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ウィザナイ  作者: あつあに
4/6

第3魔法  なつかしき古き、マイフレンド

「ナイト、起きなさい!今日こそはその剣を王都に直しに行くわよ。」

「なんだよ……いきなり……」

まだ重そうな瞼をこすりながらナイトは起きる。

「今日は休みなんだからこの機会に街に行って買い物とかするわよ!ついてきなさい!」

「はい……」

今日は、昨日ワンドに襲われて大変だったからと言って校術長が特別に休みにしてくれた。

別にいらないと私は言ったのだが、校術長に耳打ちをされて休みますと言い休むことになった

 「何で機嫌が悪いんだ?昨日何を耳打ちされてたんだ?」

 「うるさい!なんでもいいでしょ!早く着替えて来て!」

 

 

 これは昨日の出来事

「ネロスさんちょっと来てくれませんか?」

 私は言われるがままバーテン先生の場所に歩いて行く。

 「ちょっと耳を………」

 「?」

言われた通り耳をバーテン先生に近ずける。

 バーテン先生の口が近ずいてくる、ナイトの方をみると顔を赤くして今にも切れそうなくらい顔をひきつらせていた。

 「早くしてください!」

 「まぁまぁ」

 怒ってもバーテン先生は優しい笑顔で言ってくる。

 「休みの間にもっと仲を深めたらどうですか?」

 「私とナイトは十分仲がいいです!お互いを愛し合っています!今だってこっちをみて怒って―――」

 ナイトの方に目を向けるとさっきまで怒っていたのだが今は校術長の秘書の女の先生と話している。

  それはもう楽しそうに、鼻の下をのばして……

 「ナイトっ!」

 「はいっ!何でしょうかネロス様!?」

 「私を見ておきなさい!」

 そう言い離しに戻る。

 「今のは―――」

 「とにかく愛し合っています!けど休みは貰います!ではこれでっ!」

 バーテン先生の言葉を遮り話し、また鼻の下をのばしていたナイトの耳をつまみ部屋を後にした。

 

 

 という事があった。

 ナイトって信じられない、命をかけて守ってくれたくせに………

 「ネロス~服が臭いんだが……」

 居間に3日一緒の服を着たナイトが入ってくる。

 「当り前でしょ!ワンドと戦ったんだから汗かくわよ!」

 ワンドと戦ったのよね………

 私を守るために……

 だったら少し鼻の下をのばすくらい許そう……かな?

 「はぁ~」

 「なんだよ?」

 「最初に服屋に行きましょう。さすがに臭いわよ、早くいこ?。」

 私は笑顔で言いながら家を出る。

 ナイトは剣を持って走って追いかけてくる。

 まぁ少しくらいならいっか!

 私は後から追いかけてきたナイトの手を握り王都へ向かった

 

 

 「これもだめ!他の!」

 周りには一つの更衣室を中心に服が散らばっている。

 「ネロス俺はこれでいいと思うんだが・・・」

 「だめ!もっとナイトっぽい服がいい!」

 こんな感じで着ては駄目、着ては駄目、の繰り返しでこんな状態になっている。

 「あ、ナイト。これ着て見て!」

 「ん?ああ。」

ネロスに渡された服をカーテンを引っ張り着る。

 試着し終えネロスの前に出る。

 「いいじゃない!これ5着ね買ったわ。」

 その服は、偉い貴族がつけてそうな黒いマント、その中には学校に着て行くようなTシャツ、下はジーンズに似ている物がネロスにイエスを言わせた。

 てか5着って……いくら服屋でもないだろぉ

 「かしこまりました。」

 あんのかいっ!

