墓地での出会い
「ゼーハー、ゼーハー…」
センヤ率いる兵士達から命からがら?逃げ出してハクシと俺は今墓地にいた。
「あーもー、筋肉がつい最近まで固まってた体で全力ダッシュはキツすぎる。」
「あ、あんたは筋肉あるだけいいでしょ… わ、私なんか筋肉が腐ってるんだからね…」
全力ダッシュの影響で息をきらせて横たわっているハクシがそう言った。
「てゆーか、何なのあの能力?蘇生と同時に異臭を放つって、あやおく逃げてる最中にゲロ吐きそうだったぞ」
「し、知らないわよあんな能力!私だって出したくてあんな臭い匂い出したんじゃないわよ!」
と言うことはオートであんな異臭が出たってことか。なんか使えるのか使えないのか微妙な能力だなー、味方にも影響がある能力って。…心なしかハクシの周りに2、3匹くらいハエがまとわりついてるようにみえるが…そこは言わないでおくか…
「そう言えばあのおっさん達なんか匂い以外でも苦しんでたよな?確か有害物資がなんちゃらーって。」
「多分それも私が出したんだと思う。ゾンビが有害な物資を蓄えることができるって昔本で読んだから」
そう言いながら、ハクシは横たわっている体を起こし、丁度良い大きさの岩に腰を置いた。
「あれ?でも俺には全然効いてなかったけど?」
「アンデットモンスターは、毒や細菌などには強い抵抗力があるのよ。だからキョンシーのシンには平気で人間のセンヤ様達には効いたんだと思う」
へー、キョンシーって毒とかにも強いのか。 って、あれ?
「どうした?ハクシ。手をチョキの形にして近づいてきて。」
「ふん!!」
『ブス!』
「アンギャー!!!」
急にハクシが目潰しを仕掛けてきやがった。てか痛ーよ!体固くても目は効くのかよ!
「何すんだお前!!」
「元わと言えばシンが村を襲ったから私達が兵士に危ない目に合わされたんだからこれ位の罰は当然よ。」
「体罰反対!!って言うか村なんか襲ってねーし!ちょっと他人の家に侵入してパーカーを拝借しただけだし!」
「十分な犯罪でしょーが!!」
『ブス!!』
「ギャー!!」
あまりの痛さに地面をのたうち回る俺。やべーよ!視力がガクンと下がりそうだよ!
「いい!?一般市民にとってアンデットモンスターは天敵、いてはいけない存在とされているのよ、その存在が急に村に入ってきたらそれは襲われたって扱いになるのよ!」
「す、すいませんでした…」
「全く…いつの間にかこんなに時間が経っちゃた。どっかの誰かさんが余計なことをして走らせなければ…」
そういってジト目でこちらを睨んでくるのやめてよ…反省してるからさ…
「今日はここで野宿ね。」
「えー、墓地の中で寝るのかよー」
「文句があるなら、もう2、3発喰らう?」
「すいませんでした。もう言いませんからそのチョキの手を下ろして下さい。」
結果俺とハクシは墓地の中で眠ることにした。地面が石でゴツゴツして眠りにくい…
月明かりで照らされている夜の中、俺は謎の寒気を感じて目を覚ましてしまった。
(なんか誰かに見られている気が。)
そう思い周りを見渡そうとゆっくりと目を開けると…
「あーー!!やっと起きましたー!!!」
「…へ?」
また俺は同士と出会いました。