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『神の手違いが生んだ報われぬ者の転生録』  作者: Lark224a


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第86話 迫る体育祭。

三人で七瀬先輩と一ノ瀬先輩の仲をどうにかして良好な関係にすることを決め、各々で動いて情報の共有をしていたが、めぼしい情報はなく時間だけが過ぎていった。クラスメイトや周囲の人間にそれとなく聞き込みをしてみても、出てくるのは表面的な話ばかりで核心に触れるようなものは何一つ掴めなかった。


そうして何も成果が得られないまま体育祭まで一ヶ月前を迎えてしまい、生徒会の仕事も増えていき、お昼と放課後は仕事で動けなくなってしまった。


「えーってことで、一ヶ月後に行われる体育祭の種目を決めたいんですけど、先生。何で自分が司会をやっているんですか?司会進行は学級委員が担当だったはずですよね?」


「そうだね。普通はそうなんだけど‥‥だって、白瀬くんは生徒会じゃん。どのみち種目の割り当ての表のチェックは生徒会が確認して教師に持ってくるから、最初から生徒会の白瀬くんがやった方が効率的じゃない?」


「いや、まぁ‥‥言わんとしていることは分かるんですけど、だったら学級委員の意味がない気がするのと、こうして俺の仕事が増えているんですけど、自分そこそこ他の仕事もあって忙しいんですけど。」


「まぁ、いいじゃん!!だって、どのみち生徒会がチェックするんだからいいでしょ?お願い。」


「はぁ‥‥分かりました。


なら、まず”種目”について説明していきます。種目には二種類あって、”自由種目”と”選択種目”があります。最低でも自由で一種目、選択で一種目の計二種目は出てもらい、一部の人のみが三種目に出ることになります。どの人かの選別に関しては、足の速い人や体力に自信がある運動部の人が出ることになると思います。


では、一競技目の50メートル走のメンバーから決めていきたいと思いますので、出場したい人は手を挙げてください。」


と体育祭の出場メンバーとその種目を決めていった。


みんな初めての体育祭ということもあって気合が入っているのか、かなり積極的だったし、運動部や運動が得意な人に関しては自分が三種目に出ると、ほぼほぼの人が挙手をしていた。


その一方で俺は地獄のような仕事に追われていた。クラス全員の名前を書き込むだけでも忙しく、ペンを持つ手はとっくに感覚が鈍くなり、書類の山は減るどころか増えていく一方で、自分の種目など選べるわけもなく、一番人気がなかった借り物競争と玉入れに出場することになった。


まぁ、正直なところ出る種目はなんでもいいから、今のこの忙しさが一日でも早く終わってくれと願っていた。


そうして無事に種目は決定した。だが、一番大事なことが残っている。それは種目とは別に応援の係をどうするかだ。


白王の体育祭には三つの係がある。


一つ、昼の団。二つ、競技中の応援。三つ、製作の三つがあり、全員がどれかには参加する必要がある。特に昼の団という体育祭の午前と午後の昼食後に、それぞれの団によってダンスを踊って士気を高めるイベントがある。


これにみんな挙って参加したがるのだ。そして、この昼の団のせいで生徒会が忙しくしているわけでもある。金に物を言わせてダンスコーチやら曲の制作までやるせいで、かなりの名物になってしまい生徒会の仕事が爆増すること繋がっている。


本当にいい加減にして欲しい。たかがダンスごときで本気になりすぎだろ。


とは思う。だが、学生にとって体育祭や文化祭といったものは学生の時にしか味わうことができないもので、本気で拘りたい気持ちは分からなくもないが、それでも限度はあると思う。


現に、俺の目の前では本気と書いてマジと呼ぶぐらいの”じゃんけん”が行われていて、負けた人は膝から崩れ落ち、泣く泣く競技中の応援に行き、それにもあぶれた人は製作へと振り分けられていた。


そして選ばれた人を記入していると――


「悠真はどれにするの?」


咲と雪が俺のところへとやってきた。


「あー‥‥俺は生徒会の仕事的に製作以外は無理かな。製作だったら最悪、放課後に残ってやればいいから、そうしようと思ってる。咲と雪は何にしたの?やっぱり昼団?」


「私たちも製作にしたわ。悠真以外の人とダンスを踊るつもりはないわ。」


「うん、それに悠真の生徒会の仕事に専念できるように、製作なら代わりに引き受けられるからね。」


「はは‥‥マジでありがとう。本当に助かる。」


――と、心の底から感謝するのだった。

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