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ウィザナイ  作者: あつあに
2/6

第1魔法   出会いからパートナー

ホントに読みにくい作品なので覚悟してください!

「どう?これで信じる気になった?」

 少女は魔法を使う事を『当然でしょ』と言いながら涼しい顔で使った。

 こんなものを見せられたら俺でもここが日本じゃないと分かる。

 それ以前に地球でもないって。

「うそだろ?マジで俺は違う世界に来たのか?」

 俺は手で顔を隠すように考え込んでしまった。

 「あなた、ここの世界じゃないってどうゆうこと?」

 少女は俺の顔を覗き込みながら問ってきた。

 俺を見つめてくる瞳は真剣そのものだった。

 「それは……。」

 俺は答える事が出来なかった。

 それもそうだろ?いきなりこんなことになったんだ、普通は状況が整理できないだろう?

 「まあ今は考えても仕方がないわね?」

 「ごめん、今は自分自身でも何が起きてるのかわからないんだ。」

 「そっか、話せるようになったら話してね?」

 少女は笑顔で言ってくる。

 俺は頷くことしかできない。

 「ところでぇ何処か住む場所、当てがあるの?」

 「いや、これと言っては……てか、ない………。」

 「だったら私の家で暮らさない?」

 は?

 いやいやいや何言ってるんですか?

 「ちょうど人がほしかったのよねぇ、ねえどう?」

 「いや、それはまずいでしょう………」

 「なにがまずいの?」

 少女は大きな瞳で俺に問う。

 そんな瞳で、真顔で言うなよ!恥ずかしいだろ!

 俺は思わず顔をそむけてしまう。

 「まさか……変なことするの!?」

 「しない!それは断じてない!」

 「そこまで言われたらちょっと傷つくな……」

 瞳がうるんできた、やばい泣かしちまった!

 「ごめん!そうじゃなくて、周りから見て若い男女が2人で暮らすというのは、ちょっとまずい関係に見られたりしないかなと思って。」

 俺は必死にごまかすことが出来たが。 

 「周りに人なんていないし大丈夫よ、お願い!」 

 お願はしないでくれ~かわいすぎる!

 「どうせ行く場所ないんでしょ?」

 ウッ

 「野宿でもするの?」

 クッ

 「ここらへんは野生のモンスターがでるよ……寝てる間に食べられて………」

 「みなまで言うなぁぁぁぁあああ、分かった一緒に暮らします!よろしくおねがいします!えっと~名前は?」

 そう言えば自己紹介してなかったな。どんな名前なんだろう?

 「そうだったわね、私から名乗らせる気?命の恩人から名乗らせるの?」

 「分かりました。俺から名乗らせていただきます!」

 命の恩人だしね!俺から名乗ってもいいと思うし!

 「俺の名前はかっ!きしっ!どうっ!夏木志堂です!」

 やべ噛んだ!こんな噛み方あるか?普通よぉ~!

 「ふぅん『カ・キシ・ドウ』ねぇ、やっぱ騎士なんじゃない、じゃあ、あなた今日からナイトって呼んでいい?」

 「ナイト?いや俺は『かき、しどう』なんだけど………」

 「何でも良いじゃない。私はナイトって呼ぶわ!」

 「普通『カ』何て名字いるか?」

 「普通はいないわよ、でもあんたこの世界の人間じゃないんでしょ?なら普通の名前じゃなくても納得がいくわ。」

 少女は当然っ!と言った様な顔で力説をした。

 「でもだな、俺の名前はか……」

 「もう!うるさいわね!私はナイトって呼ぶって決めたの!いいからそうしときなさいって。」

 俺がちゃんと言い直そうと思ってたのによぉ!

 話を遮るなよ!

 何て俺は言えるはずもなく

 「そうだな。」

 と言って逃げてしまう。

 なんてカッコ悪いんだ……

 返事をした後に少女は咳払いをしてから「私の自己紹介の番ね」と言い紹介を始める。

 「私の名前はネロス・ヴァ―シュル・エリアよ!ある理由があって一人で暮らしているわ、トイスタナル魔法学院の1年生、魔法は今は何にするか決めてないわ、でも火の魔法は得意ね。」