 言葉には出さなかったが心の中で激しく突っ込む。

 「はぁ、着替えるから服返してくれ。」

 「え、服?捨ててもらったわよ。それあるからいいでしょ?」

 「……うん………いいよ」

 捨てちゃったのかぁ、ははは、まぁいいや……

 そんなやり取りをしている間に店員が残り4着の服を袋に入れて持ってくる。

「お客様ありがとうございました。」

 服が捨てられた悲しい気持ちと新しい服を買ってくれた嬉しい気持ちが入り乱れながら服屋を後にして武器屋に向かう。

 武器屋は服屋の店から家を2軒またいだところという近さにあったためすぐについた。

 木のドアを開いて武器屋の中に入る。

 武器屋の中はあたり一面武器という何とも凄い景色だった。

 右を見ると槍を置いてあり、左を見ると剣が置いてある。

 どこをみてもやっぱり真剣は置いてなかった。

 「ここじゃ直らねえよ、ネロス」

 「大丈夫よ早く直してもらいましょ。すいませ~ん。」

 店の奥にいた筋肉ムキムキの店主に話をかける。

 「これ直りますかね?」

 「う~ん。」

 店主は眉間にしわを寄せ難しそうな顔をする。

 「そんな事より俺の筋肉はどうだい?」

 「「は?」」

 あまりに唐突のことで俺とネロスは口を開けて店主を見つめてしまう。

 「やっぱりもっと筋肉あった方がいいか?」

 「いやそれ以上はまずいですよ~じゃなくてっ!剣直るか見てくださいよ!」

 「あぁこれか?そんな事より俺の―――」

 「筋肉は素晴らしいです。直るんですか?」

 ちょっとイライラしてきていた俺は若干キレ気味に言ってしまう。

 「あぁ直らねえよ。」

 ……へ?

 あれだけひっぱておいて何もできないの………?

 「ネロス帰ろうか……」

 「うん……」

 俺の隣で同様に呆然としていたネロスと一緒に店から出ようとした時。

 「ちょいまて。」

 店主が呼びとめてきた。

 「はい?」

 嫌そうに俺とネロスはその場に止まり振りむく。

 「その、なんだ……。直せなかったお礼と言っては何だがこの店の物50%引きにするぜ。」

 「本当ですか?」

 「おう、自慢してすまんかったな。先もそれで客逃がしてたんだ。」

 偉い学習してる!最高の店主です!

 「では早速……」

 店の中を見渡し一本の剣が目に入った。

 「これにしようかなぁ、ネロスどう思う?」

 「ナイト、この店から出よ?」

 「なんでだよ、せっかく安くしてくれるんだぜ?」

 「はぁ、値段見て」

 ネロスは一回ため息をつき値段を見ろと言ってくるので、値段を見ると・・・

 「100万ジュ―オ……」

 この世界では1円=1ジュ―オらしい

100万って……

 「ぼったくりの店よ……ここ。」

 「帰るか……」

 ネロスと一緒に外に向かうと店主が呼びとめる。

 「何だ、買わないのか?」

 最高の店主じゃないよ、最低の店主だ・・・

 何も言わず、心にとめて木の扉を開け商店街に向かった。

 

 

 「刀、どうする?」

 「それは後にしましょう、まずは買い物よ。」

 そう言い肉・魚・野菜の店屋に向かう。

 「おばちゃんもうちょい安くしてよ!」

 「もうこれ以上は無理よ~」

 なんだなんだ?

 「どうやら、誰かが値切ってるらしいわね。」

 値切っている少年は髪が黒色でメガネをかけており、腕にナックルをつけて何処かで見たような格好をしていた。何処かで見たような

 「って!愁か!?」

 「ん?おぉ志堂じゃないか、お前もこっちのわけのわからん世界に迷い込んだのか?」

 「ああ、というかそれ買おうとしてるけど、お前金あるの?」

 「うん、一応金は貰ってる。ほら。」

 そう言うとポケットを探り三つ折りの財布を見せてくる。

 「何で金持ってんだ?」

 「いや~それはな、ちょい耳貸せ。」

 「ん?」

 言われた通り耳を貸す。

 「俺な……」

 「ああ」

 「気を落とすなよ?」

 「いいから言え!」

 「そうか?じゃあ……俺、こっちの世界に来て婚約者が出来たんだ。」

 え?

