第77話 平穏の日々。
目覚めてから怒涛の日々だった。
突如としての三人パーティー。同じ学校に通うこと。急な刺客の存在。まさかの最下位。そんな色々なことが起きたうえに、俺の目覚めを聞いた家族まで押しかけてきた。
そのせいで、俺がようやく静かな生活を送れるようになったのは、目覚めてから一週間ほどが経った頃だった。
流石に一週間も経てば体の鉛もある程度は解消されて、今は自由に動くことはもちろん、軽い運動も熟せるようになったので、クエストの消化も再開していた。
もちろん、こんなことをしているのがバレたら大目玉を食らうので、必ず周りに人がいないことを確認してから運動はしている。
「フンッ!!これで‥‥丁度、1000だ。今日のデイリーもクリアだな。」
『1、ランニング20キロ――達成』
『2、筋トレ(腕立て・腹筋・背筋 各1000回)――達成』
『3、瞑想 2時間――達成』
『4、武術の修練 2時間――達成』
『5、勉強 2時間――達成』
《全てのデイリークエストを達成しましたので、オールクリアボーナスを支給します。全ステータスプラス5》
よくよく見れば、デイリークエストも最初の頃と比べてかなりしんどい内容になっている。俺の成長に合わせてクエストも成長しているってことだよな。
でも、だとしたらオールクリアボーナスはもう少し良いものにして欲しい。全てのステータスをプラス5されたところで、今の俺にとっては雀の涙だ。正直、あまり意味があるとは思えない。
俺は自分のステータスを表示させ、その中身を確認する。
白瀬 悠真 12歳 Lv80
体力 1231
筋力 1211
魔力 1204
速さ 1221
頭脳 1467
魅力 52
精神力 1479
運 60
・スキル
鑑定Lv5・身体強化Lv5・探知Lv5・自然治癒Lv3・速読Lv5・言語理解Lv3・潜伏Lv5・危機感知Lv5・New神速Lv2・New剣術Lv3・New会心Lv2・New並列思考Lv2・New動体視力強化Lv2
・称号
『静かなる暗殺者』『限界を超えた者』
こんな感じにエグい進化を遂げていた。レベルだってイベント前と後でほぼ2倍になっているし、ステータスも魅力と運以外は全て1000を超えている。相当な成長をしていると言えるだろう。
スキルについても既存のスキルはレベルアップしているが、問題は新しく増えたスキルだ。
神速、剣術、並列思考、動体視力強化。
どれもかなり強力そうなスキルばかりだ。
このスキルを見たとき、俺はある共通点に気付いた。それは――イベントで俺が取った行動が、そのままスキルとして反映されているということだ。
剣術、動体視力、並列思考。これらは魔物との戦闘で、俺が常に行っていたことだ。
一方で神速と会心は、マンティコアや刺客との戦闘で見せた、あの速度と一撃を表しているのだと思う。
もしこの考えが正しいなら、俺の戦闘行動によって得られるスキルが決まるということになる。
例えば弓を使って戦闘をし、経験値を積めば、弓に関するスキルを得る可能性があるというわけだ。
この説については、いずれダンジョンで確かめてみるつもりでいる。
称号についても確認してみたが、元々持っていた称号の他に『限界を超えた者』という称号を手に入れていた。その効果は「自身の体力が2割を下回った時、攻撃力と速度が倍になる」というもの。
これもマンティコア戦の影響で得た称号だろう。
はぁ‥‥早く退院して、ダンジョンでこの力を試したい。
そんなことを考えながら、日々の退屈さに嘆く俺であった。