 「魔法って自分で選べるのか?」

 「一人一人あった魔法があるでしょ?でも、その魔法以外がやりたいっていう人は違う魔法を学ぶのよ。」

 「そんなものなんだな。」

そうよ、とネロスさんは言いながら二人の紹介が終わった。 

 「あなた魔法とか使えないの? 前の世界ではどうだったか知らないけど、この世界に来たんだったら使えるようになってるかもよ。」

 「そんなことあるのか?」

 俺は『魔法が使えるかも』と言う言葉に少し心をひかれながらも疑いながら聞いてみた。

 「そんなの知らないわよ、別の世界から来たなんて言う人に事態、初めて会ったわ。」

 ため息交じりにネロスさんは言う。

 「あっ!そう言えば………」

 ネロスさんは何か思い出したみたく大きな声で叫んだ。

 「あなた剣とか使える?ナイトだから使えるわよね?」

 「ああ、真剣は握った事は無いが木刀ぐらいだったら使った事はあるぞ。」

 何を隠そう俺は剣道2段を持っている。

 俺の家は昔から『由緒ある家柄だから家の為にも剣道の段を取れ』と親に言われて死に物狂いで鍛えたからな………

 「だったら、ナイトあなた私のパートナーとなって学院の行事に参加してくれないかしら?お願い!」

 こちらとしては断る理由もないし、家に1日中いるのも退屈だし、家に居候させられてる身だし……別におねがいする姿がかわいかったとかじゃないからな!

 「ああ、いいよ。」

 「本当に!? やったぁ!」

 凄い喜びようだな、よっぽど嬉しかったのかな

よかったよかった

 喜びながらネロスさんは『ちょっと待ってて』と言って立ち上がり何処かへ行ってしまった。

 どうしたんだろ?

 数十秒たってネロスさんは帰ってきたのだが、何か左手に紙らしき物を、右手には筆らしきものを持ってきた。

 そうして俺の前に突き出し

 「ここにサインしてくれない?」

 と言いだしてくる。

 その紙には見たこともない文字が書いており読めなかった。

 「これって何て書いてるんだ?」

 「行事に出る為のサインよ。」

 「ふぅ~ん。」

 俺は疑いながらも筆記体で自分の名前をそこに書く。

 「これでいいか?」

 書いた紙を見てネロスさんは満足げに顔をあげて

 「ありがとね。」

 と笑いながら言う。

 お礼って言われると恥ずかしいものなんだな。

 頬が熱くなっていくのが感じるように分かる。

 よく真顔でそんな事が言えるな。

 「ねえ、いつまで外にいるの?明日も早いし早く寝ましょ?」

 「そうだな、中に入って残りの飯も食べて明日に備えるぞ!」

 俺は拳を作った腕を振り上げて気合を入れる。

 ネロスさんも「その意気その意気」と言う。

 その乗りのまま、部屋に入り食事を終わらせる。

 「食器は私が洗っとくからあなたはお風呂にでも入ってて。」

 色々と考えたい事もあるしな

 ここは

 「じゃあお言葉に甘えて……。」

 ネロスさんはいやがるそぶりなんて見せずに笑顔たっぷりで手に洗剤をつけながら

 「ごゆっくり~。」と言う。

 ネロスさんの言葉に押してもらいながら俺は風呂場に向かった。

 そして脱衣所に来て服を脱いで生まれた時の姿になって気がついたんだ………

 

 替えの服がないぞ!

 

 どうしよ……

 考えても仕方がない!聞こう。

 「ネロスさ~ん、何か男物の服持ってない?

 と言った瞬間ネロスさんが脱衣所に来た。

 俺はドアから顔だけ出す感じで見ていた。

ネロスさんが足音を立てながら近ずいてくる。

 「ああ、確かに来たばっかりで何も持ってないわよね。明日はもう1日その服着たらだめ?明日からは何か買っておくから。」

 「僕は構わないけど、ネロスさんは大丈夫なの?僕のためにお金使って。」

 居候させてもらってるだけでもありがたいのに・・・服まで準備してもらったらさすがにまずいんじゃないか?いやまずいだろ……

 俺が自問自答していたら

 「ああ、そこは大丈夫だよ。パートナーで助け合うって言うのも契約書に書いてあるからね、ちゃんと準備するから。」

 「でもやっぱちょっとな……」

 「もうお金払えないんでしょ?だったら仕方ないじゃない!」

 クッその通りだぜ

 「ないなら甘えてなさい!」

 でもまずい、ここまでさせるのはまずいよな……

 考えろぉ~考えるんだぁ~

 その時、頭に電球が出てきた

 「なら、俺が家事とかやるよ、洗濯とか掃除とか他にもやれる事があったらやるから!」

 折れてくれ!頼みます!