 「婚約者!?」

 「ああ」

 すごく幸せそうな顔をして話を進める。

 「しかもめっちゃかわいくて、お嬢様キャラで髪は緑のセミロング!もろタイプだった。」

 ん?

 知ってるような……

 「ネロス、なぁもしかして……」

 「みたいね……」

 ネロスも話を聞いていて勘ずいていたようだ。

 「ん?そこの綺麗なお方は知り合いか?」

 愁は微笑みをなくし不思議そうな顔をしてネロスと俺を交互に見てくる。

 「あぁ、俺たちはな―――」

 「私達は婚約者なのよ、毎日ラブラブで最高のパートナーでもあるわ。」

 ネロスは俺に言わせずに腕に抱きつきながら言う。

 腕に抱きつかれたから2つのふくらみが当たり、自然に鼻の下が伸びてしまう。

 「幸せそうだなぁ……俺も幸せだけどなっ!そろそろオルナも来ると思うから少し話さないか?」

 あの大きなセミロング少女がっ!?

 あの大きなふくらみにまた再開できるのかぁ………

 「いてっ!」

 「今、何、想像してた……?」

 鋭くてすべて見透かされていそうな目でネロスに腹にエルボーを決められる。

「いや、ネロスの方がオルナさんよりかわいいなぁって……」

 「本当に? あの子と私、どっちが上?」

 鋭かった目が緩み涙目の上目使いにかわってくる。

 「あたりまえだろ?お前が一番だよ、ネロス。」

 「ナイト……大好きっ!」

 「オッホン、ウエッホンッ!」

 愁がわざとらしい咳をして俺達の愛の儀式の邪魔をする。

 「人前でよくやるな……で、オルナと知り合いみたいだし話すか?」

 「ネロスどうする?」

 「あいつと会うのは嫌だけど、ナイトがいいなら行く!」

 すばらしい笑顔をこちらに見せて言う。

 俺の婚約者かわいすぎるだろっ!

 「お、あれは……我が姫のご到着だ。」

 愁は空を見ると見た方向には、ユニコーンが空を飛んでこちらに向かってきた。

 「ユニコーン!?まじかよ!本物か!?」

 「まじに決まってるだろ、俺も最初見た時はさすがにびびった。」

 興奮が鳴りやまない、ユニコーンなんて幻の生き物なんだと思ってたけど……

 そんな事を思っているとユニコーンは俺達の目の前に着地する。

 綺麗に着地し、ヒヒ~ンと叫ぶ。

 その時ユニコーンの背中から飛んで着地した人物がいる。

 「よぉ、一応値切って買っておいたぞ。」

 「ありがとね、愁。」

 愁の婚約者のオルナさんがそこにいた。

 いつ見ても凄く綺麗なおっぱ、じゃない!すごくきれいな顔をしており前に会った時より綺麗になっている気がした。

 「じゃあどこかでお茶しましょうよ、愁~」

 いままでのお嬢様キャラではなくて甘い猫撫で声を出している。

 「オルナ……あっちみて。」

 「へ?」

 オルナさんは顔をこっちに向け固まる。

 「こんにちは……」

 「………」

 「えっと……」

 「何でここにいるのよ!?」

 急に動き出し顔を真っ赤にさせ叫び出す。

 「いや~色々あってね」

 「まぁまぁ向こうの店屋で話し合おうよ。」

 愁がオルナさんを鎮めながら近くにあった店屋に入る。

 それについて行き俺とネロスも入って行く。

 店屋の中はコーヒーの匂いがしており落ち着いていて、いい雰囲気の店だ。

 俺たちはテーブルの席にお互いのパートナーを隣にして座る。

 「さて何を頼もうかなぁ。」

 愁が能天気にメニューを開き見始める。

 「みんなコーヒーでいい?」

 「オッケー。」

 「ナイトがいいならいいわよ。」

 「私はモカがいい!」

 愁は言われた通り店員に注文をする。

 「さて、じゃあお互いに聞きたい事はある?」

 「何で、何で、何でヴァーシュルがここにいるのよ?」

 いきなりオルナさんが質問をしてくる。

「休みを貰ったから。」

 終了………

 流す気ですか?

