな…

すやすやと妹の寝息が聞こえてきて俺は安心してため息をつく。

どうやらだいぶ疲れていただけの様だ。

可愛いつむじの部分から妹の髪を軽くなでる。

だいぶ足がしびれてきたが、妹のためならお兄ちゃんはいくらでも我慢するかな!

そう心に誓ってから一時間ほど俺は妹を膝にのせていたせいで、俺の足の感覚はなくなった。

ちょっと小話。

タッチングは色々と種類があり、たたく方法をタッピングと言います。

タッチングは心のケアに役立つとされており、体の緊張なんかもほぐすと言われていて実際に老人ホームや医療現場で試されている方法です。

お兄ちゃんは妹のために日々研究しているのです。

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