 「そこまで言うなら、いいけど………でも本当に大変な時は頼ってね?それがパートナーだから。」

 「分かったよ。」

 二人で笑い合いながら二人はそれぞれ思っていた。 

 ネロスは1人暮らしではなくなったんだ……

 志堂はこの世界でもう1人じゃないと、パートナーがいると……

 「じゃあ明日はもう1度あの服着るようにするよ。」

 「うん。よろしくね。あと、私の事はネロスって呼び捨てにしてくれて構わないから。」

 「そう?分かった。じゃあネロスって呼ぶよ。」

 名前を呼ぶと顔が赤くなっていく

 「慣れないな……」

 「慣れなさいよ……」

 ネロスはそう言いながら恥ずかしさから目を合わせようとしない。

 「じゃあ、私は行くから。」

 「ねぇネロス、タオルって何処あるのかな?」 

 「あれ?なかった?ちょっと失礼しま~す。」

 ネロスは何の迷いもなくドアを開ける

 「ちょっ!ネネネネロスッ!何やってるのさっ!」

 ドアを開けたら勿論裸なわけで

 「きゃああああああああああああああああああああ」

 パチーーーーーーーン

声と同時に何かを叩く音が聞こえた。

 分かった人は勘がいいね

そう俺の頬がビンタされた音だ。

 ひりひりするぜ……

 「なんで何も着てないのよ!?」

 ここ脱衣所ですし?そりゃ何も着ませんよ!

 と心の中で突っ込みながら宙を舞って1回転し見事に顔面から着地!

俺は転んだままなのだが、ネロスは顔を赤くして頬を叩くだけで終わらず体(おもに脇腹)を蹴ってくる。

「勝手にネロスが開けたんだろ!? 俺のせいじゃないね!」

 「裸でいるなら、それぐらい言いなさいよ!見ちゃったじゃない!」

 見ちゃったってマジかぁぁぁぁぁぁぁ

 見られたのかよぉぉぉぉぉぉぉ

 俺は恥ずかしさから言葉が何も出ず無言のまま床に伏せて悶絶。 

 お互いが黙る空間が続く……

 気まずすぎる………

 「私まだかたずけあるから……タオルはそこの引き出しね?今見た事は全部忘れましょ。」

 ネロスは気まずさに耐えきれずにお互い忘れるという条件で脱衣所を後にした。

 俺も忘れようと心で思いながら風呂場に入った。




 お湯が心地良い

 傷がいやされるぅ

 「生き返った~」

 この風呂は大きさが普通よりもちょっとでかくて、大人4人は入れるかというぐらいの大きさだ。

 「結構広いよな、もしかしてネロスって何処かのお嬢様なのかねぇ?」

 この世界には来たのが初めてだから、もちろんどんな家がお金持ちとかは知らない。

 だが日本でいうと普通よりは確実に大きいという事はわかる。

「考えても仕方ねぇよな、なるようにしかならないもんな……明日からどうしよう。やる事ないんだよな……」

 長い間考えていると頭がくらくらしてきた。

 のぼせたのかな?

 そろそろでよう。

 風呂場の扉を開けタオルで体をふく

 いいにおいだなぁ

 ネロスの匂いなのかな?

 女の子の匂いなんだよな、こう甘いというか、何て言うか……まあ最高の匂いなんだ!何回嗅いでも飽きないような………うへへへへ

 こんな匂いで夜そういう状況になったら……

 

 「ねえナイト?始めて見たときから、あなたの事気になってたの………」

「ネロス………」

「あなたに名前を呼ばれるために、幸せになれるの……あなたに見つめられるたびに、体が熱くなるの……あなたと話すたびに、心が痛くなるの。」

「なんで痛くなるんだ?」

「あなたが何処かに行ったりすると思ってしまうの……家を出て行くのかと思うの………だから……だから………」

「ネロス!俺は君を捨てないよ。俺も始めて見た時からすごくかわいいと思った。こんな子と付き合えたらどれだけ幸せだろうって!」

「ナイト……私を慰めてくれない?」

ネロスは上目使いで見てくる

「勿論だネロス!」

「あっ……あ、ああああ………」


って

だああああああああああああああああああああああ

俺は何を考えてるんだ!