 「えっと、終わったみたいだから俺から質問していいか?」

 「どうぞ、志堂。」

 「愁は一体いつぐらいにここに来たんだ?」

 それはいま最も俺が知りたい事だった。

 自分の事を知るよりも何でここに来たのかを知れるからだ。

 「えと、1週間ぐらいかな。」

 「俺と一緒か……こっちに来る直前は何やってたんだ?」

 「お前、覚えてないのか……?」

 いきなり愁の顔が不思議そうな顔をしながら問ってくる。

 「え、何かあったのか?」

 「いや、えっと……ネロスちゃんがいる前では言いにくいかな、後で話すよ。」

 ネロスの方をはにかみながら向き言ってくる。

 今すぐに知りたい事だったんだが、ネロスをきずかってるから、よっぽどの事なんだろうと思い、追及するのはやめる。

 「じゃあ質問していい?」

 「はい、ネロスちゃん。」

 「ナイトとどうゆう関係なの?」

 「ただの友達ですが……そうだなぁ簡単に言ったら」

 「「つらい時でも一緒に戦った仲間だ。」」

 俺は自分でも考えていない言葉を勝手に口が動いて言っていた。

「あれ?」

 「志堂、しっかり覚えてるじゃないか!忘れたふりしやがって……」

 「ちがう、今のは―――」

 「いいわけなんて聞きたくない!あの約束をない事見たいにしやがって!」

 愁は顔を真っ赤にして立ち上がり、涙目になりながら言ってくる。

 オルナさんはどうしたものかとオロオロとしている。

「ちょっとまって、私がナイトの代わりに説明するわ。」

ネロスはうまく言葉がでない俺をフォローしてくれ話を始める。

「ナイトはここに来る前の記憶の一部がないの、でもたまにフラッシュバックみたいな感じで勝手に言葉がでてきたりするの。」

 愁は俺をじっと見つめている、俺は本当の事だと伝える為に目を離さない。

 「本当、なんだな……すまない。」

ずっと見つめ返すとやっと本当の事だと分かってくれたみたいで謝りながら座る。

 「ナイトとどういう関係なの?」

 「さっきも言ったけどつらい時でも一緒に戦った仲間、いや、親友だよ。ちょっと長話、するね?」

そうとだけ言って話を始める。

「昔俺と志堂と残り二人の親友がいました。その4人は幼稚園からの幼馴染でとても仲が良かった、遊ぶときも、何をするときも一緒だった……」

 

 

 小学5年の休日のある日――

 「まったかぁ?」

 俺は3人の友人と遊ぶため待ち合わせをしていたのだが、少し寝坊をしてしまい遅れて行った。

 待ち合わせ場所には本来3人いなければいけないのだが1人しかいなかった。

「しどぉ、薫が……薫が……」

 幼馴染で友人の紫穂が目を真っ赤にさせ途切れ途切れに泣きながら話した。

 「紫穂、どうしたんだ!? 」

 「薫が……ヒッ……ヒック………薫がぁ」

 「まずは落ちつけよ、な?」

 俺は紫穂の背中をさすってやり、落ち着けと優しく言ってやる。

 紫穂の心臓は早かったが、さすってやるうちにどんどん遅くなり落ち着きを取り戻す。

 「もう、大丈夫……」

 「何があった?」

 「薫が、攫われたの……」

 はぁ!?

 薫が攫われた?

