10話;戦火直前
最近調子乗って書いてます…。
「おい、イリア!!
直ぐにこの施設全体に戦闘警戒命令だせ!!!
カプチ体が来るっ!!」
私はカジキにまた手を引っ張られながら猛ダッシュでこの建物の中に帰ってきた。
「はいはい、ごまかさなくていいから、それよりも外出許可取らないで出かけたでしょ。」
「本当なんだって!!
サミレナの仲間が直接来てくるって!!!!」
「…敵が教えてくれる?
…普通。」
「中に仲間がいて、そいつが教えてくれたの!!!!!」
イリアは私を見た。
「本当…なの?」
私はうなずいて応えた。
この建物は集合住宅のように沢山の人が住んでいる。
アナウンスを入れれば全ての部屋にいきわたるようになっているのだ。
「緊急戦闘警戒命令発令、緊急戦闘警戒命令発令、『レール』からカプチ体4体が攻め込んでくるという情報が入った。」
各部屋にアナウンスが響き渡る。
皆 手には銃を持ち、腰には弾とナイフを装備 体には防弾服を身にまとい、頭にスコープ付きの防具を装着している。
このように装備してもカプチ体にはまったく歯が立たない、今まで生きてこれたのはこの地形のおかげであろう。
そして また指示が入った。
「全員持ち場にて待機!!」
私は部屋で沢山の人とカジキに囲まれて座っていた。
彼等の目的は私を連れ戻す事、今私がいなくなると困るのだろう。
「どうして困るの?」
と、たずねてみたがこたえは返ってこなかった。
《※》
とうとう作戦開始時間になった。
あのカプチ体達は会議室の様な広い部屋に集まっていた。
「『No.4696』『No.4374』『No.7116』『No.8732』、全員いるな?」
1人、『No.00』が人数を確認する。
「言わなくたって見りゃぁわかんだろ‥。」
口の悪い『No.4696』がぼそりと言う。
「あんたはどうしてそういう事言うのよぉ‥!!」
そこに『No.7116』が口を出す。
ちなみに『No.4696』、見た目はあまり近づきたくない雰囲気をかもし出しており、髪と目は黒目な赤、体つきは良くがっちりした感じだ。
年齢は二十歳前後だろう。
そして『No.7116』、彼女は女性にしては少し背が高めで細身な感じ、髪は長くポニーテールにしている。
彼女もまた年齢は二十歳前後にみえる。
「‥ねぇ『No.4374』?」
『No.8732』は少年に話しかけた。
「あなたは本当に彼女を、『No.3307』を連れ戻したいのですか?」
少女の疑問に少年は即答した。
「おう、アイツは俺の愚痴いくらでもきいてくれるしな!!」
少年はニッカリと笑い返した。
それを聞いてため息を一つこぼしてから『No.8732』は言い返す。
「…今の彼女には感情があるのですよ?
愚痴聞いていい気分なわけ無いじゃないですか…、ってそんな事のために連れ戻すって言うんですか…?」
ここで
「うん」
と言ったら殴り飛ばす、少女は思う。
「んな事はねぇよ、アイツは…俺の友達だ‥。」
『No.4374』は自慢気に言うがココに揃う者皆、彼女と友達だ。
「つうかよぉ、お前さっき時計に向か」
「何でもありません!!!」
途中に無理やり割り込み、その台詞を切った。
危険が伴う作戦の前だというのに、全く緊張感が感じられない4人に『No.00』は全員にでこぴんをお見舞いした。
「うるさい。」
皆 おでこをさすりながら黙った。
「…じゃぁ『No.8732』、転移頼むぞ。」
彼はまだ何か言いたたそうだったが、他は何も言わなかった。
「…‥はい‥。」