 居候させてくれるという優しい女の子を使って何の妄想をしてるんだ!

 俺のばかやろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ

早く拭いてネロスを風呂に入れてあげよう。

 

 

 「お先にいただきました。」

 「分かったわ、じゃあ入ってくるから。」

 ネロスはそう言い、着替えなどを持って風呂場に向かう。

 そして、ちょっとして風呂場の扉が閉じられた音がする

 

さて何しようかな。

 

 「………」

流石に人の家だしな

 でも女の子の部屋だぞ!?

 男ならだれでも1度は夢を見るよな?

 それはあたりまえなんだ!

 でも、部屋を漁るというのはどうなんだ………?

 男として、いや人としてどうなんだ……?

 クズか……クズだよな………普通に考えたら


 でも夢があるなら、その夢をつかみ取るのが男だろッ!?


 おれは『このセリフ名言じゃね?』と心の中で思いながらタンスを開こうとしたその時、

 「なにやってるの?」

 「ッ!」

 涼しくそして凛とした声が俺の動きを止めた

俺が壊れかけのロボットのように振り向くと、後ろにはタオルだけを体に巻いて仁王立ちしているネロスがいた。

 「お、おおおおおおお、お早い、お帰りで……」

ネロスは眉間にしわを寄せて顔をおでことおでこがくっつきそうなぐらい近ずけてきた。

あの、ネロスさん?そんなに眉間を寄せたらしわになりますよ……

「着替えを取りに来たのよ。そんな事より……」

ネロスはたっぷりと息をためて、

「部屋を漁ろうなんて思ってないわよね…?」

 「なに言ってるんだ!居候させてもらってる身で家主の部屋を漁るだなんて、漁ってあんなことやこんなことが出来たらいいなとか思ってないぞ!絶対に思ってない!」

 「もういいわ!あんたがこんな人だったなんてね……罰として今夜は外で寝なさい!」

 「ちょっと待ってくれよ、外こぇよ。」

 「黙りなさい。あんたが何もしなかったらこんなことにはならなかったでしょう。」

そう言い放ちネロスは部屋を去ろうとしたが、俺は追いつめられてこの言葉を口にしてしまう………そう禁断のあの言葉だ。

 

「何でも言う事聞きますからお願いします!部屋を漁ろうと思ってすいませんでした!」

 

 よくあるよね、悪役の最後の命乞いとしてよく言うよね……

 その言葉を言った瞬間ネロスは振り向きこちらに歩み寄ってくる

 そして目線を下げ俺を見下ろし言った

 「その言葉に偽りは混じってないわね?」

 「ああ、偽りなんてない。言われた事は何でもするから、外だけは嫌だ、野宿なんて怖すぎます。お願いしますネロス様ぁ」

 野宿は嫌だと言いながら土下座で頭を下げる俺……

格好悪すぎる…

「なら」

と言い部屋を出て行き、また数十秒して左手に紙、右手にペンと何故だかインクらしき物を持ってきて俺に見せる。

 「ここに自分のサインと母印を押してちょうだい。」

 「これには何て書かれてるんだ?」

 俺は土下座の状態で顔を上げネロスに問う

 「あなたに知る権利があるのかしら?何でも言う事聞くんでしょ?早くして。」

 「すいません!早くサインします!」

 「母印はここにしてね。」

 「はい!」

 俺は言われるがままに筆記体でサインとネロスに支持された場所に母印を押した。

 「ありがとね?」

 そう言うと突然ネロスは顔を近付け唇と唇が重なり合う

 「ッ!」

 顔が熱い

 キスって頭が回らなくなるな……なんか変な気持ちになってくる

 キスをした直後にネロスが持っていた紙が目を閉じなくてはいけないぐらいの輝きで光り出す。

 「よし、完了よ。あなたはこれで私の婚約者でありナイトよ。」

 は?

 婚約者って?

 ナイトって?

 「よろしくね、ナイト。」

 満面の笑みでネロスは腕を差し伸べてくる

 「あ、ああ」

 俺もつられて握手をする

 だが、意味が分からない。何なんだ、婚約者ってナイトって?