 「愁はどうした?」

 出来るだけ動揺をしないようにと慎重に話す。

 「シュン、追いかけて行ったの、俺はあの黒い奴らが言っていた『バーズ』って言う所に行くってお前はここに残って志堂と合流して今の状況を伝えろって……」

 「そうか、薫の場所に愁は向かっているんだな?」

 「う、うん。私、愁が助けに行って寂しくて……何も出来なくて、一人で泣いて。」

 「大丈夫だ、俺が薫を助けるからさ、な?また、4人で遊ぶぞ。」

 俺は興奮してきた紫穂に薫を助けると誓う。

 「何処に行ったか分かるか?」

 「私も行く!薫を助けたい!」

 紫穂は昔から何を言っても聞かず自分の意志を貫くそういう人だった。

 「どうせついて来るんだろう?」

 紫穂は俺に力強い眼差しを向ける。

 返事をしなくてもしっかりと気持ちが伝わってくる。

 「よし、行くぞ!」

 「うん!」

 

        ―――・―――・―――・―――・―――・―――

 「あいつら薫をどうするつもりだよ……」

 俺は『バーズ』という店屋から影になる場所にいる。

 バーズの前には薫を誘拐した黒い車が止まっている。

 そこは人通りが少なく入って行った店屋はつぶれた感じで中は暗く、いかにも悪が集いそうな場所だった。

 「紫穂はちゃんと志堂に伝えてくれたかな?」

 心臓が高鳴る、見つかったら何をされるか分からないという怖さから帰りたいという意志も出てくる。

 黒い服を着た男たちは車の中から薫を出し、店屋の中に入って行く。

 「やべっ!」

 遅れない様にしっかりとついて行く。

 黒い車は何処かに行ってしまい前ががら空きになったので中の様子を窓から探る。

 バーズの中は意外と広く、入れようと思えば50人くらいは入れるくらいはあった。

 しかし、肝心の薫の姿がなかった。

 「どこだよ……」

 中を窓から探っていると一番奥の部屋から誘拐した黒い男達がでてきた。

 「こっち来る。」

 男達は薫を持っておらず店屋から出て行く。

 「行けるか?」

 黒い服の男たちが見えなくなるのを確認してから店屋に入り、男達がでてきた部屋に入る。

 「薫っ!」

 そこには椅子にくくりつけられてタオルを口に噛まされるようにして動けないようにされている薫が家具も何もない所に一人いた。

 「ん?んっ!ん~ん~」

 「今助ける、ちょい待ってろ。」

 薫の後ろに行き椅子にくくりつけてある縄を解き、口のタオルをはずしてやる。

 「ぷはぁ、息苦しいですね何ですか?この状況は。」

 「話は後だ逃げるぞ!」

 俺は薫の腕をとり走ってドアに向かおうとするが、

 その時ドアが勝手に開いた。

 そうして現れたのは……

 

―――・―――・―――・―――・―――・―――

俺はバーズに到着ししっかりと誰もいないか確認しながら店の中に入る。

奥の部屋が怪しい気がして慎重に開けて入る。

「大丈夫か?薫、愁。」

 「志堂かよ、驚かせるな。」

「そんなこといいから早く逃げるぞ!」

 もう一回ドアを開き奥の部屋から抜け出すと玄関にごつい黒い男が1人立っていた。

 「なんだこのがきゃぁ?」

 「非常にまずいね~」

 「あらいい体つきですこと」

 「「「「………」」」」

 この言葉にはそこにいた薫以外の全員が固まった。

 あんた状況分かってます!?

 「まぁ、そのなんだ?痛い目見たくなきゃ早く奥の部屋に戻れ。」

 煙草をくわえながら言ってくる。

「い・や・だ!」

 「ほう、じゃあ嫌でも言う事聞かせてやろう」

 いったんくわえた煙草を黒服男は戻しこちらにゆっくりと近づいてくる。

 「どうすんだよ志堂!」

 「4人なら行ける、みんな囲むように立ってくれ!」

 まずは足を崩して、せめて薫と紫穂を逃がせればいい!

「ガキが、何やっても無駄だよ!」

 男は俺の方向に走ってくる。

 集中しろぉ……

 「志堂、これ使え!」

 そう言い愁はそこら辺に落ちていた木の棒を投げてきた。

 「あり。」

腕を振り上げ腕が振り下ろされる。

 そこっ!

 「めぇぇぇええええんっ!」

 勝負は一瞬だった。

 「こんな所で剣道の技術が役立つとはな。」

 「ナイスだ、さすがだな。まぁ血がでてるけどな。」

 え?

