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天国に行くのはちょっと待て

作者: 夏山繁樹

とうとう生まれて半世紀が過ぎました。最近では歳のせいか元々の近視に加えて手元が見づらくなってきました。鼻はスギ花粉症の影響がこの時期になっても残っています。歯も被せや差し歯だらけ。布団の中でゴロっとした途端にぎっくり腰になったりします。髪の毛はたっぷり生えてはいるのですが、白い部分が隠せなくなっています。このように体中あちこちにガタがきています。ただ性格は善いようで、“お前、ほんまにえー性格してるで”としばしばお褒めにあずかります。精神的にはとにかく肉体的にはボロボロでそろそろ現世に見切りをつけて来世の心配をすべきとのようです。いつお迎えが来るかはわかりませんが、来たときにはジタバタせずに、現世のことは皆様にお任せして、棺桶の中でじっとしておきます。落語“片棒”のように自分が出て手伝うと大問題になると思いますので・・・問題は三途の川を渡ってからですが、他に中小零細業者が幾つかあるのかもしれませんが、大まかには(株)天国と(株)地獄の2大業者がシェア争いをしているようです。素人はぱっと(株)天国に決めてしまいがちですが、ここはひとつ落ち着いて考えてみましょう。明らかに天国は神様の独裁制。にもかかわらず何故か素晴らしいところという情報が独り歩きしています。天国の想像図といった絵画やイラストは色々と存在しますが、動画はもとより写真すらない状態です(私が知らないだけかも知れません)。日本から見てどっか北のほうに地上の楽園というのがあるそうです。そこがどんなとこであるかは説明の必要はないと思います。天国というのは正真正銘の本家本元の元祖楽園本舗です。“天国良いとこ一度はおいで”とステマだらけですが、しかし一度行ったが最後、帰って来れないどころか、連絡さえ取れないようです。これはもう行かないのが賢明ではないでしょうか。とある研究者によると聖書の中で悪魔に殺されたのは10人程度ですが、神様に殺された人は大洪水を除いても200万人以上いるそうです。おまけに永遠の処女なんて方もいらっしゃるようです。40年ものでも恐ろしいのに永遠とは・・・。では死んだあとはどうすればいいのか。そのあたりをフラフラと彷徨っていればいいのか。お盆でもないのに傍迷惑ではないのか。そんな貴方にお奨めなのが六道輪廻の中の餓鬼道です。そこではなんでも美味しくいくらでも食べられて、なおかつどれだけ食べても太らないそうです。ダイエットの苦労の無い世界です。毎食後に苦労してダイエットをしている私からすると夢のような世界です。“俺、死んだら餓鬼道へ行ってフードファイターになるんだ。”


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