手を握り合い嬉しそうにはしゃいでいるネロスに聞く事にする

 「じゃなくてだな、どういうことだ?私の婚約者とかナイトとか何とか、そしてよくも俺のファーストキスおおおおおおおおおお。」

 「儀式は完了したし教えてもいいかな。」

 と言いネロスは近くにあった椅子に腰かけ話を始める

 俺は床に正座する形で座り、タオルで体を隠したネロスと向き合う

 ネロスは足を組んでいる状態で、その、いまにも見えそうだった。

 普通なら見てしまう、見てしまうよな?

 でも見えないんだ………

 そう

「ぎりぎりで見えねぇ……」

 ドスッ

 部屋中に鈍い音が響いて音と同時に俺は床に伏せっていた。

 声に出さなければ見えていたのに………

「あんた最低ね……人としてどうなの?」

 「お前の格好が駄目なんだろ?まず風呂にでも入ってきたらどうなんだよ!」

 「いやよ!また部屋荒らされるかもしれないし。」

 「しねえよ!そんなに心配なら俺をそこら辺の物に俺をくくりつけておけばいいじゃねえか!」

その言葉を言った時ネロスの目が光る。

いや、光ったように見えた。

「そうね……それがいいわ!ナイスアイディアよ!」

へ?

その言葉を発しネロスは別の部屋に行ったと思ったら縄を持ってきた。

「まさか……本当にするの?」

俺は目を見開き、座ったまま後ずさりしながら言う。

ネロスは前かがみになりながら俺を追って少しずつ迫ってきながら言った。

「そうでもしないとあんた……漁るんでしょ?」

そんな冷たい目で俺を見ないでくれぇ

「そんな事はないぞ!見ない!絶対に見ない!」

「そこまで言われたら、なんか悲しいわね……」

ネロスの目に滴が出てきた。

これはまずい……

俺には決めている事がある。

どんな理由があれ女の子を泣かせるのは駄目!

一度愛した女を泣かせるのはもっと駄目だ!

ネロスを愛してるわけじゃないけど………

とにかく女を泣かせるのは駄目なんだ!

理由は一つ

泣いている顔より笑っている顔の方がかわいいからに決まってるだろ!?

だから!

どんな事があっても!



女の子を泣かせるクズにはなりたくねぇ!



「ネロス……」

「何よ……」

ネロスは今にも垂れそうになっている滴を手で拭い俺を睨んでくる。

「今の言葉は全部ウソだ!ホントは漁る気だったよ。」

我ながら何を言っているんだ……

「漁る気だったよ」って白状してるし。

こんなことで泣きやんだら凄いな………

「ホントに!? 漁る気だったの!?」

なんでテンション上がってんですか!? ネロスさん!?

よし、ここは乗ってやる。

「あ、当たり前だろ。こんなかわいい子の部屋を漁りたくなるのは当然だよ。」

「本当に!? 私ってそんなに魅力的!?」

「ああ、俺でもこんなかわいい子にはあった事がないぞ!」

「本当に!? 本当にぃ!?」

褒めれば褒めるほどネロスのテンションはどんどん上昇してきた。

「料理もうまいし、顔は可愛いし、完璧だ!完璧すぎるよ!ネロス、君は最高だ!」

俺はこれ以上何も出ないくらい、息がしにくくなるくらい、褒めて褒めて褒め倒した。

「やったぁ!私は最高~♪完璧よ~♪」

ネロスはのりのりで唄を歌いだす。

そんなにうれしかったのかな?

「じゃあお風呂言ってくるね~♪」

ネロスはのりのりのまま「私は最高~♪私は完璧~♪」と歌いながらお風呂に向かって行った。

ハァ、何か一気に疲れた………

「ナイト、やっぱり見るのはやめてね?」

ネロスは上目遣いで見てくる

こんな目でお願いされたらどんな男の人でもこう言うだろうな。

そう、笑顔で!

「勿論だ!」



数時間経ってネロスがお風呂から上がってきた。

お風呂から上がってきたネロスはまた綺麗だった。

髪についた水滴が歩く振動で少しづつ離れて床へと落ちていく。

着ている服はおへそが出ていてピンクの服

色っぽい!

また違ったかわいさだ!