 「うわああああああああああ、すいませんすいませんすいませんすいませんすいませんんんんんんんんん。」

 男の頭からどくどくと血がでておりピクピクしている。

 「よし、いまの内に逃げるぞっ!」

 ひたすら謝ったので逃げる事にする。

その後は無事に逃げられて警察に連絡をし、無事事件は解決。黒い服の男達は人攫いで金を巻き上げていたそうだが、子供相手で油断をしていたそうだ、俺が血を流さして瀕死になった男は病院に運ばれてただ頭が切れただけだそうだ。

 事件が終わりみんなで公園に集まる

 「みんな無事か?」

 「ああ」

 「うん」

 「ええ」

 「攫われたって聞いた時は本当にやばいと思ったけどみんな無事でよかったよ……」

 目に涙が浮かんでくる。

 「泣いてんのかぁ?」

 「うるせぇ!」

 愁がからかうように言い涙を服の袖で拭く。

 「なぁ、俺達の合い言葉って言うかその、呼び名みたいなのさ『つらい時でも一緒に戦った仲間』にしないか?一緒にこの苦難を分かち合って一緒に戦って仲間を守り抜いたじゃないか。どうだ?」

 「俺は異議ないよ~」

 「かっこいいね。」

「かっこいいですね。」

 「じゃぁ俺達だけの合い言葉!」

 「「「「つらい時でも一緒に戦った仲間!」」」」

 

 

 「って言う事。」

 「そんな事が昔あったのか……」

 俺はいまだにそんな事があったなんて覚えていない。

 「湿っぽくなったね、今日はこの辺でお開きにしようよ。また学校でね。」

 そう言い愁は立ち上がり帰る。

 そのあとをオルナさんも待って、としっかりと追いかけて行く。

 「ナイト……」

 ネロスが心配そうな目で見つめてくる。

「まぁ昔の話だからさ、知らないけど……」

 蜃気楼見たく、目には見えるけど掴みとれないそんな感じの気持だ。

 「さ、俺らもそろそろ帰ろうぜ?」

 「うん!」

 ネロスは笑顔になり伝票を持ちレジに向かう。

 「あ!」

 「うおい、どした?」

 ネロスが伝票を持って呆然と立ち尽くしている。

 「どうしたんだ?ネロスさ~ん。」

 「……ん」

 「へ?」

 「代金……ちゃっかり、おごらせられた」

 「……」

 ちゃっかりした友人だな!

 店から出て森の中を通り家に帰る。

 「ナイトにあんな事があったなんてね。」

 「俺も知らなかった。」

 「まぁ焦らずに行こうよ?あ、またあの愁さんと二人で会ってもいい?」

 「別にいいよ。」

 二人って言う事が気になるけどネロスも思う所があるんだろう。

 「ねぇナイト、聞くの忘れてたんだけど。」

 急にネロスの声が強張る。

 「なんでしょうか?」

 「話しに出てきた薫さんとか紫穂さんとはどういう関係なの?」

 「薫や志穂の記憶はあるけど幼なじみの関係ですよ?」

 「そういうのじゃなくて……彼女とかっ?」

 ネロスは鋭くさせた目で髪の毛の隙間から睨んでくる。

 怖いでっす!

 「そんな関係じゃないないない!」

 「ホント?」

 「ああ。」

 断言はできないけど………

「ならいいわ。」

 はぁ~

 そんな関係じゃないんだと思うけどな~

 一応愁に確認してみるか。

 「よし、今日はナイトの事を知れた記念に豪華な食事を用意しちゃうわよ!」

 「おお!」

 「早く帰って食べよ?」

 「よっしゃ。」

 夕暮れの森、ネロスと晩御飯の話で盛り上がり、今日は色々な事があって色々なことを思い返した帰り道であった。



友達も出ちゃいました。

さて、ここからどうなるのでしょうか、私も読み返してみて、こんなのあったあったと一人で違った楽しみ方をしちゃいましたw

次が個人的には一番好きですね。

よろしければ次回も見てください!

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