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-SAMIRENA-  作者: セミ
6/10

6話;任務

キャラクターの名前が数字なので なかなか分かりづらくなってしまうよぉ…。





とある部屋で、小さな女の子が机を前に本を開いていた。

しかし目線は本ではなく、机に落書きされている数字。

「No.3307…あなたも考えているのでしょう…?」

ため息を一回して本に目を移した。

〈―世は友と共にあり、邪は背後で蠢[うごめ]く―、〉

この一文に目が止まった。


コンコン!!


ドアを叩く音が聞こえた、女の子は本を閉じて椅子をおり、扉を開けた。

そこには青年が立っており一言口にした。

「任務だ。」



《*》






昨日、イリアに教えてもらった大きな木のある草原が、鮮明に頭に浮かぶ。


「ど…どうしたの‥?」

ボケッとしている私を見て、カジキが私に話しかけてきた。

「あ…ぃえ…‥、別に‥…。」

私はいつものベランダから空を眺めた。


鳥は自由に空を舞い、色々な世界を見て回っているのだろう。

風と言う水を羽でこいで、空と言う海をおよぐ彼等を羨ましく思えた。


「外‥、遊びに行く?」

「え!?」

「まぁ〜、こっそりと…内緒でね!!」

私は一度、外の景色を一通り眺めてからもう一度カジキの方へと向き直した。

「行く?」

「…うん!」



《*》





薄暗い廊下を青年と女の子が歩いていた。

「…‥。」

「…‥。」

2人は無言のまま少し離れて歩き奥の部屋に進んだ。

扉を開けるとそこには先に席に座っている者がいた。

「おぉ!!『No.8732』、遅ぇいぞぉ!!」

「『No.00』!!こっちこっち!!隣、隣!!」

「…ぅるせぇ…‥。」

そこには小さな男の子、非常に明るい女性に口の悪い男性、3人がいた。

2人も席に着き、目の前にいる白衣の男性が話し始める。

「任務内容の確認だ。

目的は『実験体 万能戦闘型カプチ体 No.3307』の回収だ。」

白衣の言った

「回収」

という言葉にあの女の子は反応し、睨みつける様に白衣の男性を見た。

しかし白衣の男性はお構いなしに話を進める。

「『No4374.』『No.4696』『No.7116』は障害となるものの排除、」

先に席に着いていたあの3人の事だ。

「『No.8732』は目標に直線あたれ、」

あの女の子の事。

「そして『No.00』、お前はその時の状況により判断、行動しろ。」

これは最後に残った青年の事だ。

白衣の男性は続ける。

「今から5時間後、任務開始だ‥、いいな。」



白衣の男性はその説明だけを終え部屋を出ていく、部屋にはあの5人が残った。

「さぁて、今のうちにゆっくりとゴロゴロしてよっかね!!!」

「あ〜、5時間かぁ〜早く会いたいなぁ〜。」

「‥…‥。」

「一応任務という事を忘れるなよ…。」


部屋は急に静かになった。

しかし部屋には1人、女の子の姿が残っていた。

一度会ったあの時の彼女の顔が頭に浮かぶ。


―帰リタクナイ―


あの時すでに彼女の気持ちはハッキリと分かっていた。

女の子の手に力がこもる。

「…私がいますからね‥。」




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