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ノイドsideー03
気がつくと、仰向けに倒れていた。頭が痛い。なんで倒れてるんだ?
そうだ、ミサイルだ。
陸は体を起こした。側に橘が倒れている。陸は橘の肩を揺すった。
「うっ・・・一体どうなったんだ?」
「ミサイルだ。でも大きな被害は出なかったみたいだ」
先ほどと景色が変わった様子はない。
「毒ガスだったのかもしれない。調べないと!」
橘はそう言いながら立ち上がった。陸も立ち上がる。
「ミサイルが落ちた方向って・・・」
陸は一つの重大な事実に気づく。それを悟った橘が息を呑む。
「高校だ・・・菜々!」
陸は走りだした。
この東京外はスラム街と化しているものの、電気や水は通っており、ノイドたちの努力により新東京と見違えるほどの綺麗さを保っている地域も少なくない。
そのうちの一つが昔高校として機能していた校舎だ。今は高校生活を送っているであろう年代の青少年たちがここの寮に住み着いている。彼らだって青春を謳歌したい。そんな一心でここで生活しているのだ。
陸もそこで生活していた。そして大事な友達もそこにいた・・・