そんな俺の気持を知ってか知らずか

「こほん。」

と、わざとらしく咳をして頬を染めながら

「あんまり見ないでよ……」

「ッ!」

駄目だ、意識するなぁああああああああああ

「じゃあ改めて説明するわよ。」

「お、おう!」

返事をした時にネロスの口が嫌な笑い方をしていた。

………まさかね?この子に限ってそんな事………

「私が通っている魔法学院で行事があるっていうのは教えたわよね?」

 「ああ、教えてもらったよ、それとなにか関係があるのか?」

 「この行事に参加する条件は『パートナーは婚約している者とする事』よ。」

 「婚約?」

 「そう……さっきあなたに名前を書かせたのは婚約書よ!」

 「ああ、確かにさっきそんな事言っていたな。」

 「もう冷静に聞けるのね……つまんない……」

 え?

 「今何か言ったか、ネロス?」

 「え、何も言ってないわよ?……そこは流せよ、からかってるんだから……」

 「……」

 小さい声では言ってるけど、確実に聞こえてるんだよね………

 『そこは流せ』とか『からかってやってる』とか……

 「そ、そうか、続きを聞かせてくれよ。」

 「……チッ………わかったわ、教えてあげる。」

 今完璧に舌打ちしましたよね!?

 「えっと……なんか、性格変わってきてない?」

 「へ?何が?私は最初で会った時のままだよ?」

 ネロスは上目遣いで俺の方見て来て目をキラキラ輝かせている。

 そうだよね、こんなかわいい子が性格悪いはずがない!

 「そうだな、俺の間違いだな、ごめんなネロス。」

 「ううん、平気だよ。」

 よかったいつの間にか元に戻ってる。

 「婚約をするとパートナーとなって婚約者であり続ける限りお互いを守ることを誓うの。」

 「婚約者の件は分かったけど、俺でよかったのか?」

 「だって私好きな人もいないし、パートナーには剣士にしたかったの。小さい頃私が初めてラヴァーズ・バトルを見た時ね……」

 「ちょい待ち、ラヴァーズバトルってなんだよ?」

 「競技の名前よ!察しなさいよ!」

話の腰を折ったせいかネロスは不機嫌になり、強い口調で言ってくる。

 「すいません………」

 俺は一応謝りそのままネロスの話を聞く事にする。

 「ホント何考えてるのよ、これからなのに。まぁいいわ、そうそれは私が小さい頃……」

 そこからなんですね!?

 俺はさけんで突っ込みたかったがまたネロスの機嫌が悪くなるのも嫌なので何も言わずに聞くことに専念する。

 「ラヴァーズバトルを見た時私は好きになったチームがあったの、そのチームはその時の大会で優勝して『不滅のウィザード・ナイト』と呼ばれていたわ。」

 「なるほどなぁ、その時の人たちは魔法使いと剣士のチームだったのか、だからネロスは剣士がよかったと……あってるか?」

 俺はエアメガネを指であげ知的に言う。

 「その通りよ、勘はいいのね。」

 勘はってなんだよ、でも褒められたのは素直にうれしい。

 「でも俺以外にも学園には剣士がいるんじゃないのか?」

 「あんた………魔法学院よ………?いるはずないじゃない。」

 ネロスはため息をつきながら言った。

 「でもその優勝した所は剣士だったんだろ?」

 「別に学院内で相手を見つけろって言ってるわけじゃないからそこら辺にいる剣士でも婚約していれば参加出来るわ。」

 そこら辺の人って……俺もそこら辺の人じゃん。だから参加出来るのか、納得だ!

 「でも俺剣も何も持ってないぜ?どうやって戦うんだよ……」

 「剣ねぇ……あっ!あれがあったはずだわ。」

 ネロスは何かを思いついたように家から出ていく。

 「何処かに行っちまった……。」

 ん?

ネロスはいないと言う事は……

 俺の頭の中で最低な考えが浮かぶ。

 そう、それは


こりずに部屋を漁る!


 でもさっき注意されたばっかりだしなぁ、これから止めてもらうんだしやっぱりやめとこうか………

 俺は大人しく部屋で待つことにした。

 ネロスが帰ってくるまでの時間は長く俺はまぶたを閉じてしまう。

 今日起きた出来事が頭の中で整理されていく

 実際言うと俺はこの世界に来るまでの記憶がない、でも記憶喪失とかではない、親の名前だって住んでた場所だって分かる、でもどうやって来たかは分からない、気が付いたらネロスの家から始まっていたから何が原因でここに来たかもわからない。

 俺は考える事にした、頭の中で色々と考えていくうちに俺は深い闇へと吸い込まれていった。


本当に読みにくい作品だったと思います。でもこれが、僕の精一杯でした!

ここまで読んでくれただけでも感謝です。

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