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脇役の苦悩を主人公は知らない!?  作者: 竜宮


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第32話 今すぐ俺の前から消えろ

 大降りの雨が身体を濡らす。

 傘もささずに俺は自宅へとは反対の方向へと向っている。今は一人になりたかった。

 頭の中では自分を罵ってばかりいた。

 情けない。本当に情けない。俺を誰も必要とはしてはいない。俺みたいな不出来な人間なんてランクAになるべきではなかった。

 フウキさんの言葉を反芻しながら歩く。信頼していたフウキさんに裏切られてしまったのはショックだった。

 だが正論をぶつけられてしまっているのだからフウキさんを責める訳にもいかない。いったいこれからどうするべきか。

 ぼんやりと赤信号を待っていると後ろから急に肩を掴まれた。


「アユト探したぞ! 何も言わずに帰るなんてどうした? なぜ電話にも出ない?」


「佐伯裕樹か……別に探さなくてもいい」


 自分が彷徨っていた時間が随分経っている事を佐伯裕樹から聞いた。俺の自宅へと出向いた後で俺を探していたらしい。本当に面倒な事をしているな。

 俺は佐伯裕樹の行動を客観的に馬鹿にした。


「出雲さんの件はどうなったんだ? お前が話し合ってくれたんだろ?」


「別にどうにもなってはいない……とりあえず鬱陶しいから放っておいてくれないか」


「なんだよその態度は! 何があったんだよ!?」


 俺の肩を力強く掴む佐伯裕樹。心配そうな表情から俺は目をそらす。今は主人公の熱意が鬱陶しかった。何も知らないくせに優しさを押し付けてくるのに腹が立った。

 俺は佐伯裕樹の手を思い切りはじいた。信号は再び赤へと変わっている。


「何もないって言ってるだろう! なんだよ! お前も俺を信用していないのか! ふざけるなよ全く! 鬱陶しいって言ってるだろ! 出雲かなでなんてどうでもいい!」


「どうでもいいって何だよ! 出雲さんがいじめられているのがどうでもいいのかよ!」


「黙れ黙れ黙れ! お前に俺の何が分かるってんだ! 俺の苦労も知らないくせに俺に構うな! 親友ごっこはもううんざりだ!」


「親友ごっこだって? 何だよその言い方は! アユトと俺は紛れもなく親友だろ!」


「もういい黙れ! 今すぐ俺の前から消えろ! お前の顔なんて見たくもない!」


「……アユト」


 俺は佐伯裕樹を置き去りにして大またで歩き出す。なぜ怒鳴ってしまったのかは自分でも分からなかった。

 そして次の日から俺は学校へ行かなくなった。

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